軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

673話 王子と王女

「やあ、レイン。久しぶりだね」

一人は、国の王子でもあるユウキだ。

一時は一緒に旅をして……

共に四天王と戦い……

身分の差はあるのだけど、でも、大事な友達だ。

「ごきげんよう、レインさま」

もう一人は、同じく王族のサーリャさまだ。

ユウキの妹で、第三王女。

ちょっとした縁で知り合いになって……

以来、交流が続いている。

「ユウキ!? サーリャさまも……はは、二人共元気そうでよかった」

「レインも元気そうだね。またすごいことをやったみたいだから心配していたんだけど、杞憂だったね」

「とはいえ、無理はダメですよ? レインさまは、目を離すとすぐに無理をされてしまう御方なのですから」

「あ、あはは……」

あれから、さらに色々と無茶をしているため、耳が痛い。

「うにゃー……あの王女、やっぱり侮れないにゃ」

「レインとユウキは仲が良いですね……もしかして、そういう関係なんでしょうか? ドキドキです」

「姉よ……いつから腐ったのだ?」

後ろからみんなの声が聞こえてきて、こんなところで立ち話をすることもないか、と気づいた。

「とりあえず家に」

二人を家に案内した。

「お茶とお菓子やでー」

さっそく、ティナがお茶とお菓子を用意してくれる。

こういう時のために用意しておいて、それなりに高級なものだ。

「二人は、今日はどうしたんだ? ……いや、ですか」

ユウキ相手にはタメ口なのだけど、サーリャさま相手までそうするわけにはいかず、言い直した。

それを聞いて、サーリャさまはくすりと小さく笑う。

「そのようにかしこまらないでください。私も、兄と同じように、気さくな口調にしていただければ」

「それは……いいんですか?」

「公の場では困りますが、このようなところなら問題ありません。それに……」

「それに?」

「いつか一緒になった時、その時まで敬語を使うおつもりなのですか?」

「いっ!?」

「「「っ!?」」」

サーリャさまは、いたずらっ子のようにそう言う。

ただ、その瞳はしっとりと潤んでいるように見えて……

どことなく、色気と妖しさを感じさせた。

「「「やっぱり侮れない……」」」

みんなのつぶやきは……今は、ちょっと聞かなかったことに。

「えっと……」

「ふふ、ごめんなさい。少しいたずらをしてしまいました。将来のことはさておき……私は気にしないので、兄と同じように接していただければ」

「わかりました……いや、了解」

王子と王女にタメ口で接する。

国の高官が見たら、顔を赤くして激怒しそうだな。

どうでもいいことを考えつつ、本題へ。

「今日、僕達がやってきたのは、ちょっとした報告とお願いからなんだ」

「まず最初に……私達の不手際をお詫びいたします」

「え?」

ユウキとサーリャさまが頭を下げた。

「教会の……アルトリウスの暴走は、国に責任があります。うまく手綱を取れないだけではなくて、真意を見抜くことができず、長年、好きにさせてしまった……為政者として恥ずかしい限りです」

「言い訳になってしまうんだけど、調査は進めていたんだ。ただ、決定的な証拠が掴めなくて……でも、こんなことは二度と起こさせない。約束するよ」

「うん、わかった。了解だ」

「「……」」

なぜか、二人は驚いたような顔に。

「えっと……レインは怒らないのかい?」

「え、なにに?」

「だって、僕達が頼りないせいで今回の事件が……」

「それは違う」

国に責任がないとは言えない。

二人が言ったように、追求するべきところはある。

でも……

なんだかんだで、つまらない野望に取り憑かれたアルトリウスが一番悪い。

それは絶対だ。

二人は王族だから、その責任を負う必要はあるかもしれないけど……

だけど、俺は気にしないでいようと思う。

他に怒る人はいるかもしれないけど、俺は、二人の味方でいようと思う。

えこひいき以外の何者でもないのだけど……

俺は聖人君子じゃない。

ただの人間だ。

そういう俗物的な感情を持っても、仕方ないじゃないか……と、開き直ることにした。

「だから、ここにいる時は気にしないでくれ」

「まったく……レイン、君っていうヤツは」

「ふふ、さすがレインさまですね。改めて、好きになってしまいました」

「ごほっ」

サーリャさまのストレートな言葉に、ついついむせてしまう。

久しぶりに会うからなのか、とてもグイグイと来ているような気がする。

「えっと……今のが報告なのか?」

「ううん、違うよ。これからが本題なんだけど……」

他に漏らさないでね? という前置きの後、ユウキは、今回の事件についての国の調査内容を話してくれた。

それは、とても衝撃的なもので……

「アルトリウスが魔族と結託していた……?」

「うん。詳細はまだ調査中なんだけど、ほぼほぼ間違いないと思っているよ」

「相手は?」

「リース」

「……っ……」

ここでその名前が出てくるか。