軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

特別話2 宣伝その2

「ふふんっ、あたしの時代がやってきたみたいね!」

とある日の午後。

のんびりとくつろいでいると、タニアが誇らしげに胸を張っていた。

どうしたのだろう?

「どうしたの、タニア? 頭打った? 道に落ちているもの食べた?」

「カナデじゃないんだし、そんなことしないわよ。この食いしん坊猫」

「その称号は、むしろ誇らしいよ!」

「得意げにされた!?」

「えっと……それで、どうしたんだ?」

話が先に進まないので、口を挟んでみた。

すると、タニアがすごくうれしそうに、顔をキラキラと輝かせつつ言う。

「レイン、聞いてちょうだい! あたしらの活躍が描かれた本の六巻が発売されたのよ!」

「へぇ、この前の漫画と同じような?」

「そう!」

いつの間に、そんなものが発売されていたのだろうか?

しかも、六冊。

いや、うれしいことだけど。

でも、いつの間に、という謎が残る。

「にゃー、でもそれ、わりと前々からだよね? もちろん、うれしいことだけど、タニアはやけにうれしそうだよね?」

「当たり前じゃない! やっと、あたしがセンターカラーを飾ったんだから!!!」

なるほど。

一巻の表紙はタニアも描かれているのだけど、主にカナデがメインのデザインだ。

二巻は、ソラとルナ。

三巻は、ティナ。

四巻はイリスで、五巻はカナデとアルさん。

ようやく、六巻でタニアがセンターを飾り……

そのことを、とてもうれしく思っているのだろう。

「にゃー……ごめんね、タニア? 私、二回も表紙を飾っちゃったよ?」

「哀れまないでよ! 譲っておけばよかったかなー、とか、そういう顔やめなさいよ!?」

「でも、ほら、漫画の二巻はタニアがメインだから……ね?」

「そういう慰めもいらないわよ! 喧嘩売ってんの!?」

「少し」

「売ってたの!?」

「にゃはー」

ものすごい勢いで話が逸れていく。

もう一度、軌道修正を試みた。

「それで、六巻はいつ発売なんだ?」

「見ての通り、もう発売されているわ」

「そうなのか」

ぜんぜん知らなかった。

「なんでも、作者がおまけを忘れていたとか」

「ひどいねー」

「そうね、ひどいわ」

それ以上はダメだ。

色々な意味で危ない会話になってしまう。

「まあ、そんなわけで……」

「『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』書籍六巻、好評発売中だよ!」

「買わないと、あたしのブレスで焼いてあげるわ!」

「脅すな……」