作品タイトル不明
232回目 フリーズ
☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』
・料理を司る神の一人である『ルカタルト』が料理を提供するリストランテに行けるチケット。完全予約制で、チケットの裏に日付と時間、利用する人数を書くと使用できる。最小人数は四人で最大人数は二百人まで。
・一度使うとチケットは失われるが、クール期間を過ぎれば再び使える様になる。
・クール期間は使用した時の人数や、食材の負担の有無、経費の負担の有無によって増減する。最小なら五日間、最大なら二年間となる。
「……………………マジで神様の料理が食えるのか。これを使えば様々な効果が得られそうだけど、使っていいのかコレ? 色々とデカイ問題が起きそうなんだけど…………」
神様に会うどころか、料理を作ってもてなして貰うとか、聖エタルシス教会とかが黙ってなさそうなんだけど。まあ、神様の手料理が食えるとか、確かにアイテムの性能としてブッ壊れてはいるけど、何か方向性が違うよね?
それと『食材負担の有無』とか『経費負担の有無』ってなんだ? タダでも食えるけど負担した方がいいよ? って事か? まあ、それをするとクール期間が短くなるらしいけど…………。どっちが良いのか分からないな。
いや、ガチャ食材があるから食材の負担は問題なく出来るとは思う。でもさ、それを神様に負担して貰うって事は、神様の世界の食材を食えるって事だろ。正直、凄く興味があるんだけど、神様の世界にある食材。
「…………うーーん、でもクール期間が最大で二年間ってのはキツイな。いやでも、人数を四人に絞れば…………。いや、クラン持ってんのに四人だけで使うってのも問題があるよな?」
…………いやちょっと待てチガウ。俺は今日はこんな事をしてられないんだよ。
心の中で自分にツッコミを入れて、俺は『料理神『ルカタルト』のリストランテ』をスキル倉庫に仕舞った。
「取り敢えず、わからん物は保留だ。俺はガチャを回さないといけないんだから」
そっから俺は再び無心になり、ガチャを回し続けた。
結局、食品ガチャを三万回もまわしたのに、出て来た☆5は一個だけ。相変わらず俺のスキルのガチャは渋過ぎて嫌になる。
三万回だぞ? せめて二つは出て来いよ、☆5。
まあでも、まだチャンスはある。まだ生活ガチャを七千回も回さなきゃいけないからな。もう一個くらい出るさ。いや、確率的には出ないとおかしい。
そんな風に考えながら、俺は生活ガチャを回し始めた。
今回は、言わばゲンゴウの所に卸す商品の仕入れだからな。いっぱい出て欲しいのは、ティッシュやトイレットペーパー、石鹸にシャンプーに洗剤などといった消耗品だ。
…………しかし、生活ガチャはとにかく種類が多い。トイレットペーパーひとつ取っても、シングルにダブルに香り付きと、様々な種類があるからな。
逆に困るのは☆4のアイテム、それも船とかヘリコプターとかだ。理由は簡単、操縦出来ないからだ。
前に『戦闘機』が出てきた事があったが、あれ見てみたんだよ。いや、まんま戦闘機が出てきましたよ。
もうね、まず乗り方がわからんのよ。ハッチをどう開くの? と言う疑問以前に、そもそも何処にどう足をかけて、よじ登るのか? という疑問があった。まず翼で懸垂でもしてよじ登るのか? とか本気で悩んだもの。
最終的には、戦闘機について書かれているガチャ書籍を読んだよね。それによると、簡易的な梯子も内蔵されていたのだが、基本は外から専用の梯子を掛けるらしい。いや、分かるかよそんなん。
で、いちおう乗ってもみた訳だが、中は計器やスイッチが多数あるし、そもそも2人乗りだしと、何処をどうするのかサッパリだった。それに、間違ってミサイルとか撃っても怖いから、すぐに降りたよね。
…………気がつけばどんどん思考が脇に逸れていく。いや、どうせ無心で回しているから良いんだけどさ。
そんな風に回し続け、☆4からついに! 俺の失われた愛車である『ランブルクルーザー』が出てきて、立ち上がって大きくガッツポーズしたりしていた。
そんなこんなで回し続け、生活ガチャが四千回を越えてしばらく経った頃に、それは来た。10連ガチャから出てきたカプセルの一つが、虹色に輝いていたのだ。
「…………ついに来たな。まぁ来るよね、こんだけ回しているんだから、いくら万分の一でもそりゃ来るよ」
俺は息をついて、虹色に輝くカプセルをタップした。
☆5はいつも予想の斜め上をいくからな。今回はいったい何が出てくるやら。まあ、何が出てきてもブッ壊れ性能なのは変わらないけど…………って、アレ?
俺がタップした虹色のカプセルは、画面の真ん中へとクローズアップされたあと、いつものようには割れずに、ブルブルと震え出した。
やがてそれはバチバチと放電を始め、それはだんだんと大きく激しくなっていき…………って!? この演出は!!??
「おいおいおいおい!? マジか!? マジできたのか!!??」
俺が激しく動揺する中で、画面がブツンッ! とブラックアウトする。
そして訪れた静寂の後には、画面の中央から光が溢れ出し、その中心部から破裂した虹色のカプセルを纏った渦巻く球体が稲妻を纏って現れた。
「……………………」
……………………やっちゃった。…………出ちゃったよクラッシュレア。それも☆5のクラッシュレア。…………億分の一のクラッシュレア…………!!
いったいどんなトンデモアイテムが出て来るのか想像もつかないが、俺はしばらくの間、放心状態で画面の中の壊れたカプセルを眺め続けた。