軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

485回目 世界の危機に

我聞達が『大魔王・ナラク』と戦いを繰り広げ、ティアナ達が『郷愁の禍津像』を探している中で、東の大陸にある各国にも動きがあった。

我聞達との繋がりが既にある国では☆4『薄型テレビ』に向けてレティアが流している我聞達と『大魔王』との戦いを見て、自国の軍を禍津像探しに出す事を決めており。

我聞達との繋がりが薄い国では、『郷愁の禍津像』を探しに出た飛空艇から降りた『アルグレゴ小隊』の騎士や、『フラウス騎士団』の騎士達が車やバイクを走らせて、各国に協力を求めていた。

飛空艇やガチャアイテムなどで我聞のスキルの凄さは知ってはいるが、各国はまだ『方舟』が世界を滅ぼすと言う話には懐疑的だ。しかも今回はそれとは別の『大魔王』とやらの話である。

唐突にやって来た騎士団が何を言おうと、本来ならばそれらの国が耳を傾ける事は無い。

だが今回は、やって来た騎士の話を聞いて、すぐに軍を動かす国が大半だった。…………それは何故か?

その理由は、奈落に出し抜かれる形となった『神々』が原因であった。

奈落のスキル『深淵の闇』が神々の予測を上回って成長したのも事実ではあるのだが、自らが与えたスキルによって目を眩ませられた。

そして何も気づけぬままに奈落を好き放題に放置してしまい、それは今になって世界の滅びを呼び込もうとしている。

それは神々にとっても、とてつもない屈辱であり、悔恨の極みであった。何せ、世界を救おうと自分達が送り込んだ『勇者』が、世界を滅ぼそうとしているのだ。放っておける訳が無い。

そこで神々は、今回の件について出来る限り我聞の支援をする事にし、我聞との繋がりの薄い国に向けて、『神託』を下した。

これには奈落の妨害があったとは言え、『緊急クエスト』どころか『ストーリークエスト』の更新すら出来ていなかった事についての贖罪の意味も込めてある。

『『勇者ガモンの要請には必ず応じるように。でなければ、『大魔王』によって世界が二度と修復不可能になるまで破壊される事を覚悟せよ!!』』

…………唐突に下された『神々』からの『神託』は強烈であったが、各国とて流石にこれだけでは動かない。

…………だが。

「……………………お、恐ろしい。な、なんだこれは…………?」

「と、とんでもない気配が西から漂って来るぞ…………。ま、まさかこれが『神託』にあった『大魔王』の気配なのか…………?」

「に、西の大陸から、ここまで気配が届くのか…………」

奈落が振り撒く殺気による恐怖が、各国の重い腰を上げさせた。このままでは世界が滅ぶと実感した各国は、すぐに軍の派遣を決定したのだった。

こうして『郷愁の禍津像』を探す為の人員はどんどんと増えていき、各国へと派遣された騎士達が持ち込んだ☆4『禍津像探知機』のおかげもあって、数多くの『郷愁の禍津像』が集められたのだった。

ところ変わって、ここは山賊の国と言われる『ラグラフ王国』。

ラグラフは使者として『アルグレゴ小隊』の騎士が来るや、全面的な協力を約束しており、手の空いている部下は全てを『郷愁の禍津像』の探索へと派遣していた。

そしてラグラフ自身は、城塞の一番高い場所から、西の空を見ていた。

「…………皮肉なもんだな」

ラグラフはそう一言つぶやいて、頭をガシガシとかいた。

空の彼方にあると言う『方舟』。これと戦う為に我聞達は己を鍛え、準備を重ねていた。

その我聞達の一番の懸念こそが世界だ。この世界にある国々にどう協力を求めるか、もしかしたら自国の不利益になるかも知れない事をどう受け止めて貰うか。

そんな事を、我聞達は悩み続けていた。

そして今。『方舟』が落ちて来る前に『大魔王・ナラク』なんて存在が世界を滅びの危機に陥らせ、我聞達が世界を護るべく戦っている。

その戦いの手助けとなるのが『郷愁の禍津像』の探索、及び破壊であり、ラグラフだけでなく、今や我聞とは繋がりの薄い国までも『郷愁の禍津像』の探索に勤しんでいる。

…………皮肉な事だ。『方舟』と戦う前に、『大魔王・ナラク』が世界の滅びに手を伸ばしたお陰で、世界の国々が纏まりつつある。

「『世界が団結するために必要なのは、世界の全てをを滅ぼしかねない共通の敵』。そんな事を言ったのは大昔の『闇の勇者』だったか。なるほどな、その言葉は正しかった訳だ」

空の彼方にある『方舟』では、距離が遠くなかなか見えない為に現実感が無い。恐らくは『方舟』だけでは、世界が団結するには間に合わなかっただろう。

そう考えれば、『大魔王・ナラク』はとても良いタイミングで現れたとも言える。それを喜ぶ訳にもいかないが、これが何とも皮肉であると、ラグラフは思ったのだ。

「…………まぁ、何がどう転ぶかは解らねぇが、負けんじゃねぇぞガモン。お前さんの肩に世界が掛かっているのは、確かなんだからよ」

そう西の空へ向けて言葉を放ち、ラグラフは城の中へと戻っていった。

そしてこの数時間後には、回収された『郷愁の禍津像』が一気に砕かれ、我聞と奈落の戦いも新たな局面へと進むのである。