作品タイトル不明
494回目 『神々』も招く会談
俺の腹案を聞いて、一番不安そうにしているのはシエラだ。『聖エタルシス教会』は、奈落が好き放題していた宗教ではあるが決して『悪』ではない。そこに身を置いて人々の救済に動いていた真っ当な信者も多く、シエラもその一人だ。
大きくなった宗教が腐るのは、何もこの世界に限った話でもないのは、俺も良く知っている。まぁ、どんな物でもそうだしな。
「安心しろシエラ。神々は俺の腹案なんてとっくに知ってる筈だ。何度も俺は一人で考えて検証していたし、口止めをした上で『キャンパー』や『レティア』にも相談しているからな」
核心的な事は口にせずに、ドゥルクやアルジャーノンにも相談はしているので、あの二人はひょっとしたら気付いているかも知れない。
「で、ですが! 世界の構造自体を変えるだなんて、聞いた事もありません…………!!」
「まぁ、突拍子も無い話でやすからね。ですが旦那、流石にこの規模の事を神々はもちろん、この世界にある国々の了解を得ねぇでやるってのは無理がありやすぜ? そもそも出来るかどうかも怪しいですがね」
「バルタの言う通りね。そんな事を提案したら、今度はガモンが『魔王』として討伐対象になるわよ?」
「この世界の危機にか? …………いや、有り得るか。人間だもんな。でもさ、ハッキリ言ってこの世界の人達が纏めて掛かって来ても、俺を討伐なんて出来ないと思うぞ? 『◇天空城『レナスティア』』があるってだけでも不可能だろ」
「ですがガモン殿、陸地を全て空に上げるだなんて、黙ってやる訳にもいきませんよ? 世界を敵に回したら、『方舟』との戦いで協力も得られなくなってしまう。俺達だけでは『方舟』を倒せないのも、事実なんですから」
仲間達はまさに混乱の最中だ。完全に戦いが止まってしまった。
どういう訳か奈落まで動きを止めてコチラを見ているが、何のつもりなのか。
『気ニセズ話ヲ続ケルガ良イ。ソノ話ガ終ワルマデハ手ヲ出サナイト約束シテヤル』
「…………そりゃどうも」
全く信用出来ない約束ではあるが、このままでは戦えないのも確かなので、俺は仲間に世界を説得する方法を教える事にした。
「…………この世界の人々が反発するってのは、当然考えてある。いくらここが魔法もスキルもある世界だと言っても限度はあるからな。説得する方法も考えてある」
「…………ガモン様。それは、いったいどういう方法なのですか?」
「話し合いの場を儲ける。俺達と、世界中の国々の代表者と、神々をも交えた『特別な会談』の場をな」
『…………!!』
「神々も交えた? 本気で言ってんですかい? 旦那!?」
「ああ、本気も本気さ!」
正直、頭がどうかしたと思われてもしょうがないが、俺はこれを誤魔化す事はしない。…………気になるのは先程、神々の名を出した時に、大魔王・ナラクの眼が、明らかにキラリと光った気がする。
まぁ、今は置いておいて、神々との話し合いの場についてだ。
各国の代表者と神々をも交えた話し合い。まさに『世界会議』と呼ぶに相応しいそれをどうやって実現するのか?
その答えはもちろん、ガチャアイテムにある。
使うアイテムは二つ。まず一つ目は、☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』だ。
これはその名の通り、料理を司る神のリストランテに行き、その料理を食べる事が可能となる、食品ガチャから出て来たチケットのアイテムだ。
このアイテムの最大使用人数は二百人だ。非常に強力な力を持つ☆5アイテムだが、このチケットを使うにも条件があるので、準備はいる。
それに、このアイテムだけだと会える神は一人だけだ。それでは『神々』とは言えないだろう。そこで、もう一つの☆5アイテムを使う。
そのアイテムとは、☆5『霊酒の壺』だ。このアイテムが持つ一文に、こう言うのがある。『一壺満たせば、神ですら降りて来るかも知れない』。これはこのアイテムに、神の世界のルールすら越える力があるのではないかと思うのだ。
つまり俺は、一壺満たした『霊酒の壺』を、『料理神『ルカタルト』のリストランテ』に『食材』として提供する事で、神々をその場に呼ぶ計画を立てているのだ。
この☆5アイテムの組み合わせならば、おそらく上手くいくだろう。この二つのアイテムの制約上、『方舟』との戦いまでには、たった一度しか実現出来ないだろうが、一度出来れば上等である。
「この世界の在り方と、この世界を救う方法ってのを『神々』と話し合えるんだ、説得としては十分だろう?」
「「……………………」」
『…………クク、…………フヒャハハハッ!! ヤハリ持ッテタカ!! 神々ト会ウタメノ『アイテム』ヲ!!』
突如として狂った様に笑い出した『大魔王・ナラク』。大人しく俺達の話を聞いていたナラクは、突如その眼を紅く強く光らせ、俺に向かって襲い掛かって来た!!
『ヨコセ!! ソノ『アイテム』ヲ!!』