軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

459回目 ☆5『反転の鏡』

ほとんど無数にいて、しかも人数も人格もコロコロと入れ替わる『世界樹の化身』達の体を、生身で用意するとか言う無茶ブリをされた。

てっきりこれは、アルジャーノンが女神ヴァティーやドゥルクにホムンクルスの体を用意したのをキッカケに出て来たクエストかと思っていたのだが、そうでは無かったらしい。

俺がやるのかコレ? いや、確かにそれが出来るアイテムとかが存在するなら、それは☆5のガチャアイテムとかになるだろう。

でもそんなのあったか? それともこれから引けと言うのだろうか? ☆5を? 既に大量の『禍津勾玉』を消費してしまったこのタイミングで? そんな無茶な…………!

って言うか、こんなに大事ならクエスト出してくれませんかね? そうすれば依頼内容も解りやすいし、報酬があれば気合いも違ってくるのに…………。

いやまぁ、他のクエストみたいに命に関わるとか国の命運に関わるとかってのも困るんだけどさ。

でも今回のって、どう考えても世界樹達が遊びたいだけだろ? …………手は貸してくれるのも解ってはいるけど、ここまでの言動を見てると頼りないものなぁ。

「…………しかしどうしたもんかね? やっぱ、新しくガチャを回すしかないのか? 普通にやったら☆5の確率なんて万分の一だぞ?」

「いえ、ガモンくん。新しくガチャを回す必要はないと思うよ?」

「…………それはまた何故?」

「だって、今回の事に対してクエストは発生していないんでしょ?」

アルジャーノンが言うには、これ程の依頼で、かつガチャを回す必要があるならば、俺のスキルならば確実にクエストが立っている筈だと言う。

俺のスキル『ガチャ・マイスター』の説明はアルジャーノンにもしているため、アルジャーノンも俺のスキルにあるガチャの確率が渋いのは知っている。

当事者ではないアルジャーノンが知っていると言う事は、『運命神』ともなればそれを知らない筈が無い。つまり、現状で俺が持っているアイテムだけで達成できてしまう、と予想がつくと言う訳だ。

「例えどんなに難しいクエストだとしても、アッサリクリアされてしまうのでは、クエストにする意味がないからね」

「なるほどな。クエストになってない事が、逆にクリア出来る証明になってる訳か…………。でも、そんなのクリア出来るアイテムがあったかなぁ?」

「まぁ見てみるしかなかろう。ホレ、儂も考えてやるから、何があるのか教えてみい!」

アルジャーノンに説得され、さらにドゥルクに急かされ、俺は『スキル倉庫』の一覧を開いて持っている☆5のアイテムを読み上げた。

装備の中でも武器と防具は除外したが、アクセサリーは読み上げる。そしてアイテムの方は、名称を読み上げて三人の中で誰かが引っ掛かりを覚えたら、詳しい能力を見ていった。

そして俺達は、候補を一つに絞った。能力的にこれだろう、と言う一つに。そのアイテムの名は、☆5『反転の鏡』。

取り出して見ると、まず丸い円形の鏡があってその縁には呪文のような物が刻まれた円周部分があり、それに被せるように丸みを帯びた菱形のような装飾がって、更にその装飾の先端にはそれぞれ、赤・青・緑・黄の四つの宝玉が嵌められていた。

なんと言うか、見た目が完全に『魔法の鏡』である。テンションが上がるなコレ。ちょっと手に取れたのが嬉しい。

で、肝心な能力はと言うと。

☆5『反転の鏡』

・《反転》補充された魔力に応じて、その鏡に映った物をなんでも『反転』させてしまう鏡。それがどういう『反転』になるかは、鏡に映った物に依存するが、それによって生命が脅かされる事はない。

・《永続反転》宝玉を一つ消費する事で、鏡に映る物を一つ、永続的に『反転』させる事ができる。その『反転』を解かない限り、宝玉は消費されたままになる。

・《流転》宝玉を四つ消費する事で、映っている物質を一つ指定して、丸ごと『反転』させる事ができる。その場合、世界中にある同じ種類の物が一斉に『反転』するので注意が必要であり、その『反転』を解いて宝玉を戻さない限り☆5『反転の鏡』は、『スキル倉庫』にも収納出来ない。

俺にはよく解らなかったが、アルジャーノンとドゥルクは顔を見合わせて頷き、「コレだね」「コレじゃな」と、意見を一致させた。

「…………えっと、説明を求めても?」

「ム? …………いや、この辺は『論より証拠』ってやつじゃろ。アルジャーノン、世界樹様に協力を求めて、見せてやってくれんかの?」

「そうだね。説明する上でも、それが早そうだし」

そう言って☆5『反転の鏡』を持ったアルジャーノンが世界樹の元へと行き、俺とドゥルクもそれに続いていった。

『協力? いいわよ。なにをするの?』

「では、少しそのままでお願いします」

アルジャーノンは『反転の鏡』に魔力を込めると、協力を快諾してくれた世界樹を鏡に映し、その世界樹を『反転』させた。

すると、薄く透けて実態の無かった世界樹の色が濃く変わり、実体がしっかりと存在するようになった。

えぇ? コレって『反転』なの? 別の何かじゃなくて? 実体が無かったのを実体があるように…………?

ちょっと脳が混乱しているが、あまり深く考えてもダメだろコレ。とにもかくにも。実験成功って事でいいのか?

『か、体だわ! うわっ!? 重力を感じるわ! すっごく重い!!これ、スッゴク、重い!!』

生身の体を得た世界樹が、文字通り跳び跳ねて喜ぶ中で、俺はドン引きしていた。いや、アイテムを持っていたから簡単にいったのは凄くいいんだけど、簡単に行き過ぎってもんじゃないか?

相変わらずブッ壊れ過ぎてて怖いよな、☆5アイテムは…………。