軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

コロコロと

大地を埋め尽くす黒き波の上に、覆い被さるように天を占めるニミクロ達。

ワケミタマドローンを元に受肉しているためか、その動きは軽やかで、みな遊び回るように宙を舞っている。

その時だった。

クロが、手にした大鎌の石突きを、足元の自らが立つワケミタマドローンへと打ち付ける。

かーん、という甲高い音が響く。

その瞬間だった。

あれほど楽しげに遊び回っていたミニクロ達が、整然と並んでいく。

それを穏やかな慈母の笑みを浮かべ、眺めるクロ。

その笑みを湛えたまま、クロは次に大鎌を一振りする。

その大鎌の刃の軌跡から、真っ黒な風が生まれる。

マーブルエフェクトに比べれば穏やかで、優しい色合いの黒き風が、ミニクロ達を縫うようにして全天を吹き抜けていく。

その黒き風に手を浸し、風の感触を楽しむようにミニクロたちは、コロコロと笑い転げていく。クロを中心に、同心円状にミニクロ達の笑い声が広がっていく。

そうやって風が通りすぎると、ミニクロ達の手には、いつの間にか真っ黒な小さな小さな鎌が握られていた。

小さな小さな黒い鎌。しかしその切っ先は鋭く堅く強靭で。この世の物であれば、あまねく貫き通せそうな、鎌だった。

それは、母から娘への愛。

父たる偉大なる存在の残滓の、そのまた欠片。

まるで初めて両親からおもちゃをプレゼントされた子供のように、大地を埋め尽くす混沌の上空で、ミニクロ達が笑いあい、はしゃいでいる。

楽しそうに。姦しく。そして、底抜けに明るく。

そこへ、クロが優しく、しかし厳しく、声をかける。

「娘たちよ。 征(ゆ) きなさい」

それを聞いたミニクロたちは口々に喜びの声をあげ、手にした黒き小さき鎌を振り上げる。

コロコロ、コロコロとした笑い声が空を覆い尽くすと、やがてそれは天から地上へと落下を始める。

鎌を手にしたミニマムサイズのクロの姿を模した娘たち。

天を覆う程の数の彼女達が、大地にへばりつく混沌へと降り注ぎ始めるのだった。