軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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◆九白真緒

受験から数日後。

今日は合格発表の日だ。

私とレイちゃんは、合否の確認のため学校へ向かった。

校門へ着くと、何やら揉め事を起こしている大人たちが見えた。

複数の男性が揉みあいになっている。何の騒ぎだろう?

「俺は、この学校のことを思ってやったんだ! それなのにクビってどういうことだ!」

「それ以上大声で騒がないでくれ。人が見ているじゃないか」

「だってそうだろう!? 俺は正しいことをしたんだ!」

「いいから帰ってくれ! これ以上は警察を呼びますよ」

よくよく見ると、全員に見覚えがある。

暴れている人は、受験の時に実技試験で試験官をしていた人だ。

それを押さえ込んでいるのは校長と教頭だ。入学説明会の時に見たので覚えている。

立ち聞きした内容から推察すると、試験官の人が解雇になったみたいだ。

試験官の人は、そのことに納得がいっていないため、校長と教頭に食って掛かっている。

校長と教頭は何か言い返したい風だが、周りの人が見ているので言葉を選んでいる感じがする。

だけど試験官の人はクビになったから、なりふり構っていない。

結果、校門をセンターにして相撲を取っているような状態になっていた。

実力が拮抗し、白熱した試合展開となっている。

「マオちゃん、行きますわよ?」

と、レイちゃんに呼ばれて、我に返る。

いきなりの光景にびっくりしちゃったけど、今はそれどころじゃない。

合格発表を見に来ているんだったよ。

私たちは、言い争う校長たちの横を通り抜け、合格発表の場へ向かった。

到着すると、合格番号が張られた掲示板の周りには、大きな人だかりができていた。

私とレイちゃんは受験票を片手に、人だかりの隙間から番号の確認を行った。

「え~っと、946番はっと……」

ドキドキしながら、自分の番号を探す。

「お、あったあった」

しばらく視線をさまよわせ、番号を発見。

無事合格したようだ。レイちゃんの様子を伺えば、掲示板を見つめて喜色満面。

どうやら、こちらも無事合格の様子。

「おめでとう!」

「マオちゃんも合格したのですよね?」

「うん」

「やりましたわね!」

二人で手を取り合い、合格を喜ぶ。

だが、これは初めの一歩に過ぎない。

次はフォーゲートの大会で、優勝を目指さなくてはいけない。

合格して嬉しいけど、ここは気を引き締めなおさないとね。

という旨を伝えると、レイちゃんも「そうですわね」と、キリリとした表情に切り替わる。

ここからは、フォーゲートの特訓を頑張っていかねば。

などと新たな決意を胸に秘めていると、背後から「お、受かってる」という控えめな声が聞こえた。

どうやら、私たちの後ろでも番号のチェックを行っていた人がいたようだ。

ここでずっと立っていると邪魔になるし、下がった方がいいよね。

そう思って、その場から離れようと振り返った瞬間、後ろで合格を確認していた女の子と目が合った。

…………あれ? この子、どこかで見た気がする。

と、すれ違う数秒の間に頭がフル回転する。

一体どこで会ったんだ。

レイちゃんに連れられて行ったパーティー?

違う。それなら、レイちゃんも気づくはず。

ということは会ったのは私だけ。

家の仕事がらみ?

違う。同年代の子なら、仕事の内容に紐づいて強烈に印象に残っているはず。

覚えている感覚はあるのに、全く引っ掛かりを感じない。

それがどうにももどかしく、のどの奥に魚の小骨がつっかえたかのような不快感を覚える。

むぅ、小骨を取ってスッキリしたいぞ。

私は、どうにかして思い出そうと、女の子の顔を凝視した。

ふんわりとした桃色の髪は短く切りそろえられ、スポーティーな印象。

顔立ちは、柔らかい印象が素地としてあるが、表情としてはキリリとして爽やかな雰囲気。

じっくりと見て、自分の記憶にある印象と、実際の印象に随分と差があることに気づく。

記憶の中では、かわい格好良い感じなのだが、眼前の雰囲気は体育会系マシマシな感じ。

その誤差がうまく混ざり合わず、思い出すことの障害となっている。

一体どこで会ったのだろうか? ……いや、本当に会ったことがあるのかな?

もしかしたら、写真で見たのかもしれない。

それとも、何かの雑誌だろうか……。

……ん、……雑誌?

「ああっ! ああああああっ!!!」

思い……出した……っ!

この子、きら☆スタの主人公、因幡七海だ!