軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

783話 大雪島

「ぷはー! 空気が美味いぜ!」

まあ、水中でも呼吸できてたけど、気分の問題がね? やっぱ、陸上が一番だよ。まだ洞窟の中だから、全然地上感はないけど。

「さて、ここからどこに繋がっているのか……。みんな、先へ進むぞ。リックとクママは先頭を頼む」

「キキュ!」

「クックマ!」

索敵担当のリックと、前衛のクママを先頭に、俺たちは洞窟を進んだ。

敵に代わり映えはなく、スノウスライムなどとの数度の戦闘を経て、ようやく洞窟の出口が見えてきた。

ようやく太陽の光が浴びられる! そう思って出口へと急いだんだが……。

「うーん。太陽見えんな」

「ヒヒン」

「ラー」

俺の隣にいるキャロや、その背中にしがみ付いているアコラと共に入り口から空を見上げる。そこには分厚い雲が立ち込め、太陽の光を遮っていた。

また、雪も強めに降っており、晴天には程遠い天気だ。吹雪寸前って感じ?

「さて、雪のせいで全然視界が確保できんが、ここはどこだろうな?」

「ヤー」

足元の雪はかなり深く、俺の膝上くらいまである。リックなんて雪の上に飛び降りたら、かなり深く埋もれてしまったのだ。

ペルカとアコラも危ないが、ペルカは雪の上を滑ることができるし、アコラは俺の背中にいれば大丈夫だからね。

いや、リックも俺やキャロの背中に乗れば問題ないんだが、調子に乗って飛び込んでズボッといったのだ。

雪に頭から突き刺さってジタバタしているリスとか、アニメでしか見たことないぞ?

「ほれ」

「キキュー」

「ふぃー、危なかったぜーじゃないんだよ。もう少し慎重に行動しなさい」

「キュ!」

返事だけはいいんだから!

「うーむ。地図では、内海のさらに中央部分みたいだ」

地図の縮尺を変えてみると、俺たちはコの字型の北の島の、ほぼ中心部にいた。流氷に覆われた海だと思っていたら、島が存在していたようだ。

大雪のせいで全然見えていなかった。

「とりあえず周囲を歩き回ってみよう」

「キュ!」

「リックはキャロの上だ」

「キュー」

「ヒヒン」

リックのやつ、キャロに指示を出して採取ポイントに移動しているな。まあ、俺は自力で歩けばいいか。こんないかにも重要そうな場所で、リックの採取が機能しない方が損だし。

「キュ!」

「ヒン!」

「お? どうした?」

リックだけじゃなくてキャロも喜んでるか? どうやらいいアイテムを発見したらしい。インベントリを確認すると、フロストベリーが入っていた。

確かにこれは良い発見だ!

「リック! もっと探そう!」

「キュ!」

ただ、ここでもフロストベリーは珍しいらしく。なかなかゲットすることができなかった。本当にレアなんだろう。

まずフロストベリーの木がほとんどなく、あったとしても実が手に入るとも限らない。実、枝、樹皮、葉のどれが手に入るか分からないのだ。

そうして深い雪の中を歩き回っていると、段々と風が強くなってきた。というか、吹雪いてきた。

視界が白に覆われ、風で体の動きが阻害される。まさか、ゲーム内で遭難しかけるとは思わなかったぜ。

仕方なく、吹雪が収まるまで洞窟へと避難しようと、きた道を引き返したんだが――。

「あれ? 止んだな」

「ヤー?」

明らかに吹雪が弱まっている。さっきまで俺が掴んでいなきゃどっかに行ってしまいそうだったファウが、自力で飛べているのだ。

そのままさらに100メートルほど戻ると、洞窟から外に出た時と同じ程度まで天気が回復していた。いや、まだ大雪なんだけど、吹雪よりは全然マシだし。

「まあ、吹雪が止んだならいいや。突発的に天候が変わるってことかね? 戦闘中だったらかなり危険だよな?」

「ヤー」

なんて話をしていたら、再び吹雪いてきた。そして、また引き返すと、すぐに吹雪が止む。

何度か繰り返せば、さすがに理解できた。

「この先、常に吹雪に包まれたエリアがあるってことね」

「ヤー……」

ファウが心底嫌そうな顔だ。まあ、吹雪とは相性が最悪だからね。だが、進まぬわけにはいかない。

「こうなったら、無理やりにでも進むぞ」

「キキュー!」

「ラー!」

リックとアコラはキャロにしがみ付いているだけだろ? なんでお前らが一番やる気なんだよ。

「キャロ、頼むぞ?」

「ヒン!」

そして、視界がほとんど利かない吹雪の中を、俺たちは一歩一歩進んでいった。継続ダメージがあるので、俺とルフレの回復は大活躍だ。

しかも、ここでも敵が出現した。吹雪なんて関係ない霊体モンスター、ホワイトレイスさんである。この島で一番の雑魚と思ってたが、ここで大活躍してくるとは……。

死に戻りは出なかったものの、相当消耗させられたね。それでも無理やり進み続けると、前方には巨大な影が見えた。

木々よりも遥かに背の高い、黒い影。一瞬、巨大なボスかと思って焦ったが、よくよく見ると影は微動だにしなかった。

「何かデッカイものがあるみたいだな」

「ヒヒン」

鬼が出るか蛇が出るか。いや、どっちも出てほしくないけどさ!