軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

123回目 トルテの謝罪

「助けて頂き、本当にありがとうございます! どうしようも無い状況だったので、本当に助かりました!!」

「ありがとうございます…………!」

「食料もアイテムも尽きかけていたから、助かりました!」

トルテの兄貴のパーティー『ノーバスナイト』の三人が、俺達に向けてしっかりと頭を下げて礼を言って来た。

取り敢えず情報は必要なのでザッパに事の経緯を聞いてみる。

ザッパ達『ノーバスナイト』は、定期的に受けている共同墓地の清掃・管理の依頼を受けて、地下墓所で仕事をしていた。その最中に、急に壁や床が動き始めて混乱しながらも逃げ回っている内に、気がついた時にはアンデッドに囲まれていたらしい。

その場は何とか逃げる事に成功したものの、すぐに他のアンデッドに見つかり、長い追いかけっこを経てもう逃げられなくなり、仲間の魔法使いであるブームンが作り出した岩の柱の内側に隠れて、何とか生き延びていた。

運が良かったのは、食料やアイテムの補充をしたばかりだった事だ。そのおかげで携帯食料やレイス避けのお香などのアイテムが十分にあり、それを節約しながら使う事でなんとか持たせていた。と、ザッパは語った。

携帯食料にレイス避けのお香か。確かゲンゴウの経営するタカーゲ商会を見て回っている時に見たな。携帯食料は雑穀を固めた粘土みたいなやつで、レイス避けのお香は緑色でとぐろを巻くみたいにグルグル巻きにされた、小さなピラミッドみたいなお香だった。

使う時は一番天辺に火を点けて使う物で、お香の煙が上がっている間はレイスが近づけなくなる便利アイテムだ。ちなみに途中で火を消せば、お香が残っている限り何回でも使えるらしい。

ザッパ達は、岩の柱を並べた内側でモンスターを凌いでいたのだが、スケルトンやゾンビは入れなくてもレイスは入れた。なので交代でレイスと戦いつつ休憩を取っていたのだが、やはりそれにも限界はある。

そんな時には、レイス避けのお香を炊いて凌いでいたようだ。携帯食料はともかく、お香は便利そうだな。今度ひとつ買ってみよう。

「ガモン様。話を聞くのも大切ですが、まずは休ませてあげませんか?」

「ああ、そうだな。本当ならちゃんとした食事を取らせたい所だけど、時間も限られているからな。悪いけどカップラーメンで我慢してくれ」

「は、はぁ。…………え、あの、カップ? って言うのは…………?」

俺はスキルの倉庫から適当なカップラーメンと、幾つかの☆3『電気ケトル』、それとミネラルウォーターを数本出した。ちなみに電気ケトルは、『電気』とは書いてあるが魔力で動く仕様である。

そしてミネラルウォーターをケトルに入れてスイッチを押すと、ほんの少しだけ魔力が抜かれる感覚があって、ケトルがお湯を沸かし始めた。

お湯が沸くまでの間、俺はテーブルや椅子を出したり菓子パンや飲み物を出したりしていたのだが。

「…………トルテ、ちょっとお湯入れるの手伝ってくれ」

「お、おう。わかった」

…………なんだか目の端で、トルテがウロチョロしているのが見える。何となくその理由を察した俺はトルテを手伝いに呼び、準備が出来たカップラーメンにお湯を入れさせた。

「……………………」

「……………………」

「…………な、なぁガモン」

「うん?」

「…………あ、ありがとうな、兄ちゃん達を助けてくれて。それと、…………ゴメン」

「礼は受け取ったけど、なんの謝罪だ?」

俺が突っ込むと、トルテは少し呻いてから俺の側に来て頭を下げた。

「その、イライラしたりとか考え無しに突っ込んで行ったりとか、…………色々迷惑かけたから…………さ」

「…………まあ、そりゃ自覚もあるか。お前の気持ちも察してはいたけど、確かにちょっとアレだったよな」

「う…………。ゴメン」

「俺はいいよ、それで。ただ、お前が不用意に突っ込む度にシエラとかバルタがフォローに動いてたからな、二人にも…………と言うか、皆にもしっかり礼を言って謝っとけよ」

「わ、わかった」

まあ、トルテも頭では解っていても自分を抑えられなかったんだろうな。その気持ちは理解できていたけどな。

その後、トルテが仲間の所に謝りに行ったのを見たからか、ザッパが手伝いを申し出てくれたので、お湯を入れる役をやって貰った。こういうフォローが出来る所が、やっぱり兄ちゃんである。

数分待ってからカップラーメンを勧めると、ザッパ達は始めて食べるカップラーメンに戸惑いつつも、久々の温かい食事に喜んでいた。

「ところでさ、お前達の他にもう一組がこのダンジョンに囚われているらしいんだけど、何か知ってるか?」

「…………!! サナ達ですね。やっぱりアイツらも巻き込まれているのか…………!」

ザッパ達の情報で、この地下墓所ダンジョンに囚われているもう一組の冒険者が判明した。

それはサナ・リナ・アナの三人からなる女性だけの冒険者パーティー、『サリアナイト』の三人だそうだ。

女性だけの冒険者パーティーか。ストーリー・サブクエストの期日だと今日を含めて二日あるが、今日中には助け出してやらないとな。

なんせ俺達には、スタンピードが起きる前にこのダンジョンを潰すっていう、本命の緊急クエストも丸々残っているからな。