軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

544話 VSアルテラ・その1

「あぁあああああっ!!!」

獣のように叫びつつ、アルテラが右手を振る。

その軌跡に従い、豪炎が生まれた。

蛇が獲物に食らいつくような感じで、豪炎がこちらに飛びかかる。

「ファイヤーボール・マルチショット!」

複数の火球をぶつけて、豪炎を相殺した。

同時に、ユウキが駆ける。

「壱之剣……雪月花!!!」

超高速の連続剣。

ありとあらゆる角度から両手の剣を叩き込み、数十連撃という脅威の攻撃を繰り出した。

ギガブランドのコピーさえ、足止めすることができた技だ。

これならば、と思うのだけど……

しかし、アルテラはこちらの予想を軽く上回る。

「はぁ? 鬱陶しいだけなんだけど」

「ぐっ!?」

数十を超える超速の斬撃を、アルテラは全て防いでみせた。

瞬時に炎の剣を両手に生成して、ユウキの剣を受け止める。

アルテラの能力は、その呼び名の通り、炎を操るものなのだろうが……

彼女の力はそれだけじゃない。

今見たように、高い戦闘能力を有している。

「ねえねえねえ、それだけ? 剣を振るしかできないわけ?」

「くっ……このぉっ!!!」

ユウキはさらに剣を加速させた。

その斬撃は、もはや視認できないほどに速い。

さらに斬撃を重ねていく。

「あはははっ、うんうん、やるじゃない! やればできるじゃない! この私が、直々に戦ってあげるんだから、もっと楽しませてよね? ほらぁっ!」

アルテラは、いくらかの斬撃を食らうが、それを気にした様子もなく反撃に移る。

ゴゥッ! と足元から炎が舞い上がる。

それを拳にまとわせて、ユウキに向けて叩きつける。

「くっ!?」

これ以上は危険と判断したらしく、ユウキは大きく後ろへ跳んで逃げた。

しかし……

「あはははっ、甘いんだけど!?」

アルテラは拳を振り抜いた。

その動きに合わせて、炎が飛び、ユウキを追撃する。

殴ると見せかけて、遠距離攻撃か。

やってくれる!

「物質創造!」

ユウキの前に石の壁を作り出して、追撃の炎を防いだ。

「ありがとう、レイン」

「接近戦の能力、技術に長けている……距離をとってやりあった方がいいかもしれないな」

一定の距離を保ちつつ、隙をうかがう。

すると、アルテラがつまらなそうな顔に。

「ねえねえ、今みたいに突撃してくれないの? もっともっと、楽しく殺し合おう?」

「……」

「うーん、私のことを警戒してる? ま、仕方ないか。なら……こっちからいくよ?」

アルテラはニヤリと笑い、右手に炎を収束させていく。

その炎はどんどん膨れ上がり、やがて、一つの形をとる。

それは……太陽だ。

燃え盛る豪炎が一点に凝縮されて、膨張して……

太陽のごとく輝きを放つ、巨大な炎弾に変わる。

「プロミネンスフレア」

アルテラは、とてもとても楽しそうに笑う。

「私の切り札の一つだよ。それじゃあ……防いでみせてね? きゃはははっ!!! いけぇええええっ!!!」

巨大な炎弾が放たれた。

そこにいるだけで火傷してしまいそうな熱波を撒き散らして。

地面を抉り……いや、溶かし。

獲物に食らいつく獣のように、炎弾が俺達に迫る。

「イグニション!」

「弐之剣……」

俺達は、瞬時に判断を下した。

避けること、防ぐことは不可能。

ならば、迎え撃つしかない!

クサナギのファーストフォームで、みんなの力が込められたカートリッジを装填。

「くらえっ!!!」

「神月!!!」

俺とユウキ、とっておきの技を同時に放ち、巨大な炎弾……太陽を迎撃する。

互いの技が激突して……

カッ! と閃光が広がる。

一瞬遅れて、爆発の衝撃と熱波が撒き散らされた。

「く、そっ……ごほっ、ごほっ」

「なんていう威力なんだ……」

俺とユウキはかろうじて生きていた。

ただ、今ので、俺はカートリッジを一つ使用してしまった。

残りは一つ。

ユウキも、かなりの体力と精神力を消耗してしまったらしく、顔色が悪い。

今までの戦いもあり、満身創痍といっても過言ではない。

それなのに……

「おー、えらいえらい。プロミネンスフレアを迎撃しちゃうなんて、うん、本当にすごいと思うよ? ふふ、褒めてあげる」

アルテラに大した傷はない。

とても元気そうにしていて、余裕の笑みを浮かべていた。

「あー、本当に惜しいなあ。あなた達なら、本当に強い魔族になれるだろうし、私の側近にもなれると思うのに。というか、四天王にもなれるかも? これ、本当だよ」

「だったら、なんだ?」

「やっぱり、私のものにならない? 絶対にその方がいいよ。こんなところで死にたくなんてないでしょ?」

「「断る」」

俺とユウキの答えは決まっている。

先に示した通り、だ。

こんなヤツの仲間になるくらいなら、死んだ方が何倍、何十倍もマシだ。

まあ、死ぬつもりなんてないけどな。

「ふーん、そっか」

アルテラの目が再び冷たいものに変わる。

「じゃ、いいや。私のものにならないなら、いらない。壊れちゃえ」

アルテラは人差し指をこちらに向けた。