軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

434回目 ドワーフ達の今後

俺のフレンドとして登録した数名のドワーフがアレスとシエラに付き添われて☆5『◇天空城『レナスティア』』にある『鉱山の浮島』の様子を見て、さらにそこにあるダンジョンの調査を行った。

そして、自分の体を取り戻したケガレ者と呼ばれていた者達も交えて、これからのドワーフについての会議が開かれ、実に丸三日も喧々囂々とやり合っていた。

これ以上、神獣の背で暮らしていくのは危険だから『鉱山の浮島』へ里を移そうと言う若い者と、ドワーフの暮らしは神獣とあるべきだと言う年老いた者達の意見がぶつかり、時にはその議論の決着を『酒の飲み比べ』に委ねて、議論は大量の酒瓶や酒樽を転がしながら昼夜を問わず行われた。

…………議論の決着を飲み比べに委ねるのはマジで意味不明だが、彼らに言わせれば「負い目のある者は酒に嫌われる」そうで、ドワーフの昔ながらの神聖な決闘であるそうだ。

様々な意見と酒瓶のぶつかり合いを経て、この地に住むドワーフ達の話し合いは、里ごと『鉱山の浮島』へと引っ越す事で決着した。

しかし現実問題として、神獣『ラーヴァゼタートル』の背中である火山地帯を放置も出来ない。ドアルガン達には、神獣の背中を掘り進めた責任がある。

そこでドワーフ達は、持ち回りで神獣の背中に開けた坑道を塞ぐそうだ。彼らは大地と共に生きるドワーフ。土属性の魔法は彼らが最も得意とする所であり、その土魔法で掘り進めた坑道を埋めていくそうだ。

それが果たして神獣にとって良い事なのかは誰にも解らないが、『立つ鳥跡を濁さず』。散々世話になった場所だからこそ、感謝の念を込めて元の状態へと戻していこうと、そう決めたらしい。

その為にも、この火山地帯のドワーフの里にある家をひとつ拠点として貰い受け、そこに『拠点ポータル』を設置した。

さて、そうなるともうひとつ。

この国の王子であり、俺とフレンドにもなったコウハキンもまた、この地を管理していく事を了承したので、バゴス王国にも『拠点ポータル』が必要になる。

「じゃあ俺はコウハキン達と一緒にバゴス王国に行って『拠点ポータル』を設置して来る。ドアルガン達は引っ越しの準備をしていてくれ」

「おう。そうさせて貰うぜ。この地への感謝の宴も開かねぇといけねぇしな」

「…………また飲むのかよ」

そう口にしながら、俺の頭に一つの妙案が閃いた。

「…………ああそうだ、『拠点ポータル』もあるし、『レナスティア』の街に設置した『リカーショップ』に行ってみたらどうだ? 金はもちろん掛かるが、色んな酒やツマミを大量に売っているぞ? 日本酒から焼酎にウイスキーにブランデー、ワインにシャンパンと選り取り見取りだぞ? 金は掛かるけど」

努めてニッコリと笑顔を浮かべてセールストークをする俺に、ドアルガンが食いついた。

「おお! そういや、こないだの飲み会で兄弟が出してくれた酒にも、そこで買ったやつが混じっていたんだよな? そりゃいいぜ! いくつかまた飲みてぇ酒があったんだ。おい! 兄弟とフレンドになってる奴らを何人か見繕え! 酒を買いにいくぞ!!」

「「おおう!!」」

…………あの『リカーショップ』で買い物をすると、その売上の一部は、オーナーである俺の懐に入って来る。酒好きのドワーフが買い物にいくなら、結構まとまった金が手に入りそうだな。毎度あり。

ドアルガンの相手はアレスに任せて、俺はシエラと『メガリス』の三人を護衛としてバゴス王国へと向かった。

同じ国内だし、飛空艇『アベルカイン』を使えば一時間と掛からずにバゴス王国の王城へとついた。バゴス王国のインマッスル王とは、数日前に一度面識があるが、話のわかりそうな王様だった。わりと高齢のためか、ちゃんと服を着ていたしな。まあ、服の上からでも分かるくらいにムキムキなんだけど。

…………いやさ、この国の人達って基本的に半裸なんだよね。ムキムキの体こそが正装って風潮なので、兜だけ被ってあとはビキニにマント、とか言う格好で兵士が立っていたりするんだよ。装備の少ないグラディエーターでも、もっとマシな装備を着ているぞ。

インマッスル王との会談をコウハキンに頼むと、俺達はあまり待つ事なく王の私室へと通された。

「勇者ガモン殿、そしてお仲間の皆さん。よく来てくれた。バゴス王国はいつでも皆さんを歓迎しよう」

「ありがとうございます、インマッスル王。ご子息のコウハキン王子とは『フレンド』になりましたので、遠慮なく寄らせて貰います」

俺がわざわざコウハキンとフレンドになった事を言ったのは、王の左右の席に見慣れない奴らがいたからだ。

一人は病的な程に頬が痩けているにも関わらず、インマッスル王よりも、いや寧ろ不自然な程に筋肉が盛り上がっている男。

そしてもう一人は、この国では初めて見る程に筋肉とは無縁の、タプタプの贅肉に身を包んだ男だ。こちらはゆったりとした服を着ており、何故かずっと呼吸が荒かった。

…………聞いていた通りで紹介されなくても解るな。一人目が第一王子のドーピンで、二人目が第二王子のチーデイだろう。

なるほどな、これは騎士であるダイキョでなくとも、この国の行く末が心配になるわ。