軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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…………

ここ最近、監視を続ける中で、非常に助かる出来事があった。

私には、どうしても対応できない部分が解消されたのだ。

それは、小イベントについてだ。

私はマンガの大まかな流れと、発生するイベントを把握している。

が、詳細な日時が分からない。

なぜなら、そんな描写は存在しないからだ。

マンガの中で日時が語られることはない。

おおよその予測が立つのは、行事が絡む大きなイベント時のみ。

マンガ内で発生していた小さな揉め事などは、事前予測が不可能なのだ。

正直、そのレベルのイベントであれば、あってもなくてもいい。

日高さんにストレスが掛かるのであれば、無くしてしまいたいくらいだ。

しかし、予測できない上にクラスも違うので、うまくいかない。

と思っていたら、ここで救世主たちが現れたのだ。

それは、日高さんのクラスにいる雲上院派の子たちだ。

彼女たちが、日高さんの状態を気にかけ、瀬荷城宝子たちを注意してくれたのである。

なんというファインプレー。私は、彼女たちに感謝の祈りを捧げた。

そして、そこから彼女たちは日高さんと軽めの友人関係というか、グループになったようだ。

ただ、日高さんの方が遠慮から敬遠しているせいで、浅い付き合いに留まっているきらいがある。

雲上院派の子たちからすれば、瀬荷城宝子の振る舞いは淑女として好ましくないと判断したようだ。

それに加え、孤立する日高さんに対して自分たちが見て見ぬふりをするということも、淑女として好ましくない態度であると、自戒したのである。

その行動の数々は、良い意味でクラス内に伝播した。

結果、瀬荷城宝子たち以外の生徒が日高さんのいじめに加担することはなかった。

クラスで浮いた存在となったのは、瀬荷城宝子たちの方だった。

ただ、瀬荷城宝子の家が絶妙に大きいので、雲上院派の子たち以外は、表立って反発する子はいなかった。

また、綾小路君に関わると、瀬荷城宝子に目を付けられると判断し、皆近づかない。

綾小路君自体は、好印象を持たれているようだが、大半のクラスメイトから距離を置かれていた。

という環境が日高さんと綾小路君を接近させることとなる。

お互い、気兼ねなく話せる相手が限られるせいか、接触機会が増えるという展開へ繋がったのだ。

そういった様々なことが絡み合い、好循環が形成されつつある

といった感じで監視を続けていく中で、瀬荷城宝子のクラス内での扱いを把握し、理解が深まった。

瀬荷城宝子。彼女の性格については大分把握できた。

要約すると、テンプレ我が儘お嬢様だ。

レイちゃんの様に、何かしらの圧力が加わって性格に影響が出たのであれば同情したかもしれない。

だけど、そんな気配はない。

今まで自分の思い通りにいかなかったことがないのか、こらえ性がないだけに見える。

そのため、彼女に対して可哀そうとか、力になりたいという感情は芽生えなかった。

純粋に、我がままで意地が悪いのだ。

そのせいで、マンガの雲上院礼香と行動パターンが似ていて、思考が予測しやすい。

悪役令嬢ポジションのピンチヒッターとして湧いて出て来たと言うに相応しい存在だった。

ただ、どこから湧いて出て来たかが疑問ではある。

マンガで分からなかったのは、クラスが違ったから作品内で描写されなかったということで、ある程度の説明はつく。

だけど、現実はどうだろう。

私は彼女の事を一切知らない。

なぜ彼女の存在に今まで気づかなかったのだろう……。

また、瀬荷城宝子の取り巻きについても、ある程度の人となりを掴むことが出来た。

取り巻きというのはもちろん、四谷真理と、マンガの九白真緒と外見がそっくりな女の子のことである。

彼女たちは、マンガでは雲上院礼香に付いていた。

が、実際にはクラスが変わり、瀬荷城宝子の取り巻きとなっている。

四谷真理は、小学校で同級生だった。

しかし、当時は悪役令嬢の取り巻きに巻き込まないため、あえて距離を取っていた。

そのため、接点がなかったのだ。

というわけで、彼女が一人の時に思い切って話しかけてみた。

結果、どうにもならない性格だということが分かった。

彼女は瀬荷城宝子に取り入って、引き立ててもらおうという目的で動いていた。

そこに友情は一切なく、打算のみ。

瀬荷城宝子に近づいたのも、取り入りやすいと判断したため。

私がその辺りについて尋ねると、自分の立場が脅かされると勘違いして怒り出す始末。

小学校でレイちゃんと一緒にならなかったのに、なぜこんな性格になってしまったのか……。

――いや、元々そういう性格だっただけなのかもしれない。

そして、もう一人の取り巻きである、マンガの九白真緒と顔がそっくりの子。

名前は、因幡エリカ。

彼女は、私にとっては不思議な存在だ。

名前には何一つ痕跡が残っていないが、見た目は漫画の九白真緒そのもの。

気になったので、身元を洗ってみた。

すると、因幡エリカは孤児だった。

しかも〇歳の段階で養護施設にいた。

ただし、ナナちゃんとは違う養護施設の出身だ。

そして、幼い頃に老夫婦に引き取られ、因幡姓となる。

どうやら、その老夫婦というのが、マンガでヒロインの養親となった人たちと同一人物のようだ。

マンガと外見が同じで、因幡姓なので間違っていないと思う。

つまり、因幡エリカは九白家と何の接点もなかった。

母か父の隠し子、というゼロに近い可能性も考え、密かに全員の毛髪を入手しDNA鑑定を行ってみたが空振り。

やる前から、ありえないだろうとは思っていたが、その通りの結果となった。

そもそも因幡エリカは、両親のどちらとも似ていない。

どう調べても、我が家とは無関係だ。

ここまでの調査結果から、マンガの九白真緒と顔がそっくりな無関係な人という結論に至る。

多分、瀬荷城宝子が新しい悪役令嬢として抜擢されたのと同じ理由で、新しい取り巻きとして選出されただけなのだろう。

それにしては、なぜ自分がマンガの顔と違って、因幡エリカの方が、マンガとそっくりの顔なのかは気になるところだけど……。

行動原理は四谷真理と同じで、瀬荷城宝子に取り入り、自分の地位向上を画策しているようだ。

つまりは、二人揃ってどうしようもない性格ということが分かった。

それならそれで気を使う必要が無くて助かる。

そんなわけで、取り巻きの二人も瀬荷城宝子と同じ扱いで構わないという結論に至った。