軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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というわけで、手続きを済ませ、グラウンドへ。

――ここでフォーゲートのルールを軽く思い出す。

フォーゲートは霊力でするゴルフのようなものだ。

クラブ代わりに霊装で霊気を放出して、バレーボールほどの球を飛ばしてゲームを進めていく。

フィールド上には四つのゲートが設けられている。

第一ゲートから第三ゲート、それとゴールゲートだ。

第一から第三ゲートは、細い鳥居のような形でコース上に点在。

ゴールゲートはコースの最奥に存在する。

ゴールゲートはサークル状の的の形をしており、一番小さい真ん中に命中すると−1打。

次が+0打。一番外が+1打となっている。

プレイヤーは第一ゲートから順番に球をくぐらせてゆき、最終的にゴールゲートに命中させれば終了。終了時の打数が少ない方が、成績優秀というルールである。

ゲートをくぐらせるという要素が存在する為、コースによっては飛距離を出せばいいというものではないという競技となっている。

私は移動しながら、お披露目会が行われているグラウンドに視線を向ける。

今回はお披露目会かつ、キッズ向けということで、第一から第三ゲートがティーグラウンドの側に密集していた。しかも、コースが少し小さい。

つまり、ゲートは気にせず、存分に飛距離を飛ばしなさい、という仕様のようだ。

手続きを終えると、係の人に案内され、参加者の列に並ぶ。

といっても大半の参加者がプレイを終了していた。

参加者人数が少ないのと、コースが簡単なせいだろう。

今打っている子が終われば、二人組の番だ。

そして現在のプレイヤーは、レイちゃんの義理の弟君、貴矢だ。

つまりは遅れてやって来たクレーマー集団だ。

ということは、この二人組もそのメンバーなのかも?

貴矢は無難にプレイし、的はセンターに命中。

「いやあ、あの年齢で、あの霊気。これは将来が期待できますな」

「なんでも三属性だそうだ。これは霊核も大きくなりそうだ」

などというギャラリーの感想が洩れ聞こえる。

確かに貴矢は参加者の平均年齢より少し若い。

それだけ将来有望と期待されているのかも。

全てを終え、こちらに戻ってくる貴矢と私の目が合った。

その視線が隣のレイちゃんの方へスライドする。途端、チッと盛大な舌打ちをかましてきた。

「あんな小さい子供のやる事なんて気にする事ないよ」

私はレイちゃんの手を握って笑顔で励ます。

あんなのは無視だ、無視。気にしてもしょうがない。

「さすが紫前君だな。さて、俺たちも行くか」

「ああ。じゃあ、お前は最後だからな。俺たちが戻って来るまで打つなよ!」

そう言って二人組がティーグラウンドへ向かった。

三人同時にコースを回っても良さそうなのに、私だけ放置。

一人だけ残して、悪目立ちさせたいということなのかな。

二人は順番にショットを打ち、ゴールゲートへ命中。

ショットの飛距離、打数、ゴールへの命中。どれをとっても平凡な結果だった。

近くにある掲示板には参加者のスコアが表示されているが、平均は3打。

だいたい2ショットでコースの四分の三くらいに到達し、そこからゴールへアプローチしている感じだ。

二人組がまさしくそんな感じだった。

ゴールへのアプローチに失敗して、打数を増やしてたけど……。

「ヘヘ、終わったぜ。どうだ、中々のスコアだろ? 一属性にはちょっと難しいかもな」

「早く打ってこいよ。ここで見ててやるからよ」

と、戻ってきた二人組が挑発してくる。

「待てと言ったのはそっちじゃない……。まあ、打ってくるけど」

わざわざ待っていたら、今度は行ってこい。

なんとも理不尽な話だ。さっさと終わらせて帰ろう。

私は二人組に一瞥くれると、ティーグラウンドへ向かった。

「最後の参加者はどこですか?」

「あ、はい。私です」

進行役の人に問われ、挙手して小走りで向かう。

「君、競技服はどうした?」

「え、競技服?」

そこで初めて気付く。

参加者全員、乗馬服みたいなものを着用している。

格好良いなあ、などと呑気に思っていたが、あれを着る必要があったのか。

「すみません。そういったものがあるとは聞いていなかったので、今回はこのままで打ちます」

「まあ……仕方ないか。順番がもう少し前なら、レンタルウェアに着替えてもらったんだが、君のために皆が待つことになってしまうからな」

なるほど、レンタルもできたのか。

などと思っていたら、後ろから笑い声が聞こえてくる。

声の方に視線をやれば、二人組が口もとを押さえて笑っていた。

あいつら……、知っていて教えなかったな。

「それじゃあ、紹介するよ。えーっと、こちらは九白真緒さん、小学五年生。属性数は……。え、君、これで合ってるのかい?」

進行役の人がギャラリーに向けて、プレイヤーのプロフィールを読み上げる。

が、途中で私に確認をとってきた。

「はい、問題ありません。先をどうぞ」

「属性数は一。流派なし、だそうです。それでは打っていただきましょう」

という、説明を聞いたギャラリーが、ざわつき始めた。

「おいおい、一体どういうことだ?」

「属性数が一ということは、霊薬か。なら、流派がないことも頷ける……か。だが、あの不味くて有名な霊薬を飲みきったというのか?」

「いやいや、それより属性数が一って、どうするんだよ。一体何打打たせる気なんだ? いつゴールできるか分からんぞ」

「全くだ。それまで、ずっと待つのか? たまったもんじゃない」

「そもそも、一属性の霊力で霊装を作り出せるのか?」

「一属性で、あの年齢では無理なんじゃないか? そんなことも知らずに可哀想に」

「あそこまで張り切っていると、止め辛いな。見届けるしかないか……」

おいおい。全部聞こえてるよ?

中には同情的な声も聞こえるけど、もう少しボリュームを落とせないものかね。

これじゃあ、プレイに集中できないよ。

ゴルフならショット時は喋らない、騒がないのがマナーなのにね。