軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

461回目 ドルイドとドライアド

世界樹が去っていった広間に、ポツンと残る世界樹の少年。一見、普通の人間に見える少年だが、内在魔力量が桁違いなので、魔力を感じられれば人間じゃないとすぐに解る。

流石に世界樹の気配ってのは解らないが、状況的にこの少年が世界樹である事は間違いないだろう。

だが、問題が一つある。この少年が、何故か俺に激似な事である。だって写真で見た幼少期の俺にソックリなんだもの。完全に一致と言うヤツである。

そしてそれは、仲間の中で唯一この場に残っていたティアナもまた、同意見であったようだ。

「…………ねぇガモン。何だかあの子、すっごくガモンに似ている気がするんだけど、気のせいかな?」

「…………いや、気のせいじゃない。…………似てる。理由はサッパリ解らないけど、俺が子供の頃にソックリだ…………」

「…………ガモンの子供の頃にソックリ?」

「ああ、ソックリだ」

俺とティアナが見つめる中で、俺の幼少期にソックリな世界樹はトテトテとぎこちなく走って来て、俺のズボンをちょっと掴むと、『…………マスター?』と言って小首を傾げた。

「…………可愛い!!」

『えぅ!?』

あざとさを感じるその仕草に、ティアナが世界樹の子供を抱き上げて頬擦りを始めた。

『マスター! マスター!!』

「あっ、ほら! 逃げないで! わぁーー、すべすべぷにぷにーー!」

うーーん。すっかりティアナは世界樹の子供を抱きしめてご満悦だ。しかし、この子は…………って、マスターって俺を呼んでたな?

「あれ? もしかして…………? ティアナ、ちょっとストップ!」

「え? どうしたのガモン。この子はあげないよ?」

「…………物じゃないんだから。…………まぁいいや。ちょっとその子に聞きたい事があるだけだ」

『マスター?』

「それだ、そのマスターって呼び方。お前もしかして、『レナスティア』の世界樹か?」

『…………(コクリ)』

俺の質問に、ティアナに抱きしめられた状態の世界樹の子供は、確かに頷いて見せた。ああ、やっぱりか。そうじゃないかと思ったんだ。

なら、俺にソックリな理由もその辺りか。世界樹達がエルフにソックリなように、『レナスティア』の世界樹は俺を元にして『世界樹の化身』を作ったのだろうな。多分だけど。

「えっ!? この子、『レナスティア』の世界樹なの? で、でもなんでこの子、他の世界樹達と一緒にいたの?」

『……………………?』

ティアナの質問に首を傾げる『レナスティア』の世界樹。どうやらよく解っていないらしい。

『あ、そのこの子なら私達の『お姉様』が連れて来たのよ』

と、そんな言葉と共に現れたのは数名の世界樹達だ。その手には山のように様々なお菓子やら服やら化粧品やらが積まれており、その後ろからは少し疲れた様子のアレスが続いて来た。

俺の『トゥルー・フレンド』であるアレスなら、『スキル倉庫』から物を出すことも可能だからな。きっと世界樹達の要望を叶えるのが忙しかったのだろう。

「お姉様? 誰ですか?」

『お姉様は、私達の大元となった世界樹ね。私達が『方舟』になる前にいた次元で、一番大きな世界樹なのよ?』

…………大元になった世界樹? それなら『お姉様』じゃなくて『お母様』なんじゃ…………? いやまぁ、別に何でもいいんだけど。

とにかく、ティアナの腕に抱かれている子供は、『レナスティア』の世界樹で間違いないそうだ。

では、何故その『お姉様』が、わざわざ次元を越えてまでやって来て『レナスティア』の世界樹をこの世界にいる世界樹達に引き合わせたのかと言うと、本当の所は世界樹達にも解らないらしい。

ただ、世界樹としての教育を任されたとかなんとか。…………なんだよ、世界樹としての教育って?

『ひょっとしたら、こうなる事を見越して私達に預けただけかも知れないわね。向こうには『運命神』様もいるから、あり得なくは無いでしょ?』

「『運命神』かぁ。…………いやまぁ、運命を司る神様なら、無くは無い…………のか?」

『でもこうなったら、その子は貴方達に任せた方がいいわよね。もちろんただ放り出したりはしないわよ? 私達の眷族である『ドルイド』と『ドライアド』を付けてあげる』

そう言うと、世界樹は自分の髪の中に手を入れると、そこから二つの種を取り出した。そしてそれら手に握ると、途端に拳の隙間からニョキニョキと木の根が飛び出していき、やがて世界樹の手から落ちると爆発的に成長していった。

それは最終的に人の形を取ったが、人間と言うにはあまりに歪な姿に落ち着いた。どちらかと言うと、樹木型のモンスターに近い。

いや、女型の『ドライアド』は、まだ人っぽい外見をしているのだ。近くでよく見ると違うとは解るけども。

しかし男型の『ドルイド』はと言うと、その頭部は枝を纏めて逆さまにした竹箒の様であり、不気味さが勝っている。

だが世界樹達によると、植物を育てる事に関しては、この『ドルイド』と『ドライアド』がかなり優秀であるらしい。

そうまで言うなら、是非とも頼らせて貰おうかな。