軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

724話 待ち受ける者

階段を下り、ダンジョンの最深部を目指す。

「にゃー……なんか、特になにも起きないね」

「妙な仕掛けがたくさんだから、厄介な罠があると思っていたんだけど……そうでもなさそうね」

カナデとタニアが言うように、あれから特に大きな問題はなく、事件もなく、トラブルもなく……

スムーズに先へ進むことができた。

たぶん、あの鍵が最後の関門だったのだろう。

だとしたら、この先に待ち受けているものは……

「なにかあるよ」

リファが指差す方を見てみると、階段の終わりが見えた。

その先に扉が見える。

「あの扉も、なにか細工があるのでしょうか?」

「どうだろうな……見た感じ、なにもなさそうだけど」

仕掛けは見当たらない。

魔法陣が描かれているわけでもない。

実際、扉を押してみると簡単に開いた。

そして……

「どうやら、ここが最深部みたいだな」

ちょっとしたスポーツができるくらい広い部屋に辿り着いた。

奥へ続く扉は見当たらない。

隠し通路がある可能性は捨てきれないけど……

ただ、ここが最深部だと、俺の直感がそう告げていた。

「レイン。あれ、なんだろう?」

カナデは尻尾をはてなマークにくねらせつつ、部屋の中央を指さした。

光の球が浮いている。

ふわふわと。

ゆらゆらと。

水面に浮かんでいるかのように、ゆったりと浮いていた。

「罠かな?」

「あからさますぎるでしょ」

「さっき、みたいな……もの?」

「ここは自分が調査を!」

「その役目はカナデでいいと思う」

「にゃんで私!?」

「カナデだから?」

「理不尽!」

みんなのやりとりで、少しだけ緊張が解れた。

「たぶん……ニーナが正解だろうな」

嫌な感じはしない。

それならば……と、思い切って光の球に手を伸ばす。

そして、指先が触れると……

「っ!?」

光があふれ、視界を白に染める。

今度はなにが起きる?

身構えつつ、光が収まるのを待つ。

ややあって光が消えて、目を開けられるように。

「……ラインハルト?」

目を開けると、光の球があったところにラインハルトの姿があった。

ただ、なにか違和感がある。

これは、そう……

「若い……のか?」

違和感の正体は、ラインハルトの外見だった。

よくよく見てみると、目の前のラインハルトは若い。

今よりも十歳くらい下に見える。

「にゃー!? 幽霊!?」

カナデの尻尾が逆立ち、ぶわっと毛が膨れた。

目の前のラインハルトの体は透けていて、宙に浮いている。

なるほど。

幽霊と言われれば、その通りと納得するかもしれない。

「いたっ!? 怖いからってあたしの尻尾にしがみつかないでよ!?」

「ちょうどいいサイズなんだもん!」

「わたしの……尻尾……」

「ボクの眷属にしがみつく?」

「自分でもいいっすよ!」

こんな時でも、みんなはマイペースだった。

苦笑しつつ、ラインハルト? に問いかける。

「あんたは……誰だ?」

「ようこそ」

俺の問いかけに答えず、ラインハルトは落ち着いた声で言う。

「僕の名前は、ラインハルト・エーデルファルド。勇者と呼ばれている」

ということは、やっぱりこの男はラインハルトの若い頃の……?

そして、あの言葉通り、ラインハルトは勇者だった……?

「ちなみに、これはただの記録映像だ。とある最強種の力を借りた魔道具で……うん。まあ、詳細は省こう。どんな仕組みなのかと問われても、僕も答えられないからね」

「カナデ、幽霊じゃないみたいよ」

「ほ、本当に……?」

「よしよし」

みんな、本当にマイペースだ。

「後世のため、僕はこの記録を残すことにする。できるのなら、これを見る者に正しい心がありますように」

そんな前置きをして……

ラインハルトは、今までずっと隠されていた世界の真実を語る。