作品タイトル不明
234回目 ☆5クラッシュレア
俺達が☆5クラッシュレアの事で騒いでいると、いつの間にか時刻は夕暮れに差し掛かり、出かけていたアレスとバルタも帰って来た。
仲間達と話している内に、すっかり落ち着いた俺はアレスとバルタにも☆5クラッシュレアの事を説明し、バルタの提案で『◇キャンピングカー』の中で開けてみる事になった。
あそこならキャンパーはもちろんドゥルクもいるからな。まぁ、二人にも聞いてもらった方がいいだろう。
「いやぁしかし、☆5クラッシュレアのお披露目に間に合ったのは僥倖ですぜ。確率的に一生に一度かも知れねぇですからね」
「いやいや、まだまだ回すからねガチャは。さすがにこれ一度だと悲しくなるだろ。☆4のクラッシュレアだってガチャからは出てないのに」
☆4のクラッシュレアは本当に出て来ても良い筈なんだよな。なんで出て来ないんだろ。まあ、『運』って言われたらそうなんだけど。
と言う訳で、とうとう☆5クラッシュレアのお披露目の時が来た。何気に『ガチャ・マイスター』の画面がずっと開きっぱなしだから気にもなっていたんだよ。勝手にカプセル開いたりしないかって。しなかったけど。
「…………じゃあ、いくぞ?」
「「……………………(ゴクリ)」
俺がそう言った瞬間、『◇キャンピングカー』の中が静まり返った。何処からか、喉を鳴らす音すら聞こえてくる程に。
そして俺が画面をタップすると、鋭い稲妻の音と共に画面が光に包まれ、盛大なファンファーレの音と共に一つのアイテムが画面いっぱいに表示された。
「……………………(絶句)」
「…………ガモン様?」
『お、おい! どうしたんじゃガモン!? いったい何が出たのじゃ! 出してみい!!』
「いや、出せるかぁっ!?」
☆5『◇天空城『レナスティア』』
・空に浮かぶ五つの島からなる天空都市。それぞれの島に特色の違う街があり、中央都市には荘厳なる王城が存在感を示している。
・攻撃力・防衛力に優れ、数多の攻撃を防ぎ、数多のモノを屠る。自由に空を飛び大気圏すらも越えて行ける。この天空城は、もはや一つの世界である。
・最大収用人数一千万人。クランの拠点としても登録可能であり、周囲四つの島にあるダンジョンからは、様々な資源すらも手に入る。
・スキルの倉庫に収納する事は可能だが、中に生物がいる状態では不可能。中に生物がいる状態でも、次元の壁を隔てた先にならば移動できる。
・総面積10万平方キロメートル。
うん、色々意味わからん。
「…………ってヤツなんだよ。いや、出せるわけないだろ!! 10万平方キロメートルって北海道よりデカイんだぞ!?」
「そんな事を言われても分かんないわよ。何よ『ほっかいどう』って?」
俺の叫びにカーネリアは疑問を浮かべた。あぁもう! そうだよな、北海道知らなきゃ伝わんないよな!!
『うぅむ。確か1平方キロメートルってのは、一辺が1キロメートルの正方形の事じゃろ? となるとその大きさは…………ジョルダン王国の四分の一ほどじゃのぅ』
「…………そんな物が急に空に現れたら大騒ぎですよ? とんでもない事態になるのが容易に想像できますね」
俺の言った例えから、平方キロメートルを知っていたらしいドゥルクが補足を加え、それを聞いたシエラが頭を抱えた。
「…………って言うか何これ? どうしろってんだよ。こんなの普通に使えないだろ? これを使う場面が全く想像できないわ。世界征服でもしろってのか?」
『…………むぅ?』
「……………………まさか…………」
ヤレヤレと首を振る俺の言葉を聞いて、ドゥルクとアレスが真顔になった。二人とも口元や顎に手を置き、何やら考えている。
…………何だろう、何か凄く嫌な予感がする。
「…………なんだよ二人とも。そんな深刻そうな顔をして? …………いや、冗談だよ? 世界征服なんかしないよ?」
『あぁいや、そうじゃないんじゃよ。のぅアレス、お主も儂の考えた可能性に気がついたのか?』
「…………はい。恐らくは。…………つまり、これ程の物を使わなくてはいけない場面が来る、と言う事ですよね?」
『ウム。儂の懸念もまさしくそれじゃ。今までもとんでもないアイテムは多くあったがの、これは群を抜いておる。これは空を飛ぶ巨大な移動要塞じゃ。しかも問題はそんな事では無い。果たして『魔王を倒す』と言う目的で、これを使うじゃろうか? どう思う、ガモンよ』
「どうって……………………」
ドゥルクとアレスにそう言われ、俺も考え込んだ。
…………魔王との戦いでコレを使う? …………よほど巨大な魔王が、眷属を大量に生み出したなら必要だろう。例えば、巨大な魔王だとされるタミナルの噴水に像がある『海ヘビ』の魔王とか。そんなのが大量に出て来たら強力な兵器でもって一掃するしかない。
まぁそんなヤツほど、さっさと『郷愁の禍津像』を見つけて破壊したい所だけど。
あとは…………。考えたくないけど、脱出のため? 乗せられるだけの人を乗せて、大気圏を突破して…………? いやぁ、無いかな。って言うか無いよね、それは…………。