軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

495回目 『ヒトガミ』

『フヒャハハハハハッ!!』

「グッ!? 奈落!!」

『ヒャハハハハッ!! 柔いぞ! ニンゲン!!』

「なっ!?」

突然襲って来た『大魔王・ナラク』の一太刀を、槍の柄で何とか防ぐ。だが、ナラクは同時に脚での攻撃も放っており、俺はそれをマトモに喰らって吹っ飛ばされてしまった!

「グッ…………ゴブゥッ!?」

☆5装備越しでも殺しきれない威力のそれは、俺の肋を粉砕し、たったその一撃によって、俺は大量の血を吐くハメになった。

「ガモン様!?」

「カーネリアは牽制を! シエラ! ガモン殿を頼む!!」

「やってくれやしたね!!」

こちらに来るシエラを護るようにカーネリアが立ち塞がり、アレスとバルタがナラクに攻撃を仕掛けた。

『フヒャハハハッ!!』

だが、アレスとバルタの同時攻撃も、狂った様に笑うナラクは簡単にいなし、その身体の後ろから無数の影が槍となって飛び出した!!

「なっ!?」

「アレス! 飛びなせぇ!!」

影の槍の幾本かをバルタがナイフで斬り飛ばし、鎧の翼を広げて飛んだアレスの脚を掴み、二人は何とか空へと逃げた。

「…………助かった。ありがとう、シエラ」

「はい。…………しかし、あれはいったい…………」

口の中に溜まった血を吐き出して、俺は立ち上がった。油断が過ぎた。口から溢れる血でポーションを飲むどころか呼吸さえ危うかった。たぶん、さっきの一撃で内臓がやられていたんだろう。

『ヒヒヒヒヒッ!! がもん! ガモン!! 我聞!!!! 寄越せ! 神の世界に繋がるアイテムを!! 最終的には滅びしかない貴様らニンゲンには必要ないだろう!!』

怪しく笑う大魔王・ナラク。

いや、姿も声も奈落ではあるが、その態度や言葉は今までのナラクとは明らかに違う。

「…………誰だお前…………!!」

『不敬だなニンゲン。我は神、貴様らとは生まれた次元から違う『ヒトガミ』なるぞ!』

「…………ヒトガミ? …………まさか!?」

そう一言呟いた瞬間に、俺の頭の中にある人物が浮かんだ。それは、元はただの狐だったモノが、この世界に来た事で『神』に至った亜神『ハクラテン』だ。

それで、気づいた。今、俺が話している相手は奈落じゃない、と。

コイツはおそらく、奈落が取り込んだ『魔王・ヒト』だろう。本体と影に別れて、暴走状態にある筈の『魔王』が、何故か自我を取り戻しているのだ。これも、奈落のスキルの影響か?

「…………お前、『亜神』だな?」

『…………不敬だぞ下等なニンゲン。我は貴様らよりも高次元からやって来た高次元に住まう『神』だ。貴様らニンゲンとは何もかもが違うのだ!!』

「……………………奈落は?」

『負け犬が心配か? 貴様らの敵だろう』

「どうしたかを聞いているんだ…………!」

『フン! …………消えたさ。我の糧になったのだ。元から滅びたがっている奴だったからな。最後は望みを叶えて消えたのだ。本望だろう?』

「……………………!!」

奈落のもっていた望みは、確かに自身を含めた世界の滅びだった。それは解っているが、奈落が間違いなく敵だった事も解ってはいるが!

「なんでだろうな? 腹が立つのは…………!」

『貴様ら下等な者の考えなど知らん! さぁ、アイテムを寄越せニンゲン! 神の世界に繋がるアイテムは、その世界に席がある者こそ相応しい。それは、我の為にあるアイテムだ!!』

俺に向かって動こうとした所に、雷が直撃した。それを放ったのはカーネリアであり、ヒトガミと名乗ったそれは、グルン! と首を不自然に回転させてカーネリアを見た!

『余りに不敬なり。『神罰』!!』

ヒトガミの言葉と共に、上空から一瞬で落ちてきた影の塊が、カーネリアを押し潰した!!

「カ、カーネリア!! 貴様! よくも…………」

『…………外された?』

何も出来ずにカーネリアを殺されたと思い、激昂しかけたが、ヒトガミが一言呟いて首を捻り、そのままある一点を見たので、俺の視線もそちらに向いた。

そこには、鎧の翼を広げたまま立っているアレスと、 カ(・) ー(・) ネ(・) リ(・) ア(・) を(・) 抱えて肩で息をするバルタがいた。カーネリアは意識が無いようだが、死んではおらず、ギリギリで助け出されたらしい。

アレスの手の中にある☆5『時神の懐中時計』が、ギリギリでアレス達がカーネリアを救出したことを、物語っていた。どうやら、ギリギリの所で時間を止めて救出したようだ。

だが、生きているカーネリアを見ても、俺の怒りは収まらない。このヒトガミってのが、カーネリアを殺しかけた事は確かだからな!!