軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

761話 情報は足で集めないと

久しぶりの再会と厄介な依頼。

落ち着いた日々を得ることはなくて、波乱の時間が続きそうだけど……

ひとまず、先のことは考えない。

その日は、アクスとセルとの再会を祝い、みんなで飲んだ。

前に約束した通り、夜遅くまで飲んだ。

そして翌日。

「うーにゃー……頭がガンガンするよぉ」

「さすがにちょっと飲みすぎたわね……」

一階の食堂に移動すると、すでにみんなの姿があった。

ただ、半分は顔色がやや青い。

「大丈夫か?」

「たぶん……」

「ウチは幽霊やから二日酔いはしないから、こういう時は得やなー」

「うぅ……なにか飲み物が欲しいであります……」

「では、二日酔い対策のソラ特製ドリンクをどうぞ」

「ありがとうっす」

「「「ちょっ!?」」」

止める間もなく、ライハはソラ特製ドリンクを飲んでしまう。

一気飲み。

そして……

「ごはぁっ!?」

血を吐いて倒れた。

ぴくんぴくんと丘に打ち上げられた魚のように痙攣する。

「そんなに喜ぶなんて……よかったです。がんばって作ったかいがありました」

「……これが喜んでいるように見えるとは、我が姉の目はおかしいのだろうか?」

「がくがく、ぶるぶる」

ニーナも怯えていた。

「……しばらく見ない間に、ずいぶんとおもしろおかしいパーティーになったのね」

セルは呆れるような吐息をこぼす。

「まあ、色々あるけど、毎日が賑やかで楽しいよ」

「そう。それならよかったわ。じゃあ、今日から冒険者狩りの本格的な調査を始めるわけだけど、その打ち合わせをしましょう」

「アクスは?」

「しばらく起きてこないわ。放っておきましょう」

アクスも二日酔いか。

「資料によると、今回の事件の被害者はすでに三十人を超えているわ。毎日、一人か二人のペースで増えている」

「そんなに……生存者は?」

「残念ながら一割といったところね。犯人は、確実に冒険者を仕留めることを狙っているみたいよ」

いったい、どこの誰がこんなことを企んでいるのか?

怒りがこみ上げてくるものの、今は冷静に話を聞かないといけない。

一つ深呼吸をして心を落ち着けた。

「……被害者に共通点は?」

「冒険者ということ以外はなにも。友人でもないし顔見知りでもない。特定の依頼を請けたわけでもない。年齢も性別もバラバラね」

「無差別犯か……あるいは、まだ隠されている情報があるのか」

「両方の可能性を考えて行動するべきでしょうね」

「そうだな。他に情報は?」

「ないわ」

「……これだけ?」

「これだけよ。敵は、いつも霧のように消えてしまい、捕まえるどころか顔を見ることもできないらしいわ。だから、情報がぜんぜん足りていないの」

「そうなると、まずは情報収集がメインか」

そうしている間に新しい犠牲者が出るかもしれない。

そう思うと、すごくもどかしくなるのだけど……

でも、焦っても仕方ない。

視野を狭くするようなことはしないで、一つ一つ、できることをやっていこう。

「私とアクスは現場を見てくるわ。もう鑑識は入っているのだけど、改めて見ることでなにかしら発見があるかもしれないから」

「……アクスは大丈夫なのか?」

「パンツを見せてあげる、と言えばすぐ元気になるわ」

「え、見せるのか?」

「まさか、そんなわけないじゃない。ただの餌よ」

真顔で冷たく言い放つ。

セルは恐ろしい女性だった。

「でも、私達だけでは大変だから、誰か協力してくれないかしら?」

「もちろん。そうだな……」

「ふふん、こういう時は我らの出番だな!」

「ソラ達の魔法なら、現場検証に向いているのではないかと」

ルナとソラが名乗りをあげてくれた。

確かに、二人の魔法なら、うまくいけば犯人の記憶を読み取ることができる。

「じゃあ、頼むよ。あと……もしかしたら犯人と遭遇するかもしれないから、カナデとタニア。あと、リファもついていってくれないか?」

「にゃっけー」

「任せておいて」

「いいよ」

「残りのメンバーは街に残って、聞き込みなどをしよう」

チーム分けは完了だ。

外を探索するのは、アクス、セル、カナデ、タニア、ソラ、ルナ、リファ。

街で情報収集は、俺、ニーナ、ティナ、イリス、フィーニア、サクラ、ライハ。

なにが起きても対応できるベストチームだと思う。

「よし。それじゃあ、さっそく……」

「ごはぁ……」

「……少し休憩してから行動するか」

未だ床の上で伸びているライハを見て、俺はそう言い直した。

これからどうするのか、後で説明しないといけないな。

「ところでレイン」

ふと思い出した様子でセルが言う。

「レインは知っているかしら? 今、王都に勇者が来ているらしいわ」

「え?」