軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1038話 第一号

「……ん……?」

朝。

カーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚めた。

あくびを一つ。

体を起こすと……

「すぅ……すぅ……すぅ……」

「ルリ?」

なぜか、隣にルリが。

穏やかな寝息を立てて寝ている。

「……あ、そうか」

人間と魔族のハーフの子……ルリを保護することにしたんだよな。

もちろん、彼女のための部屋はある。

ただ、急な話だったため家具が揃っていない。

勝手にみんなの部屋を使わせるのもまずいかな、と思い……

まだ小さいから、あまり目を離さない方がいいだろうと、一緒に寝ることにしたんだ。

「……くぅ……」

「よかった、ぐっすり眠れているみたいで」

この子の出自は謎。

ただ、保護した当時の状況を考える限り、酷い扱いを受けていたことは間違いない。

その影響で悪夢にうなされるのでは?

なんて不安を抱いたけど、そういうこともなさそうだ。

ルリの穏やかな寝顔を見ていると、こちらも穏やかな気持ちになる。

こういうのを庇護欲、っていうのだろうか?

「ルリ、そろそろ起きて……」

「おっはにゃーーーーーっ!!!」

勢いよく扉が開いて……

姿を見せたのは、笑顔のカナデだ。

ただし、その笑顔はすぐに消える。

「……」

俺を見て。

ルリを見て。

交互に見て、ピシリと固まる。

あー……うん。

なんてタイミングの悪い。

「ど、どどど……」

カナデは目をぐるぐるさせて、ふらついて、尻尾をピーンと立たせて……

「どういうことーーーーー!!!?!?!?!?」

そして、思い切り叫ぶのだった。

――――――――――

「……レインが小さな女の子に……私も小さくなりたい……」

カナデは膝を抱えて、虚ろな目でぶつぶつと呟いていた。

正直、怖い。

いや、まあ。

俺が悪いっていうことはわかっているんだけど……

今回は、不可抗力という気がしないでもない。

「ごめん、不安な気持ちにさせて。ただ、誓って言うけど、カナデが心配しているようなことはないから」

リビングに移動して、改めてルリについて説明をした。

当の本人はまだ眠いらしく、俺の部屋で寝ている。

ちょっとニーナを思い出した。

「……と、いうわけなんだ」

「……人間と魔族のハーフ……」

事情を説明すると、さすがにカナデは真面目な顔になった。

「あれから一年。色々と落ち着いてきてはいるものの、まだ、危ういところはある。事実、ルリは奴隷商人に捕まっていた」

「そういうことなら、放っておけないよね……」

「ああ」

やましいことを考えていたわけではない。

そう理解してくれたらしく、カナデはようやく落ち着いてくれた。

「うん、了解! そういうことなら、私も賛成だよ」

「ありがとう」

「ただ……」

カナデは、とても深刻そうな顔で言う。

「あらかじめみんなに伝えておかないと、私みたいに、けっこうな騒ぎになっちゃうと思うな」

「……手紙を出しておくよ」

間に合えばいいのだけど。

「そういえば、カナデはどうして?」

「お母さんのお手伝いも終わって、里でやれることもなくなってきたから、そろそろ帰ろうかな、って。連絡をしなかったのは、サプライズをしようかなー、なんて。えへへ」

「まあ、サプライズにはなったよ」

「どちらかというと、私の方がサプライズされた気分だけどね」

それについては、本当に申しわけない。

「まあ、色々なことは置いておいて……」

カナデは、にっこりと笑う。

「今日から、またよろしくね、レイン♪」