軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side オボロ 3

「イブの死に、あれほど悲しまれた主殿だ。例え一兵とはいえ、我々の手によっては、混沌たちは死なせんようにせねばな」

天躯で、虹の地平を駆け抜けたオボロは、一人、迫りくる混沌と対峙していた。

それは、大地を埋め尽くさんばかりの黒い津波のようにみえる。

このまま、黒き混沌の波が海を渡り、本土へと至れば、人類はなすすべもなく死に絶えるのは必定だった。

オボロは肩に担いだ刀でとんとんと肩を叩く。

ダンジョン産の宝物であり、ダンジョン公社から借り受けている、その刀とオボロの付き合いもだいぶ長かった。

この刀を担いでマドカとともにいくつもの戦いに赴いた、思い出の品でもある。

「お前は、持つかね」

刀に、ニヒルな笑みを向けると、オボロは迫り来る混沌の波に向かって悠然と歩きだす。

「死なせはせん。だがな、主命に盲目的に従うだけで、その意を履き違える愚かな弟分ども。そのお痛は過ぎるのだよ」

ぶんと、刀をその場で振るうオボロ。

本気の一振りは暴風となって、迫り来る混沌へと到達する。

吹き荒れる暴風は、先頭のダークコボルド達を次々に薙ぎ倒していく。

しかし、それは黒き混沌の大波、全体からすればほんの一雫に過ぎなかった。

オボロはその手応えと、倒れて動きを止めたダークコボルドを見て呟く。

「主殿の声に付与されたスキルによる、極度の興奮状態で固定される状態異常か。一定以上のダメージで解除され、実力以上の力を出していた反動で動けなくタイプだな」

オボロによる、混沌たちへの診断。それをもとに自身の行動の指針を固めていく。

「しかし主殿も、ああもポンポンと新しいスキルを獲得されるとは。流石、主殿ではあるがの。配下の苦労も少しは考えて欲しいものよ」

そう愚痴を口にすると、走り出すオボロ。

そして、黒き混沌の大波と、オボロがついに刃を交える。