軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1010話 辿り着いた場所・後編

「このっ……!!!」

「うぉおおおおお!!!」

交わすべき言葉は交わした。

後は、刃をぶつけるのみ。

俺は、『魔王』の力を使い。

ラインハルトは、『神』の力を使い。

それぞれ、全力で激突を繰り返していく。

どちらかが圧倒的に優れているということはない。

戦力差が大きく開いていることはない。

力は、ほぼほぼ互角。

ここまできたら、もう運だ。

運の良い方が勝つ。

そんなものに任せたくはないと思うものの……

それほどまでに現状は拮抗してて、突破口が見つからない状態だ。

「ファイアーボール・マルチショット!」

魔法を放つ。

ただの初級魔法だけど、魔王の力のおかげで、一発一発が超級魔法に匹敵する威力になっていた。

豪炎と衝撃が撒き散らされていく。

「光よ」

ラインハルトは、迎撃の攻撃を放つ。

光が収束されて、槍のように放たれてきた。

一つではなくて、数え切れないほど無数に。

避けられない。

感知することもできない。

ほぼほぼ勘のみで横に跳んで、後ろに跳んで、最後は宙をくるっと回転して避けた。

「……くっ」

このまま互いに攻撃を繰り返していけば、いつか決着がつく。

しかし、それは、さきほども思ったように運任せになってしまう。

負けるつもりはない。

負けたくない。

負けてはならない。

絶対に勝つ。

そのために、運に頼らない戦い方をしないといけない。

その方法は……

「……また、みんなに怒られるかもしれないな」

みんなのことを思い、苦笑した。

でも、他に確実に勝つ手段はない。

覚悟を決めて突撃する。

「うぉおおおおおっ!」

「くるかっ」

クサナギと一体化したカムイに、魔王の力を込めた。

刀身が赤く輝いて、納まりきらない魔力があふれ、炎のように揺らめく。

対するラインハルトも、両手に短剣を構えた。

「イグニションっ!」

「無式……エンドオブハート」

俺とラインハルトの全力の技が真正面から激突して……

キィンッ!

甲高い音が響いて、カムイが……折れた。

……ごめん。

「終わりだ……滅びよ」

「がっ!?」

ラインハルトの刃が俺の胸を貫いた。

同時に、破滅を招く呪を紡ぐ。

神と契約した力であろうと、一人の命を消すことは難しい。

でも、難しいだけで、不可能というわけじゃない。

こうして刃を通すことで、直接力を流し込めば……

「くっ……そ」

俺の体は塵となって消えた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

ラインハルトは肩で息をして、両手の短剣をゆっくりと下ろす。

「……うそ……」

シフォンとユウキは、絶望的な表情を浮かべて……

「……くく」

ただ、エーデルワイスは、誰にも見られない角度で小さく笑う。

その意味は、すぐにわかる。

「……これで、終わりだ。レインが消えた今、お前達も終わりだ。すぐに同じところへ……」

「悪いが」

「なっ……!?」

「終わりじゃない」

ラインハルトの後ろに再び『出現』した俺は、無防備な彼の背中に、ありったけの力を込めて拳を叩き込んだ。