軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

462回目 世界樹達のクレーム

『ドルイドの『ダルディ』と申します。これより先はガモン様の命に従い、世界樹様のお世話をさせていただきます』

『ドライアドの『ベルディ』です。樹木や花に関する事でしたら、お力になれると思いますので、よろしくお願いいたします』

ダルディがしわがれた声で挨拶をし、執事のように一礼をすると、ベルディは涼やかな声で挨拶をし、優雅に一礼をした。

どちらもその体は樹木で出来ているため、動くと木々や葉が擦れる音がする。それを聞くと、本当に樹木で出来ているんだと実感するな。

『その子の本体の世話は、この二人に任せるといいよ』

『そうだね、エルフよりは良いと思う』

『エルフって雑だからね』

『私も見てただけだけど、けっこう扱い酷いよね』

「ええっ!? あ、あの…………世界樹様方、我々がするお世話は、何か間違いがありましたでしょうか?」

世界樹本人達から『世話が雑』だと評されて、その場にいるエルフ達の顔色が悪い。他のエルフや人間に言われたのならともかく、世界樹本人が雑だと言っているのだから、たまったもんじゃない。

『うーーん、そもそもね? 私達ってある程度大きくなった後は放っておいて欲しいのよ。根は地中深くに広く張っているし、幹だってとても大きくて太いでしょ?』

『今さら水とか肥料を撒かれてもね?』

『そもそも、その肥料を分解して土に戻すのにエネルギーつかうしね?』

『うん、解る。絶妙に邪魔なんだよねあれ。だいたい、地中深くに根があるのに届く訳もないのにね?』

『ホントそれ!』

もうボロクソである。

世界樹達は自分達が世話をされた経緯から、エルフが世界樹の苗木を世話すると、最悪枯らしてしまうと考えているらしい。

だがそれと同時に、そんな下手な世話をするよりも、エルフは世界樹の側で普通に暮らしていた方が良いとも言う。

『エルフが暮らしている場所の魔力は、透明感があるから好き』

『魔力濃度が高いから、瘴気が混じらないんだよね』

『私達の周囲でエルフが暮らしているのは良い環境なんだよね。だから幹に穴を開けられても追い出さないんだし』

『別に世話はしなくていいんだよね。そこで生活さえしてくれていれば』

『あ、でも幹に魔力を流してくれるのはやってほしい』

『そうね、あれは気持ちいいわね』

…………なるほど。世界樹達としては、エルフの放つ魔力があるって事が成長の糧になっている訳だ。

だから世界樹は穴を開けられたくらいでは怒らず、素材も色々とあげていた訳だ。

そしてエルフの方はそうとは知らずに、水をやったり肥料をやったりしていたと。意思の疎通が出来ていなかった訳だ。まぁ、樹木と意思の疎通を完璧にするのは難しいだろうけどな。

「……………………」

「…………だ、大丈夫か? イマメルバーン…………」

「…………大丈夫ですとも。むしろ、世界樹様の正しいお世話を知れたのですから、悲観する事なんか、ありませんとも…………」

その割には顔が真っ白になっている訳だが…………。まあ、イマメルバーンが大丈夫と言うならば、余計な事は言わないでおこう。

その後、体を得た世界樹達に俺のフレンドにしてほしいと言われ、試したら出来てしまったのでフレンドとして登録した。

元々、『レナスティア』の浮島に根を張っている世界樹は自由に出入りできるらしいが、その他の世界樹は対象外だったのだ。

しかしその世界樹達も、一人をフレンドに登録すると、そのフレンドとなった世界樹が他の世界樹と握手するだけで、その世界樹にも権限が移った。

それの意味がわからず問い質すと、『素材として『方舟』に組み込まれていた時に一体化していたから、その時の感覚で情報を共有した』のだと言う。

つまり、一人が俺とフレンドになったから、その記憶を仲間の世界樹に分け与える事で、全員がフレンドになったのと変わらないようになった、と。

正直何を言っているのか理解できないが、まぁ受け入れる事はしよう。…………理解できないが。

ちなみに『レナスティア』の世界樹は、ドライアド達に自らの種を受け取らせ、それを体内で発芽させることで、ドライアド達を自身へと繋げたみたいだ。

…………なんでもありかよ。