軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

436話 勝利に繋がる道

「やった!」

シフォンの攻撃で、リーンは障壁を失うだけではなくて、致命的な一撃を受けた。

これで、戦局は大きく傾くはず。

「にゃんっ、いただきぃ!」

カナデが追撃を叩き込むが、

「このっ……クソ猫がぁあああああっ!!!」

「にゃっ!?」

怒りの声と共に、魔法が放たれた。

全てを燃やし尽くすかのような、地獄の業火が現れる。

それはリーンとカナデを断絶する壁となり、侵入者を阻む。

近づくもの全てを燃やし尽くす。

攻守を備えた絶対的な領域だ。

さすがのカナデも後退を余儀なくされた。

シフォンと一緒に後ろに跳んで、様子を見る。

それを見て、リーンは勝ち誇った顔に。

カナデは物理特化タイプだ。

覚醒した状態でもそれは変わらない。

シフォンも、戦い方を見る限り、どちらかというと近接戦が得意だ。

二人が近づくことは厳しいかもしれない。

でも、俺達がいる。

「ニーナっ!」

「んっ」

カナデの合図に頷いて、ニーナがくるくると手を回す。

亜空間に繋がる穴が縦に五つ、形成された。

それは、炎の壁に穴をあけて、リーンのところへ続く道となる。

敵の攻撃を防ぐだけではなくて、防御も飲み込んでしまう。

ニーナだからこそできる芸当だろう。

「うにゃんっ!」

リーンに続く道ができたところで、カナデが駆けた。

「このっ!」

「ブラッドシュート!」

「ギガボルト!」

リファとシフォンの援護。

カナデの横ギリギリのところを、血の弾丸と雷撃が駆け抜けていく。

かなり危ういところなのだけど、カナデは動じることなく、走り続ける。

きっと、二人のことを心から信頼しているのだろう。

リファとシフォンと出会って、まだそこまで長くない。

でも、そんな二人のことをきちんと信頼することができる。

カナデは、そんな子だ。

「ぐっ、ぎぃ……このっ!」

リファとシフォンの援護で、リーンは防御に専念せざるをえない。

多重障壁を展開して、血の弾丸と雷撃を防いだ。

しかし、その時には、すでに目の前にカナデが迫っていて……

「ひぎゃっ!?」

多重障壁? なにそれ?

というような感じで、カナデは多重障壁をぶち破り、リーンを殴りつけた。

再び小さな体が吹き飛んで……

「フィーニア!」

「は、はひっ!」

エルフィンさんとフィーニアの追撃が放たれた。

極大の火炎がリーンを飲み込み、その体を喰らおうと暴れ狂う。

リーンはもがき、必死に抵抗する。

氷魔法で炎を相殺しつつ、空へ逃げる。

「それは……」

「お見通しさね」

「なっ!?」

俺とシグレさんとサクラが回り込んでいることに気がついて、リーンが顔をひきつらせた。

カナデが多重障壁を砕いた直後なので、今のリーンは無防備だ。

まず、サクラが噛み付いた。

「グルルルゥッ、グアッ!!!」

普段の愛くるしい姿からは想像できないような獰猛な唸り声をあげて、鋭い牙を突き立てた。

いいぞ。

そのまま、しっかりと捕まえていてくれよ。

「シグレさん!」

「わかっているさね」

「ブースト!」

サクラに続いて突撃する。

俺は宙を飛ぶことはできないので、支えるように出してくれたシグレさんの手の平を蹴り、角度を調整しつつ、加速。

天から大地に。

直上からの一撃を見舞う。

「うぎぃっ!?」

手加減なしの、全力の一撃。

カムイの刃が、リーンの肩から腹部までを深々と切り裂いた。

続けて、シグレさんの追撃。

己の体を矢のようにして、最大限に加速した状態でリーンに突貫した。

リーンは悲鳴をあげて、痛みに顔を歪めて、耐えられないといった様子で膝をつく。

俺達の勝ちだ。

魔族化したリーンは、これくらいで死ぬことはないだろうし、回復もできるだろう。

ただ、その可能性を考慮しても、俺は勝ちを確信していた。

リーンは痛みに慣れていない。

自分より強い相手を敵に回す戦いなんてほとんどしていないし、後衛なので、普段は前衛に守ってもらっている。

本人の性格もあり、必要以上に傷つくことは避けてきたはず。

だからこそ、痛みに慣れておらず、それに耐えることができない。

普通の人なら死んでいるはずの一撃。

それを受けてなお、立ち上がることはできないだろう。

とはいえ、油断はできない。

悪あがきもできないように、徹底的に叩く必要がある。

「カナデ!」

「うんっ」

カナデと手を繋ぐと、今まで感じたことのない、熱くて強い力が流れ込んできた。

これが、覚醒状態のカナデの力か……すごいな。

その力をしっかりと受け取りつつ、カムイのトリガーを引き絞る。

「これで、終わりだぁあああああっ!!!」