作品タイトル不明
1031話 いつものように
翌日。
俺は、いつものように冒険者ギルドへ向かう。
みんなから……
「私達だけじゃなくて、レインもしっかりと休んでね!」
と言われているのだけど、誰もいない家で一人過ごすのは、ちょっときつい。
のんびりしようとしても、逆に疲れてしまう。
なので、適度に依頼を請けていた。
「今日は、どんな依頼があるかな?」
こうして冒険者として活動する時は、わりと楽しい。
誰かの役に立っている。
それだけじゃなくて、色々な出会いがある。
「やっぱり、俺は冒険者に向いているのかもしれないな」
みんなに見られたら、休んでない! と怒られるかもしれないけど……
これはこれで楽しい。
それに、難しい依頼は請けていないから、ある意味、休んでいるといえるはずだ。
……だよな?
「ようこそ、冒険者ギルドへ」
ギルドを訪ねると、ナタリーの笑顔が迎えてくれた。
こちらに気づくと、その笑顔がさらに明るいものに変わる。
「あ、レインさん! 今日も?」
「ああ。なにか、いい依頼はないかな?」
「そうですねぇ……Aランクにカテゴリーされている、ギガントサイクロプスの討伐なんていかがでしょう?」
「いや……それは、簡単じゃないだろう?」
「そうですか? レインさんなら、わりと簡単だと思いますけど」
ちょっと否定できないんだよな。
みんなと契約して。
さらに、『魔王』の力も引き出せるようになった。
自分で言うのもなんだけど、Aランクの魔物なら一人でもなんとかなると思う。
というか、なにも問題はないはず。
「他に人がいない?」
「いえ、大丈夫ですよ。レインさんのおかげで、ホライズンも有名になりましたからね。絆の英雄がいる街として、各地から、実力のある冒険者がやってきているんですよ」
「はは……」
英雄と呼ばれることに関しては、もう笑うしかない。
「それで、どうしますか?」
「んー……」
少し場所が遠い。
依頼を請けるとなると、数日、家を空けることになる。
今は一人だけなので、数日だけでも家を空けるのは大変なんだよな。
広いからすぐに汚れてしまう。
他に討伐できるパーティーがいないのならともかく、たくさんの冒険者が集まっているみたいだから、緊急性も低いだろう。
それなら……
「す、すみません。依頼の発行をお願いしたいのですが……」
ふと、そんな声が聞こえてきた。
別のカウンターで、中年の男性が受付嬢とやりとりをしている。
「はい、依頼の発行ですね? こちらの書類に、依頼内容と報酬を記載ください。そちらを確認した後、当ギルドで扱うにふさわしいか判断した後、ランクを振り分けるなどをして、掲載したいと思います」
「よ、よろしくお願いします」
……ふむ?
「レインさん、どうかしたんですか?」
「俺、あの人の依頼を請けたいんだけど、大丈夫かな?」