軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1076話 ありえない襲撃者

背中に生えている羽。

お尻の辺りから伸びている尻尾。

ちょっと小麦色に焼けた肌。

普段は人懐っこい笑みを浮かべて、子犬のようにじゃれついてくるのだけど……

今は真逆の様子で、冷たい氷のような表情を浮かべている。

でも、俺が彼女を見間違えるはずがない。

だって、彼女は……

大事な仲間なのだから。

「ライハ……?」

「……」

問いかけるものの返事はない。

代わりに、ライハはこちらに手を向けた。

俺を指さして、その先が輝いて……

「危ないぞ」

「っ……!?」

瞬間、雷撃が放たれた。

反応できずにいると、ショコラが前に出て、大盾で防いでくれた。

「あいつ、レインの仲間だぞ。そうだよな?」

「あ、ああ……そのはずだけど」

「そっくりの他人、っていうことは?」

「それはない」

断言できる。

大事な仲間を。

そして、恋人を見間違えるはずがない。

まったくの別人のような雰囲気ではあるのだけど……

でも、彼女がライハであることは間違いない。

それは絶対だ。

「おいおいおい、どういうことだ? あの嬢ちゃん、もしかして裏切ったのか?」

「それは、ありえないかとー」

「うん。私達は、ライハさんのことをあまり詳しくないけど……でも、レイン君のことを裏切るなんてことは絶対にしないよ」

「なんで断言できるんだよ?」

「ライハさんは、心の底までレイン君にテイムされちゃっているからね」

いや、待て。

その言い方だと語弊が……

「ま、それもそうか」

納得するのか……?

「そこ、ちゃんと戦って」

「まだ戦闘中ですよー」

ショコラが大盾で皆を守り、その隙にミルフィーユが反撃の魔法を放つ。

周囲の武装集団……

おそらくは邪教徒達を打つ。

ライハは目標から外してくれているみたいだ。

「ちっ……外に出られたが、完全に囲まれているな。どこから嗅ぎつけてきやがった?」

「原因を考えるのは後だよ。今は、ここを乗り切らないと」

「無理はしない方向でいこう。包囲網を崩して、脱出。それが一番だと思う」

「だな。ただ……」

「わかっている。ライハの相手は俺がするから、皆は、その間に他の連中を」

「大丈夫? 私も一緒に……」

「いや……ここは、俺に任せてほしい」

「……うん、了解。がんばってね、レイン君。絶対に負けないって、信じているから」

行動は迅速に。

俺達は散開して、それぞれの敵と対峙する。

いや。

俺の場合は敵じゃない。

頼もしい味方のはずなのだけど……

「ライハ!」

「……」

強い声で呼びかけるのだけど、返事はない。

代わりに雷撃が飛んできた。

横に跳んで回避。

第二撃も連続で放たれるのだけど、こちらは、千鳥で切り裂いた。

千鳥はとても頑丈な短剣だ。

その他に、カムイやクサナギのような特殊なギミックは搭載されていないのだけど……

ただ一点。

魔力が伝導しやすい、という特性を持つ。

なので、刃に魔力を流すことで、今のような芸当が可能になる。

「ライハ! どうしたんだ? 俺の声が聞こえているか!?」

「……」

やはり返事はない。

返ってくるのは雷撃だけ。

もしかして……

というか、もしかしなくても操られているのか?