軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

583話 海だ!

「青い空!」

「白い雲!」

カナデとタニアがビシリと空を指差した。

「輝く太陽!」

「熱々の砂浜!」

ソラとルナがテンション高く叫ぶ。

「「「海だーーー!!!」」」

最後に、残りのみんながとびっきりの笑顔を見せた。

「みんな、元気だなあ」

「そう言うレインさんも笑顔ですよ?」

「あはは」

スズさんにそう指摘されて、ついつい笑ってしまう。

みんなのテンションは高いが……

実のところ、俺もわくわくと心を弾ませていた。

海で遊ぶなんて初めてだ。

自然と笑顔になってしまうほど楽しみで……

正直なところを言うと、昨日はなかなか眠れなかった。

「ところで、レインさん」

「はい?」

「私の水着、どうですか?」

「えっと……」

スズさんが水着姿を見せつけるように、一歩、距離を詰める。

フリルのついたかわいい水着だ。

とてもじゃないけれど、一児の母とは思えない。

「すごく綺麗だと思います」

「あらあら、まあまあ。ふふ、ありがとうございます」

「にゃー!? お母さんがレインを誘惑してる!」

「ちょっとレイン! あたしの水着も見なさいよ!」

みんなが一斉に押しかけてきた。

そして、それぞれ水着姿を披露する。

カナデとタニアとティナはビキニだ。

ちょっと大胆だけど、でもよく似合っていて、三人の魅力をこれ以上ないくらいに引き出している。

ソラとルナは、シンプルなワンピースタイプだ。

ニーナとリファとフィーニアも同じワンピースタイプなのだけど、こちらはフリルがたくさんついていて、かわいらしい水着になっている。

四人の笑顔を華やかにしているみたいで、とてもいい感じだ。

レゾナさんとエルフィンさんとノキアさんは、パレオがセットになっているタイプ。

パレオがちょっとしたアクセントになっていて、大人の色気を感じる。

そして問題は……

イリスとアルさんだ。

「ふふ。レインさま、顔が赤いですがどうかなさいまして?」

「照れておるのか? 初いやつじゃのう」

二人は大胆な……

というか、際どい水着を身に着けていた。

見えてはいけないところが見えてしまいそうで、まっすぐに見ることができない。

ついつい視線を逸らしてしまうのだけど、そんな反応がたまらないらしく、イリスとアルさんは小悪魔のごとく微笑む。

「わたくし、レインさまのためにがんばって水着を選びましたのよ? ぜひ、見てください」

「妾も、それなりにがんばったのじゃが。ほれ、遠慮することはないぞ」

「い、いや。それは……」

「ふふ」

「くふふ」

「二人共……」

「「「なにをしているかー!!!」」」

カナデ、タニア、ソラ、ルナの合体攻撃。

イリスとアルさんは海に放り投げられた。

「うにゃー……イリスってば、ちょっと目を離したら、すぐにレインに色仕掛けをするんだから!」

「そんなことはあたしらが許さないと知りなさい!」

「もう……みなさん、過激ですわ。わたくし、ちょっとアピールしただけですのに」

かなりの勢いで放り投げられたように見えたのだけど、イリスはけろりとしていた。

「母さんは、慎ましさとかそういうものを覚えてください!」

「その水着はアウトなのだ! 母上の年齢的に、どうやってもアウトなのだ!」

「むう、そこまで言うか? 妾、傷ついちゃう……」

「「それもアウト!!」」

アルさんは、ソラとルナに怒られていた。

いや。

怒られているというよりは、嫉妬をぶつけられている?

「モテる男は辛いなあ?」

「……からかわないでください」

ニヤニヤと笑うレゾナさんに、俺はため息を返すのだった。

――――――――――

ちょっとした騒動はあったものの……

気を取り直して、みんなで海で遊ぶことに。

「おぉ」

海に入ると、ひんやりとした水に足が包まれた。

冷たくて気持ちいい。

それに、波が触れる感触も心地いい。

「これが海か……」

「レインは海は初めてなんだよね?」

水音を立てつつ、カナデがやってきた。

「そうだな。話は聞いていたけど、こうして遊ぶのは初めてだよ」

「そういうことなら……」

「我と姉が海の遊び方を教えてやるのだ!」

「最近台詞を横取りされることが多い気がする!?」

ソラとルナが現れて、おもむろに水をかけてきた。

「お、おい、なにするんだ?」

「こうやって水をかけて遊ぶんですよ」

「ふははは! 我の水しぶきを食らうといい!」

「うわっ、わぷ」

ばしゃばしゃと水をかけられてしまう。

でも、楽しい。

よくわからないんだけど、自然と笑顔になってしまうような高揚感がある。

「よし、なら反撃だ!」

「「ひゃー♪」」

水をかけると、ソラとルナはどこか楽しそうな悲鳴をあげた。

それを見たカナデが、うずうずとした顔になり……

「私もいくよー!」

ばしゃあああああぁんっ!!!

「あ」

……注意。

海の水遊びはほどほどにしておこう。