軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

クロ3

「はぁ……直にユウト様とたくさんお話しをしてしまいました」

ユウトが去った庭で悩ましげな、そして熱いため息をつくクロ。

「ふぅ。喜びに、呆けている場合ではありませんでしたね」

クロは呟くとスッと片手をあげる。

その手の動きに合わせて、ワケミタマドローン群がクロの元へと向かってくる。

幾体ものワケミタマドローンは、その機体の上に、とあるものを載せていた。

草刈り用の鎌。

そしてユウトの新聞紙ソード。

運ぼうと思えばドローンの機体下部のアームで掴んでも運べたであろうそれら。

しかしワケミタマドローンたちは当然、そんな不敬な扱いをすることはなかった。

神輿を担ぐかのように、大小にサイズが別れたワケミタマドローンがびっしりと並び、鎌も新聞紙ソードも、そのワケミタマドローン群の上に載せられているのだ。

しずしずと厳かに進んでくるワケミタマドローン群。

それだけで、庭に沸いた無数のレアモンスターたちは、恐れおののき、恐怖にすくんだかのように身を震わせる。

そうして、ついにクロの元へと鎌と新聞紙ソードが到着する。

そのユウトの持ち物に敬意を払うように、その場で両ひざをつき、両手を伸ばすクロ。

ワケミタマドローン群がまずそのクロの手に差し出したのは草刈り用の鎌だった。

おしいだくように、受け取った鎌に額を寄せると、クロは立ち上がり声、高らからに宣言する。

「我は最も黒き黒の影なり。その身を我が主へと請い、許諾されしものなり。黒き黒の影として我が名の元に命ずる。そは、真なる姿を解放せよ」

草刈り用の鎌がクロの持った手の部分から急速に黒ずんでいく。

全体が、漆黒に染まる鎌。

次の瞬間、その鎌の柄が伸び始める。それだけではなかった。鎌の刃も、巨大化し、まるで牙が成長するかのように伸びていく。

まるでその身に押し込められていた膨大な何かが、溢れだし、急激に成長してあるべき姿へと至るかのように。

クロの身長とちょうど同じくらいまで漆黒の刃と柄が伸びたところで、その成長が終息する。

その大鎌へと至った姿は、ダンジョン&キングダムでユウトが祝福を授けた七武器を容易に下す、偉容を放っていた。

長年ユウトの手にあり、無数のレアモンスターたちの血肉を吸った鎌の、真なる力と比べれば、七武器程度は玩具に等しく見えてしまうのも、仕方のないことだろう。

掲げた大鎌の柄の、中央より刃に近い部分を持って、くるくると回しながらその感触を確かめるクロ。

鎌の柄が巻き起こす風は死臭にまみれ、その刃に切り裂かれた空気は腐りはて、命を蝕む何かへと変質していく。

ひとしきり死を運ぶ大鎌の振り心地を試すと、クロが大鎌を持っていない方の腕をあげる。

次の瞬間、ワケミタマドローンがクロの全身をおおう。と、その身にまとうものがいつものクロの服装へと戻っていた。

それは、クロにとっての正装とも言うべき格好。そうして、クロは再び両ひざを大地へとつく。

大鎌を恭しく横たえると、再び両手を伸ばす。敬虔なる信徒として、あらん限りの敬意をその身を持って示すクロ。

そうして、ついにその手に、新聞紙ソードが握られた。