軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

751話 ライハ

「「「いただきまーす」」」

野営の準備が終わり、食事の時間だ。

ルナとティナが作ってくれた料理を、みんなでおいしくいただく。

「……」

「えっと……」

食事の間も、リファはちらちらとこちらに視線を送ってきた。

不満を抱えているとか、そういう様子はないんだけど……

やっぱり気になるな。

「リファ」

「なに?」

「その……俺の顔になにかついているか?」

「目が二つ、鼻が一つ、口が一つ」

「いや、そういうベタなのはいいから……」

「あ、ごめん。口は二つだった」

「二つ!?」

「冗談」

リファが言うと本気に聞こえるから困る。

「……」

なんて話をした後も、リファは視線をこちらに送ってくる。

じー……という感じで、視線が外れることはない。

もちろん、敵意なんてものはないんだけど……

でも、こうも見られ続けていると、なんだか居心地が悪い。

「ご、ごちそうさま……」

「「「ごちそうさまー!!!」」」

結局、食事の間、ずっと見られていたのだった。

――――――――――

「……うん?」

深夜。

火の番、及び獣や魔物の警戒をしていると、偵察に出てもらっていた狼が戻ってきた。

俺の前で座り、一つ鳴く。

「うにゃ? どうしたのレイン」

「もしかして魔物かしら? なら、あたしの出番ね。焼き尽くしてあげる」

「タニアの姉御、焼くっていう選択肢しかないっすか?」

同じく見張りをしているカナデ達が不思議そうな顔をした。

そんな中、狼からの報告を受け取る。

「ふんふん、なるほど」

「にゃんて?」

「少し離れたところに湖があるだろう? そこで人影を見たらしい」

「ってことは、盗賊かしら? なら、焼いてあげないと」

「なんでもかんでも焼かないと気が済まないっすか?」

ライハは、たらりと汗を流していた。

「俺、ちょっと様子を見てくるよ。盗賊とかだったら面倒だからな」

「私も一緒に行こうか?」

「んー……とりあえず、大丈夫。危ないと感じたら大声を出すから、その時は頼む」

「らにゃー!」

俺は、もう一度、狼に周囲の偵察を頼み、湖の方へ向かうのだった。

――――――――――

「……ぷはぁ」

レインが立ち去った後、ライハは溜め込んでいた吐息をこぼした。

肩の力を抜いてリラックスする。

「どうしたのよ?」

「もしかして、緊張とかしてた?」

「それは、まあ……」

「それもそうだよね。あんな話をした後だからね」

それは昼のことだ。

ラウドネアを後にして、王都を目指す途中……

色々な情報を整理する中で、ライハの話が持ち上がる。

雷を操る力を持ち……

四天王候補という過去。

ゼクシードとの戦いの中で初めて明かされた秘密だ。

ライハは、全部説明しないといけないと思っていた。

あまり思い返したくない過去だけど、仲間なのだから説明する義務がある。

そう思っていたのだけど……

「無理に話さなくてもいいさ。ライハがそうしたい、と思った時に話してくれれば、それでいい。俺は、それまで待つよ」

レインのそんな言葉で、ライハの話は流れたのだった。

「うぅ……なんか自分、どうやってアニキに接していいのやら……」

「気にすることないんじゃないかな? レインが良い、って言っているし」

「あたし達も、特に気にしてないからね」

「え? そうなんすか?」

意外な話だった。

四天王候補となれば、聞きたいことは色々とあるはずだ。

強引な方法を使っても聞き出したいことはあるはずだ。

ライハはそう思っていたのだけど……

カナデとタニアは、あっけらかんとした様子でライハの懸念を否定してみせた。

「ライハにも色々あるだろうからね。無理に聞きたいなんて思わないよ」

「そうそう。レインも言ってたけど、本当に話したい時で構わないのよ? で、それまで黙っていることを後ろめたく感じる必要もないの」

「でも……」

「だから、気にしないの。あたし達、仲間でしょ?」

「私はライハのこと信用しているから。それに、誰だって隠し事の一つや二つ、あるからね。気にしなくていいよ」

「うぅ……カナデの姉御、タニアの姉御……」

ライハの瞳にじわっと涙がたまる。

でも、ぐぐっと我慢して、流れるのは堪えた。

「自分……明日、話をするっす」

ライハは、そう決意をした。

自分の過去を……

四天王候補として過ごしてきた時間を、仲間と共有することを決めた。