軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

番外編6 北方よりお祝いを

招待状が届いたのは、秋の終わりだった。

見黒様と陛下の婚約を祝う宴に、ヴァルター様とともに招かれた。

わたしは手紙を三回読み直して、人生で一番叫んだ。

「ヴァルター様!」

鍛冶場の視察から戻ってきたヴァルター様に、手紙を突きつけた。

「見黒様が!陛下と!ご婚約ですって!!」

ヴァルター様が手紙を受け取った。目を通した。表情が動かなかった。

「……そうか」

「そうか、ではないでしょう! ああ、なんて素敵なことかしら!」

ヴァルター様がもう一度手紙を見た。

「ああ。……めでたいことだ」

わたしは腰に手を当てた。

「それだけですか」

「……いや、他に何と言えばいい」

(この人は。この人は、本当に……)

「お祝いに行きますよ。宴に招かれたのですから。衣装を整えてください。髭も剃ってください」

ヴァルター様がぽりぽりと顎を掻いた。

「……衣装か。あるかな」

「なければ仕立てます。十日くださいませ」

一日で採寸とデザイン選びをして、すぐに仕立てた。

ヴァルター様の体格に合う礼服は、既製品では存在しない。北方の仕立て屋に頼んで、急ぎで作ってもらった。濃い紺の上着に、銀の留め具。シンプルだが、品がある。

わたしの衣装も仕立てた。淡い青の長衣に、白い帯。北方の花を模した刺繍を裾に入れた。

衣装が仕上がったので、袖を通す。

「ヴァルター様。着替えてください」

ヴァルター様が礼服を持ち上げた。渋い顔をした。

「……窮屈だ」

「似合っていますよ」

素直な気持ちだった。ヴァルター様は礼服を着ると、普段の無骨さが落ち着いて、陛下の従兄弟としての品が出る。背が高く、肩幅が広く、顎の線がしっかりしている。

「髭を」

ヴァルター様が顎に手をやった。

「剃ったんだが」

わたしはじっと見た。

「剃り残しがあります。こちらを向いてください」

ヴァルター様が大人しくこちらを向いた。わたしが顎に手を添えて、剃り残しを整えた。

ヴァルター様が、わたしの手をじっと見ていた。

「……何ですか」

ヴァルター様の目が、わたしの顔を見ていた。手ではなく、顔を。

「いや。……綺麗だと思って」

(……え)

「……髭の話をしています?」

「お前のことだ」

手が止まった。

(……朝から何を言うんですか、この人は)

「今日の衣装。その色が、アデルに似合っている」

二人きりの時にだけ呼ぶ愛称で、あまりに柔らかい表情をするものだから。照れてしまって真っ直ぐにヴァルター様を見られなくなる。

(……この人、自分の礼服には文句を言うくせに、わたしの衣装はちゃんと見ている)

「……ありがとうございます。さ、支度を済ませましょう」

出発当日。

馬車に乗った。北方から城下までは丸一日かかる。

出発してすぐ、ヴァルター様が毛布を出した。

「冷える。これを」

「もう太陽が上ってきてます。そんなに寒くないです」

そう言っても、ヴァルター様は聞いていなかった。毛布はもうわたしの膝の上にあった。

「山を降りるまでは」

毛布をかけられた。断る間もなかった。

しばらく走ると、ヴァルター様が荷物の中から包みを出した。

「干し肉と、パンと、果物。途中で腹が減るだろう」

「用意してくださったんですか」

ヴァルター様が窓の外を見た。

「昨夜のうちに」

(昨夜。わたしが寝てから準備したのだ。この人は、自分の礼服の準備は適当にするのに、わたしの道中の食事は前日の夜に用意してくれるのね)

果物を一つ食べた。甘かった。

「おいしいです」

ヴァルター様が少しだけ笑った。笑うと、鋭い目が和らぐ。この笑顔を知っているのは、たぶんわたしだけだ。

途中、道が揺れた。馬車が跳ねた。わたしが少し傾いて、ヴァルター様の肩にぶつかった。

「すみません」

「……いい」

離れようとしたら、ヴァルター様の手がわたしの肩を支えていた。

「道が悪い。しばらくそのままでいろ」

(……道が悪いのは本当だけど。支える必要はないと思うけど。でも、……言わない)

そのまま、しばらく肩に寄りかかっていた。ヴァルター様の体温は高かった。毛布より温かかった。

うとうとしかけたとき、ヴァルター様が小さく言った。

「アデル。着いたら起こす。寝ていていい」

(アデル。この人がわたしをそう呼ぶのは、二人きりのときだけ。北方の砦で、暖炉の前で、二人でお茶を飲んでいるとき。……低くて、心地よい声)

返事をしなかった。寝たふりをした。

心臓がうるさかった。

城に着いた。

おじ上が門の前で待っていてくれた。

「アーデルハイト!元気そうだな」

「おかげさまで」

おじ上がヴァルター様を見た。目を瞬いた。

「ヴァルター殿。……礼服をお召しとは珍しい。よくお似合いだ」

「妻が仕立ててくれた」

おじ上がわたしを見た。にやりとした。やめてほしい。

宴の広間に入った。

花が至るところに飾られ、楽師が演奏し、料理が並んでいた。クラリッサ殿の手腕だろう。噂に聞いていた以上だった。

広間の奥に、見黒様と陛下がおられた。

見黒様は白い衣をお召しだった。黒い髪が白い衣の上に流れていた。陛下が見黒様の隣に立っておられた。

二人の間には、大げさな距離もなく、わざとらしい近さもなかった。ただ、そこにいた。隣に立っていた。それだけなのに、何かが——空気が、澄んでいた。

(……この二人は、こういう距離なのだ。ベタベタしない。くっつかない。でも、離れない。お茶を飲む距離。隣にいる距離。それだけで、あの二人には十分なのだ)

見黒様にご挨拶に伺った。

「見黒様。このたびは、おめでとうございます」

見黒様がわたしを見られた。初めて顔を合わせた。

「あなたが、アーデルハイト?」

胸の奥がきゅっと締まった。

この方が、わたしの人生を変えてくれたお方。

「はい」

見黒様がにこりとされた。

「お手紙、嬉しかったわ。お茶の話が出ていたから、うまくいったのだと思ったの」

(お茶の話。あの手紙に「お茶を淹れるのが下手ですが、毎日淹れてくれます」と書いたんだった。そのことだわ)

「はい。毎日の日課です」

見黒様が穏やかに微笑まれた。

「それは、とても大事なことよ」

わたしは、持ってきた包みを差し出した。

「見黒様。お祝いの品をお持ちしました」

見黒様が包みを受け取られた。布を開くと、中から一冊の手綴じの本が出てきた。

「見黒様はお話を特にお好みになると聞きましたので。……ヴァルター様が北方の国境をお守りになった十年間のことを、伝記として書きました。わたしの稚拙な文章ではございますが、どうぞ」

見黒様の目が、ぱっと光った。

「まあ!」

見黒様が本を手に取られた。表紙を撫でて、最初の頁を開かれた。

「どこを探しても無い、素敵な贈り物だわ! 辺境伯の伝記。しかも、奥方が書かれたもの。……これは宝物よ。ありがとう」

見黒様が本当に嬉しそうだった。子供のように。陛下に「見て見て」と本を見せておられた。

(……よかった。何を贈ればいいかずっと悩んでいた。宝石も衣装も、見黒様にはきっと届かない。でも物語なら届く。見黒様が一番好きなものは、お話だから)

書くのには時間がかかった。ヴァルター様にお話を聞いて、従者たちにも聞いて、一つ一つ書き留めた。ヴァルター様は「そんなものを書いてどうする」と言ったけれど、わたしが書いているのを見て、黙って隣に座っていてくれた。時々、「その日は……もう少し寒かった」と訂正してくれた。

隣のヴァルター様が一歩前に出た。

「陛下。この度はおめでとう御座います」

「ああ、ヴァルターも。改めておめでとう」

二人の間に、穏やかな空気が流れる。ヴァルター様は見黒様へと視線を向けて、真剣な表情で姿勢を正した。

「見黒様。従兄弟として——陛下のことを、よろしくお願いいたします」

ヴァルター様の声が少しだけ固かった。ヴァルター様は、陛下とは幼い頃からの縁だと聞いている。大切な人を送り出す兄のような気持ちだったのかもしれない。

見黒様が、少しだけ表情を変えられた。飄々とした笑みではなかった。静かで、温かい目だった。

「ええ。もちろん」

短かった。でも、あの見黒様が即答でそう仰ったのだ。わたしは胸が詰まった。

ヴァルター様が、ほんの少し笑った。安心したような、送り出すような笑みだった。この人が宮廷で笑うのは、珍しいことだ。

見黒様がわたしたちを交互に見られた。

「あなたたち、とても良くお似合いね。頼りになる夫と、気の利く妻。大と小とで支え合っているのね」

(大と小。確かに、ヴァルター様の隣に立つと、わたしはとても小さく見えるだろう)

ヴァルター様が何も言わずにわたしの背中に手を添えた。さりげなく。でも、しっかりと。

見黒様のお顔が、ふわっと柔らかくなった。

宴が進んだ。

わたしはヴァルター様の隣にいた。ヴァルター様は宴が苦手だ。人が多い場所、音楽が鳴る場所、笑い声が飛び交う場所。北方の砦では絶対に起きないことが、全部起きている。

しかし——今日のヴァルター様は、いつもの宴とは少し違った。

料理が運ばれてきた。ヴァルター様がわたしの分を先に取った。

「これは辛い。こっちの方がいい」

わたしの皿に、別の料理を取り分けた。

「大丈夫です。自分で取れますよ」

「いい。俺が取る」

(いつからこんなことするようになったんだろう。最初の頃は自分のお茶すらまともに淹れられなかったのに。今はわたしの分の料理を選んでいる。しかも辛さまで把握している)

しばらくして、広間に風が通った。秋の夜の風だった。

ヴァルター様が自分の上着を脱いだ。

「これを」

「大丈夫です——」

肩に上着がかかった。大きくて、温かくて、ヴァルター様の匂いがした。

「ヴァルター様。ご自身が冷えます」

「俺は平気だ。北方に比べれば、ここは春だ」

(……嘘。ヴァルター様だって寒いはずだ。でもこの人は、自分が寒いことより、わたしが寒いかもしれないことの方が心配なのね。……いつもそう。砦でも、暖炉の近くにわたしの椅子を置いて、自分は遠い方に座る。気づいてないと思っているらしいけど、気づいている)

大臣の一人が通りかかって、ヴァルター様を見た。目が点になった。

「辺境伯殿が……、上着を奥方に?」

ヴァルター様が鷹のような目でそちらを見た。

「何か」

大臣が慌てて首を引っ込めた。

(この人は。わたしには上着をかけて菓子を取り分けるのに、他人にはあの目を向ける。情緒どうなっているんですか)

隣の席にいた女官が、小声で言った。

「辺境伯殿って、あんなに優しい方だったの……?」

「何ならとても素敵な……」

(優しいですよ。わたしには。わたしにだけ、この人は優しいんです。そしてわたしの旦那様はすごいんですから)

何となく誇らしい気持ちでいっぱいになった。

宴の途中で、陛下が立ち上がられた。

広間が静まった。

「本日は、お集まりいただき感謝する」

陛下がゆっくりと広間を見渡された。

「見黒様——アカリ殿が、神託少女としてこの宮廷にいらしてから七年。あの方がこの国に与えてくださったものは、言葉にすれば足りない。しかし、今日は一つだけ申し上げたい」

間。

「わたしは、この方のお傍で茶を飲む日々が、好きだった。これからも、そうありたいと思っている。彼女が神託少女から、神託者になったとしてもだ」

広間がどよめいた。温かなどよめきだった。

見黒様が立ち上がられた。

広間が静まった。

見黒様は陛下をまっすぐ見ておられた。黒い髪が白い衣の上に流れていた。あの方の目が、穏やかで、静かで、それでいて——温かかった。

「幾久しく、よろしくお願い申し上げます。陛下」

深い礼だった。

広間が、一瞬、音を失った。

あの見黒様が。噂では、掴みどころがなく、何を仰っても軽やかだというお方が。公の場で、陛下に向かって、このように……。

拍手が起きた。最初は誰かが一人で。それがすぐに広がって、広間全体を満たした。

陛下が、少し目を細められた。笑っておられた。誰もが祝福する温かなものだった。

ヴァルター様がわたしの横で、杯を静かに掲げた。

「……良い主君だ」

頷いた。

「はい」

ヴァルター様が杯を傾けた。

「良い、伴侶になるだろう」

ヴァルター様がわたしを見た。目が柔らかかった。北方の砦でお茶を淹れてくれるときと同じ目だった。

「……我々も、そうだな」

(……あら?)

「我々も、良い伴侶で——」

(わっ……。最後まで言って欲しい。止まらないで)

「……いや。何でもない」

(引っ込めた!)

「もうっ!ヴァルター様」

小声で抗議すると、ヴァルター様が杯で顔を隠した。

「……何だ」

わたしは椅子ごと少しだけ近づいた。

「今の言葉、もう一度仰ってください」

ヴァルター様の耳が赤くなった。

「……忘れてくれ」

わたしはまっすぐヴァルター様を見た。

「忘れません」

ヴァルター様は無言で杯を一気に飲み干した。

陛下と見黒様は、あんなに堂々としておられるのに。この人は、わたし一人相手に耳まで赤くなっている。国境を守る辺境伯が。蛮族を追い返す軍人が。ちょっとしたことを妻であるわたしにと言い切れないでいる。

(……こんな大きな人なのに、かわいいって思えてしまうのよね)

大好きです。口の形だけ動かして、ヴァルター様へ伝えた。

宴が終わり、宮廷の客室をいただいた。

広間から客室へ向かう廊下で、ヴァルター様がわたしの外套を持ってきた。

「夜は冷える」

「ありがとうございます。……でも、上着もまだかけていただいたままなんですが」

ヴァルター様がわたしの肩に外套をかけた。迷いのない動きだった。

「それはそれだ。外套は外套だ」

(…….うーん、急にどうしたんだろうな。でもいいかも。温かいから)

客室は広かった。暖炉に火が入っていた。ヴァルター様がすぐに毛布の厚さを確かめて、「これでは薄い」と言って自分の外套を上にかけた。

(……もうわたしの寝床に何枚重なっているんですか)

ヴァルター様は暖炉の前の椅子に座って、わたしが眠るまで起きていた。北方の砦と同じだった。この人はいつもそうだ。わたしが先に眠る。この人が後で眠る。

翌朝。

馬車に乗った。北方への帰路。秋晴れだった。

ヴァルター様が毛布を出した。

「行きに使った毛布だ」

「……もう二枚重ねですよ。わたし、そんなに寒そうに見えますか」

ヴァルター様がまっすぐ前を向いたまま言った。

「見える」

(見えてないと思います。ヴァルター様が心配しすぎなんです)

でも、受け取った。そうしないと、この人はわたしが受け取るまでずっと差し出し続けるから。

馬車が走り始めた。しばらく、二人で黙っていた。

ヴァルター様が口を開いた。

「……昨夜の」

わたしは窓の外を見たまま答えた。

「はい」

ヴァルター様が低い声で言った。

「我々も、良い伴侶だと。そう思っている」

昨夜、言いかけて引っ込めた言葉。この人は一晩かけて、もう一度言おうとしていたのだ。国境を守る辺境伯が。蛮族を追い返す軍人が。たった一言を、一晩かけて。

そう思うとたまらなく胸がいっぱいになって、視界が滲んだ。

(ああ、だめだ。もう止まらない)

「……また泣くのか」

涙を拭った。拭いても出てくる。拭いても、拭いても。

「そんなに泣かれると、俺がいじめているみたいだ」

首を振った。声が震えた。

「いじめてません。嬉しいんです」

(嬉しい。この人が、わたしを伴侶だと言ってくれたのが。昨夜は言えなくて、一晩眠れなくて、朝になってやっと言えたのだろうということが。この不器用さの全部が、嬉しいの)

ヴァルター様が困った顔をした。大きな体で、おろおろしていた。

「……どうすればいい」

「何もしなくていいです。ただ、そこにいてください」

ヴァルター様が黙った。

それから、ぎこちなく、わたしの頭にそっと手を置いた。大きな手だった。温かかった。

(……見黒様。あなたのおかげです。この人の隣にいられるのは。この温かさを知れたのは)

あなたのお手紙に、「合わなければ、それでいいから」と書いてありましたね。合わなかったら帰ればよかった。でも、合った。この人と、合ったんです。お茶の味も、沈黙の長さも、そばにいる時の温度も、不器用な優しさの形も。

しばらく、馬車の音だけが聞こえていた。

ヴァルター様がぽつりと言った。

「……新しく雇った侍女に聞いたんだが」

わたしは目を拭いながら顔を上げた。

「はい?」

ヴァルター様が窓の外を見たまま言った。

「身体を冷やすのは、よくないそうだ」

(……だから今日あんなに毛布と上着と外套を重ねていたの? 侍女に聞いたの? わざわざ?)

「それは……ええ、一般的にはそうですね」

ヴァルター様が前を向いたまま、低い声で続けた。

「……いずれ、この砦に、もう一人くらい増えてもいいと。そう思っている」

馬車の音が聞こえていた。星が窓の外を流れていた。

もう一人。もう一人、というのは…………。

(……この人は。今日一日中、わたしに上着をかけて、毛布を重ねて、辛い料理を避けて、風が通れば外套をかけて——全部、全部、そういうことだったの?)

言えないのだ。この人は、「子供がほしい」と真っ直ぐに言えないのだ。だから侍女に聞いて、毛布を重ねて、そういう形でしか伝えられないのだ。

(……ずるい。そんなの、ずるい)

また、目の奥が熱くなった。堪えようとしたけれど、無理だった。

「…………また泣くのか」

「……そんなの、嬉しくて、何度でも泣きます」

涙を拭った。拭いて、息を整えて、それから——言った。

「……あの、ヴァルター様」

ヴァルター様がこちらを見た。

「何だ」

頬が熱かった。でも、言った。

「一人だけ……でいいんですか」

ヴァルター様が固まった。

「わたしは……さ、三人くらい増えても、いいと思うのですけれど」

沈黙が長かった。馬車の車輪の音だけが聞こえていた。

ヴァルター様の耳が、今まで見た中で一番赤くなっていた。

「……三人も、いいのか」

「もちろん、です。身体は……丈夫だと思いますので」

ヴァルター様が深く息をついた。それから、わたしの肩を引き寄せた。今度はぎこちなくなかった。力強かった。

目を閉じた。

馬車の揺れと、ヴァルター様の体温と、上着と外套と毛布の温かさの中で、わたしは眠りに落ちた。

北方の砦に帰ったら、またお茶を淹れてもらおう。少し濃くて、でも温かいやつを。

……侍女に、わたしからもいろいろ聞いてみようかしら。