軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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往路では気づかなかったけど復路で気づいたことを少々。

夏が深まったせいか、街路樹のありがたみを強く感じた。

特に太陽が真上に来る正午近くはありがたい。

この道沿いの木を切るなんてどっかの役所が決めたら反対運動を起こすくらいにはありがたい。

この世界の夏は日本と比べると湿度が低いので影に入るだけでスッと涼しくなるのだ。

太陽光は容赦なくキツいのでずっと日向だったら俺もフルミネも汗だくだったに違いない。

都市ごとの区間によっては木がまばら過ぎるところがあり、そういう地域だと他の旅人とお昼休憩の木陰の取り合いになった。

俺の生まれ育った前世の街だと、やたらと太い木が植ってる道路とか用水路があったんだけど、それって歴史のある道と用水路がそうだったって事だよな多分。

今更気づいたぜ。

年は取ってみるもんだな。

様々な気付きがある。

あと、今更ついでに思い出したけど時計が欲しい。

五十分進んで十分休憩ってのがかなり適当にしかできない。

往路ではとにかく安全を優先してたので気にならなかったのだけど、慣れとは恐ろしいもので襲われたら返り討ちにすれば良いのでは、というマインドになってきている。

それよりも効率よく距離を稼いで早く帰りたい。

往路では二十日間の道のりを十八日で踏破したのだからもう二日くらい短縮できる気がする。

だって、これも今更気づいたのだけど、フルミネは体力がかなりあるらしく、よその馬がへばって辛そうにしてる時もいつも平然としているのだ。

フルミネが走りたそうにしていた時に試しに駈歩をさせてみたら俺が手綱を引くまでずっと走っていたくらいだ。

駈歩だと逆に俺が辛いのだが、確実に距離は稼げるだろう。

並足や速歩の時は馬の背はそんなに大きく揺れないのだが、駈歩になった途端に大きく上下に揺れる事になる。

王子なんかは軽く仰け反るような姿勢で下からの突き上げをいなしているようなのだが、真似してみると鐙から足が浮く感じがして怖い。

逆に前傾にして腰を浮かせるようにすると突き上げは喰らわないのだが、これは空気椅子をしているようなものなので短時間しかできない。

きっと長時間駈歩をする為のテクニックがあるのだろうが残念な事に俺は習っていない。

自分で見つけ出すしかないのだろう。

あまり走らせ過ぎてフルミネの負担になるのも怖いから時間を計りたい。

だから時計が欲しいのだ。

今まではペース配分は時計を持っているロレンツォに任せていたので俺は奴に任せ切ってぼけーっとしていたのだがもう少しフルミネの様子を観察しておけば良かった。

全てをフルミネ任せにすると怠けているのか気合いが入り過ぎているのか判断できないのだ。

せっかく時計の産地であるポリオリにいたのに値段すら知らないとは間抜けもいいところだ。

王都で買ったら中間マージンがモリモリに乗るんだろうな。

あと精霊についてだけど、ゲオルグはあんまり精霊に質問しない方がいいって言ってたけどもやっぱり気になるので色々実験してみた。

やはり難しい知識や記憶に頼るような質問には答えられない。

どこかのデータベースに繋がっている訳ではないらしい。

つまりこの世の覇者になる夢は潰えた。

まあ、それはいいんだけどさ。

どうやら精霊は短期的なお願いを叶えることに特化した存在らしい。

より多く集まれば知能が生まれるとかだったらロマンだったのだが、そういう事でもないらしい。

俺としては肩乗りマスコットとして俺の補佐のような事をしてくれると最高だったのだけどな。

ほら、ファンタジー作品といえば補助マスコットとか使い魔みたいなトコあんじゃん?

そうでもないか。

とにかく、精霊については今まで使ってきたやり方の延長線上の使い方しかやりようがなさそうだって事だ。

大切なのは明確なイメージを伝えること。

明確なイメージといえば、たった二週間だったけどゲオルグたちに鍛えられたのはとても良い経験になったな。

外科手術による治療魔術はもちろん、俺としては鳥を獲る魔術、つまり衝撃波の魔術の習得はデカい収穫だった。

明確なイメージを持つ為の弓矢の練習であんなに変わるとは思ってなかった。

もっと居たかった気もするが、あんまり長居しても仕方なかった気もする。

いつかまた行ける日を楽しみにしよう。