軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

過去を変えたので今が変わった…

『王子の婚約者に近いのは……』

『今なら最優秀作品に選ばれたあの方が有力ではないかしら?』

最優秀作品に選ばれた令嬢が婚約者に一番近いと噂が広まっている。

王子との関係については分からないが周囲の評価はかなり高い。

伯爵令嬢と言うことで積極的に自身をアピールをしている様子はないが、皆それぞれ静かに頭角を現し始めていた。

それはきっと婚約者候補だけでなく、王子の側近を目指す者もなのだろう。

今回ローレルの罪を暴いた平民のルディルさんも、王宮での官僚試験資格の為に動いたに違いない。

「ルディル様……」

ローレルの犯行を目撃した彼とは過去に一度だけ最終学年の時に同じクラスだった。

当時の私達に会話はなかったが、彼は最終学年になる頃には試験で上位を争うような優秀な人だったのは記憶にある。

成績によるクラス編成が撤廃された今回、三年生ではなく二年生で彼と同じクラスになった。

「そっか……クラス編成が変わった事で皆の行動が少しずつ変わり、ローレルの事件の目撃者になったのね。クラス編成が変わらなければ私は、また犯人にされていたのかもしれない……ルディル様に感謝しないと」

彼だけでなく私はほとんどの人と会話なんてしたことがないし、私から声をかけたことは一度もないと断言できてしまう。

ローレルの件を謝罪するべきなんだろうが……

初対面の人になんて声をかければ良いのか私には分からず、同じクラスの彼を目で追うしか出来ないでいる。

「ルディル……様……」

私達婚約者候補もだが、側近候補者達も自身を王子に認めてもらうよう優秀さをアピールしている。

試験の結果は勿論だが、それだけでは側近には選ばれない。

皆があの手この手で王子へのアピールを試みているので、私が目にする王子は常に人に囲まれ数名の生徒と共に行動していた。

彼は平民だが、優秀なため側近になりうる。

そんな未来ある彼に私が近付けば、良からぬ噂で彼に迷惑を掛けてしまう恐れがある。

私の身勝手な行動で他人の将来を潰したくはない。

「ルディル様も側近や王宮官僚を目指しているのよね?」

平民だったとしても優秀であれば問題ないし、貴族の養子になるという解決策もある。

彼は優秀なので、王子が側近にと認めれば養子縁組も直ぐに決まるだろう。

確か、過去の王子の側近はベネディクトと侯爵令息と伯爵令息だった気がする。

ベネディクトは婚約者のローレルの兄という事で採用されたように見えた。

なので、もしかしたらルディル様にもチャンスはあったりするのかもしれない。

そんな人に声を掛けるわけにはいかない。

あんな王子の側近なんて~と私は思うが、彼は目指しているかもしれない。

本来、王宮勤めは名誉なこと。

私が言う事ではない。

彼の事は陰ながら応援しよう。

「うん、陰ながら……」