軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1017話 その後……

世界の運命を決める戦いから、一週間が経った。

未だ戦後処理は続いている。

まず、ラストレムナントの処理。

オーバーテクノロジーの塊だ。

動力炉などを破壊したものの、それでも、利用価値はある。

研究をすれば、技術、文化が飛躍的に発展するだろう。

しかし、数々の最強種がそれを認めるわけがない。

また、アルガス王もそれを良しとしていない。

力だけ手に入れても仕方ない。

それに伴う心を作らなければいけない。

故に、ラストレムナントは封印されることになった。

最強種達による結界。

その上で、周囲の崖などを爆破することで、大量の土砂に埋もれさせてしまう。

完璧と呼べる封印ではないが……

しばらくは問題が起きることはないだろう。

その間に、新しい封印を施す予定らしい。

――――――――――

それから、人間と魔族の間で、正式に和平が結ばれることになった。

ジルオールをトップとする穏健派のおかげだろう。

それと、魔王であるエーデルワイスが、ある程度、人間に理解を示してくれたことが大きい。

全ての魔族が納得したわけではない。

それでも、どうにかこうにか和平に至ることができた。

あと、アルさん達の助力も大きい。

色々と根回しをしてくれて……

さらに、会談の立会人になってくれた。

精霊族達が認めているのなら……と、それで納得してくれた魔族も多いらしい。

とはいえ、簡単に解決する問題ではない。

和平は結んだものの、未だ恨みを持つ魔族は多いだろう。

どう向き合うか?

今後も、しっかりと考えていかないといけないだろう。

――――――――――

他、色々なことが起きた。

王は、一部ではあるものの、歴史の裏側を……負の側面を公表した。

王族の罪も告白した。

全てではない。

まだ一部だ。

いきなり全てを公表すれば、再び混乱を招いてしまうかもしれないから。

突然のことに人々は動揺して、怒りを見せる者もいた。

ただ、感情に流されるだけではなにも解決しないと言う人もいて……

今は、わりと落ち着いて話ができている状態だ。

アルさん達、最強種は、それぞれの場所に帰っていった。

いつもと変わらない様子で……

「またのう」

なんて言いながら帰るところは、らしい、と思った。

また会える。

というか、いつでも遊びに来い。

そんな風に思っているから、いつもと変わらない、適当な挨拶だったのだろう。

そして……

――――――――――

「うむ……よいぞ、我が主よ。そのまま、私を存分に甘やかすがよい」

ホライズンの我が家。

そのリビングにあるソファーで、俺は、エーデルワイスに膝枕をしていた。

求められるまま頭を撫でると、「あふぅ」なんて魔王に似つかわしくない声をこぼして、猫のように甘えてくる。

うーん……

以前、死闘を尽くした相手とはとても思えないな。

「ちょっと、エーデルワイス!」

「レインさまを独占するのは、いかがなものかと思いますが……?」

カナデ達が怒る。

わりと本気だ……

しかし、エーデルワイスは退かない。

「なにを言うか。私は、和平のために多大な労力を割いて、倒れてしまうかと思うほどの疲弊をしつつ、働いてきたのだぞ? なればこそ、主は私を労うべきだろう」

「それはそうかもしれませんが……」

「我らも、あの戦いでがんばったのだから褒められるべきなのだ!」

「せや、その通りやー!」

妙な争いが勃発してしまう。

人間と魔族は和平を結ぶことができたのだけど、我が家は、未だに争いが続いている……

「くい、っと」

「ぬっ!?」

ニーナが転移でエーデルワイスを別のところにやった。

「ほう……神族の小娘よ、私に逆らう気か?」

「えとえと、ニーナさんの今の行動は仕方ないというか、ワタシも……!」

「わふっ、レインに抱っこしてもらう!」

「自分は、やっぱりなでなでがいいっす!」

「わたくしは、主さまのために……」

「ふむ……ならば、決闘だ。まとめてかかってくるがいい!」

「望むところにゃ!」

大乱闘。

ああもう……

どうして、こうなってしまうのか?

でも、これはこれで、いつもの俺達の日常のような気がして……

ついつい笑ってしまうのだった。