軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

416回目 アレスとフラウス

何やら悩んでいるアレスに寄り添ったら、フレンドクエストで恋の悩みを相談されました。

…………何を言ってるのか解らないと思うが、俺も何が起きたのか解らない。感想は一言、え? マジで? である。

しかし、バルタとティアナのフレンドクエストがあったから戸惑いはしたけど、真剣さではアレスも負けてない事がアレスの眼を見れば解る。なので俺も、真摯に向き合う事にした。

「…………へぇ、一目惚れだったのか。フラウスって一見するとイケメンに見えるのに、よく女性だと解ったな。俺も一瞬どっちか悩んだのに」

「ムッ、確かに男性っぽい服装ではありましたけど、女性らしさもしっかりありましたよ? 色は抑えていましたけど、薄く化粧もして、ピアスだって可愛らしいデザインの物でした。爪も綺麗に手入れをしていましたし、男性っぽい服装にもピンポイントで可愛らしさを入れていましたよ」

…………めっちゃ見てるやん。マジで? 俺、何一つ気づいて無かったけど。

「それにおそらく、フラウス団長が使っているのは、ガモン殿のガチャから出て来た製品だと思いますよ? あのピアスや服に見覚えがありますし、香水の香りにも覚えがありました」

…………俺の観察力が無いだけじゃないよね、これ? アレスがフラウスに恋をしているから気づいているだけだよね?

「…………えっと、それでだ。アレスはフラウスと付き合いたいって事でいいんだよな?」

「はい! 俺の妻になって欲しいと思っています!!」

「飛躍してる!?」

ま、まあ。結婚を前提としたお付き合いを望んでいる、くらいにしておこう。

しかしあれだな、アレスがこんなに暴走気味になるとは意外だ。こんだけ思い詰めているのなら、フレンドクエストになるのも納得っちゃあ納得だな。

でもこれ、俺だけで何とかなるか? フレンドクエストの内容があやふやなんだよ。期限も無かったし、どこまで協力すれば…………。いや違うな、アレスが納得するまで協力するのが当然だな。

俺にとってアレスは、頼りに仲間であると同時に大切な友人だ。友人の恋は全力て応援してやりたい。

と、言う訳で。

その日の夜、と言うか最近は毎日、夕食はティアナと一緒に食べている。別にいつも二人きりではなく、他の仲間やレクターなんかとも一緒だったりするのだが、今日は二人きりだ。今日に限って言えば、狙ってそうした。

二人きりになると少しテレる所もあるが、今日はそんな場合でもない。アレスのフレンドクエストについて、ティアナにも協力して貰おうと考えての事である。もちろん、アレスの許可も取ってある。

「なぁティアナ、実はちょっと協力して欲しい事があるんだよ」

「なに、ガモン。何かあったの?」

「うん、実はアレスにフレンドクエストが出たんだけど、その内容がさ…………」

アレスのフレンドクエストについてティアナに相談をする。フラウスは小隊だった頃からカラーズカ家に仕えており、ティアナとも当然主従関係にある。

フラウスは男装の女性騎士と言う事もあって、男のフリをしていたティアナの護衛役も多く努めており、ティアナの秘密も当然知っていた一人だ。

そんなフラウスと、パーティーメンバーであるアレスとの間に持ち上がった恋バナに、ティアナは身を乗り出さんばかりに食いついた。

「アレスがフラウスに一目惚れ!? ま、待ってガモン! 食事をしながらの話ではもったいないわ! 食事が終わってからゆっくり話しましょ?」

「お、おう。ならそうするか」

アレスの恋バナはひとまず置いといて、食事を終えた俺達はソファーへと移動し、再びアレスとフラウスの恋バナに戻った。

「えっと、まずはティアナに聞きたいんだけど、そもそもフラウスって結婚してたりしないよな? もしくは恋人がいるとか」

「ううん、そんな話しは聞いた事が無いから大丈夫だと思うわよ? フラウスって近くで見ると可愛い子なんだけど、男の子よりも女の子にモテる子だったのよね、昔から」

フラウスは騎士として働いている事からも察しがつくように、代々騎士を勤めてきた家の娘だ。フラウスは長女であり、三つ程下に弟がいて、その弟が実家を継ぐ事になっている。

弟が生まれるまでは長女であるフラウスが騎士としての訓練を受けていたのだが、弟が訓練に耐えられる年齢になると、その役目は弟へと移った。基本的に、貴族の家督は長男が継ぐ物である以上、フラウスはお役御免となり自由になった。

だが自由になったとしても、フラウスの目指した道は『騎士の道』であり、フラウスは騎士としての道を突き進み、ティアナの状況も相まって正式にカラーズカ家の騎士として採用されたのだ。

男と同等の騎士の作法を叩き込まれたフラウスは、今さら女性としての振る舞いをするのも性に合わず、男装が基本になってしまった。だが、今更それを直す気も無いのである。

そんなフラウスだが、異性に興味は人並みにある。一般的な女性と同じように、綺麗な服や化粧は気になるし、恋人だって欲しいとは思っているようだ。それについては、ここに本人から直接聞いた事がある者がいるので、疑いようは無い。

「前に聞いたフラウスの好みの男性は、『自分よりも強い人』だったわね。これなら十分に勝算はあるんじゃない?」

確かにティアナの言う通りだ。アレスとフラウス、これは十分に脈のある話だった。