軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

233回目 まだ見てもいない

「大変だぁーーーーっ!!!!」

「うぉわぁっ!?」

「きゃあっ!?」

両開きの扉を壊れそうな勢いで押し開き、俺はクランメンバーの集う大広間へと、勢い余って転がり込んだ!!

俺のあまりにも勢いのありすぎる登場に部屋の中からは悲鳴が上がり、クランメンバー達は何事かと立ち上がった。

「な、何だよガモン!? ビックリするだろ!! 何のつもりだよ!?」

「ガ、ガモン様!? どうしたと言うのですか!?」

「ち、ちょっと! 大丈夫なのガモン!?凄い転がり方してたわよ!?」

トルテを始めとして、シエラやカーネリア達からも声が上がった。いやまあ、急に人が転がり込んでくればそうなるだろうけどな。俺もまさか、勢いがつきすぎて転がるとは思って無かった。勢いのせいでスリッパがスッポ抜けて飛んでったのだ。

部屋の中には、ザッパ達ノーバスナイトの姿やアルグレゴ小隊の何人かの姿もあった。

今は休憩中だったらしく、テレビを見たり談笑したりと、思い思いに過ごしていたらしい。

「…………ハァ、…………ハァ。お、俺は大丈夫だ。それより、大変なんだが…………。アレスとバルタは? どこいった」

「アレスなら、ギルドに行ったぞ? ダンジョンの情報を聞いて来るって」

「バルタはターミナルス辺境伯の所ね。テルゲン王国の情報が欲しい、って呼ばれたらしいわ」

「そうか。…………ハァ。なら、アレスとバルタには後で話そう…………」

俺が立ち上がって近くのソファーに座ると、気を効かせてシエラが冷たいお茶を出してくれた。俺はそのお茶を飲み干すと、二・三回深呼吸をして自分を落ち着かせた。

「それで? いったいどうしたのよ。今日はずっと部屋でガチャを回すんじゃなかったの?」

「ああ、ガチャは回してた。それであまりにも大変な事が起きたから、慌ててしまったんだ」

「何よ大変って。また☆5の事でしょ? 私、もう滅多な事じゃ驚かないわよ? ☆5は時間すら止められるって知ってるから」

「…………いやちょっと。「時間すら止められる」って何だよ? 俺達そんなの聞いて無いぞ?」

カーネリアの失言に、近くで話を聞いていたトルテが食いついた。カーネリアは一瞬『しまった』とでも思ったのか顔をしかめてから俺を見て、俺が頷いたのを確認してから、「後で説明するわよ」とトルテを黙らせていた。

「まあカーネリアの言う通り☆5が出た訳だけど、そうじゃないんだ。いや、そうなんだけど、そうじゃないんだ」

「ガモン様? ちゃんと説明して貰えますか? ☆5の大変なアイテムが出た、とかじゃ無いのですか?」

「……………………クラッシュした」

「「…………は?」」

「いやだから、……………………☆5がクラッシュした。要するに『クラッシュレア』だよ。☆5のクラッシュレアが出た」

「「……………………」」

「……………………」

「「……………………は、はぁぁーーーーっ!!??」」

俺の報告を聞いて、その場にいた全員が驚愕に声を上げた。無理もない。そもそも俺のガチャから☆5が出る確率は、『魔王討伐ガチャ』を除けば万分の一。これのクラッシュする確率は出たレア度が持つ確率と同じ確率になるから、一万の二乗で一億。

☆5のクラッシュレアが出る確率は、ざっと一億分の一である。普通なら絶対でないと断言できちゃうヤツだ。……………………出ちゃったけど。

「ちょ、ちょっと待てよガモン!! それってあれだよな? 『◇キャンピングカー』と同じって事だよな!?」

「いや違うぞトルテ。『◇キャンピングカー』は☆4のクラッシュレアだ。☆4が出るのは大体だけど百分の一、クラッシュする確率も右に倣うから百分の一。つまり☆4の『◇キャンピングカー』が出る確率は万分の一だな。☆4の場合はガチャの出現率が0.99%だから正確にはちょっとズレるけど、普通に☆5が出るよりちょっと出にくい、くらいの確率だな」

「あ、あの、ガモン様。確か前に、クラッシュレアはレア度? がワンランク上がると聞いた覚があります。だから☆4の『◇キャンピングカー』は☆5相当だと。…………そ、それなら、☆5のクラッシュレアはどうなっちゃうんですか?」

「☆5はワンランクあがって☆6扱いだな。☆6なんて、本来は存在しないけど」

そんな事を話しながら、俺はふと自分が冷静になってきているのに気がついた。周りが興奮し始めると自分が冷静になるアレが起きているのだろう。あんまり冷静になると、自分のさっきまでの取り乱し具合を思い出して死にたくなるが、興奮しっぱなしよりは良いだろう。

「それで、ガモン! いったいどんな物なの!?」

「え? 何がだカーネリア?」

「え? じゃないわよ! クラッシュレアの事よ! いったい何が出たの!?」

「……………………いや、わからない。まだ開けてないし」

「…………は?」

そう、俺の視界の中には、まだ☆5クラッシュレアが入ったカプセルが渦巻いている。カプセルを開ける前に此処に駆け込んで来たのだからしょうがない。

「何で開けてないのよ!?」

「いやだって、自分一人だと何か受け止めきれない気がして…………。今までの事を考えると、怖くない?」

だってアレだぞ? あのブッ壊れた☆5の上をいく物だぞ? 一人で見るなんて、怖いだろ? 普通に。