軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

704話 野生児

馬車の旅は続く。

ちょうど行程の半分ほどを消化しただろうか?

そんな時、ちょっとしたトラブルが起きた。

「……ごめんなさい」

しょんぼりとするカナデ。

魔物と遭遇して戦闘になったのだけど……

その際、カナデが思い切り暴れたことで、荷物に被害が出て、一部の食料がダメになってしまった。

空っぽになったわけじゃないけど、次の街までは保たない。

自力で調達する必要があった。

「誰でもミスはするし、そんなに気にしないでくれ」

「にゃー、でもでも……」

「大丈夫。こういう時は狩りをすればいいだけだから」

みんなの顔を見ると、そうそう、と同意して頷いてくれた。

魔物と戦う時、下手に手加減をする方が危ない。

そのことをしっかり理解しているから、誰もカナデを責めることはない。

むしろ、元気を出して、と励ましていた。

「うー、ありがとう、ありがとう」

励まされて慰められて、カナデはちょっと涙目だった。

うん。

みんなの仲が良いのはうれしいな。

「じゃあ、ちょっと足を止めて狩りをしようか」

「了解よ」

「ただ、馬車と……」

ちらりと、馬車酔いしたままで、ぐったりとしたソラとルナを見る。

「ソラとルナを守るメンバーを残しておかないとな」

今の二人はスライムにもやられてしまいそうだ。

さすがに心配なので、誰かが残って守ってあげてほしい。

「では、わたくしが馬車に残りますわ。狩りはあまり得意ではないので」

「助かるよ、イリス」

「わたし、も……残るね?」

「ウチもー」

「わ、ワタシも残っていいでしょうか? 狩りは苦手で……」

「了解」

こうしてメンバーが決定した。

狩りは、俺、カナデ、タニア、リファ、サクラ、ライハ。

馬車とソラルナの護衛は、ニーナ、ティナ、フィーニア、イリス。

わりと理想的な編成だと思う。

「狩りにかける時間は、そうだな……一時間くらいで。次の街までそんなに遠くないから、数日分稼げれば問題ないはずだ」

「オッケー。ボク、がんばる」

「にゃー、汚名挽回しないと!」

それを言うなら、汚名返上な。

「じゃあ、馬車は任せた」

バラバラに散って、さっそく狩りを開始した。

――――――――――

……そして、一時間後。

「こんなところかな?」

猪を三頭、狩ることができた。

多すぎと思われるかもしれないけど、でも、みんなはよく食べる。

本当にたくさん食べる。

他のみんなが獲ってくるものと合わせれば、たぶん、ちょうどいいだろう。

「よし、戻るか」

獲物を担いで馬車へ戻る。

重さは問題ないけど、バランスの面でやや苦戦してしまう。

「ただいま」

「おか……えり」

「ごはんにする? お風呂にする? それとも……ウ・チ?」

反応に困るボケをかまさないでほしい。

「あら、素晴らしい成果ですわね」

「さ、さしゅがレインさんです!」

「他のみんなは……」

「あたしとカナデなら、もう準備しているわ」

馬車の裏手を見ると、タニアとカナデがいた。

共に鹿を狩ってきたらしく、血抜きなどの処理をしている。

「残りの三人は……」

「ただいま」

「狩ってきたぞ!」

「レイン、僕、がんばった!」

ちょうど良いタイミングで帰ってきたみたいだ。

「おかえり。大丈夫だったか?」

「狩りなんて楽勝」

「アニキのためにがんばりました!」

「いっぱい、とってきた!」

頼もしい三人だ。

三人とも背中に籠を背負っていた。

よく見えないけど、あの中に獲物が?

魚でも釣ってきたのかな?

「みなさんは、どのようなものを獲ってきたのですか?」

「ボクはコレ」

リファは、野草や果物がいっぱいに詰まった籠を見せてくれた。

これはうれしい。

肉ばかりだと味も栄養が偏るからな。

「自分はコレであります!」

ライハは魚だった。

よく見たら、ライハのあちこちが濡れていた。

釣りをしたんじゃなくて、たぶん、手づかみで獲ってきたんだろう。

そして、サクラが取り出したのは……

「僕の獲物、コレ!」

虫だった。

まだ生きていて、ワサワサと動いている。

さすがというか、なんというか……

この前まで犬型だった、サクラらしい獲物だった。

「食べる、おいしい!」

「……」

笑顔のサクラに虫を突きつけられて、

「……はぅ……」

イリスは失神してしまうのだった。