軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

657話 8週経ちました

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「さて、それじゃあ早速、農業ギルドにいくか」

「ムム!」

「クックマ!」

昨晩はログアウト前に、クママにどうしたいのか教えてもらったからね。

ログアウト中に畑の改造計画を練っていたので、作物の植え替えの順番はばっちりだ。

ハチミツにどんな変化が起きるのかは分からんが、クママがそうしたいというのであれば、やらねばなるまい。まあ、クママが何を言いたいのか理解するまで、メッチャ時間かかったけどね。

ただ、クママの理想通りに模様替えするには、ゲットした植え替え券では全く足りないらしい。かなりお金はかかるけど、情報を売ったばかりで手持ちは問題ないだろう。

今までは養蜂箱を1ヶ所に固めていたんだが、今回は畑全体に散らばらせる形になる。例えば、火属性の作物だけの畑を作り、その中央に養蜂箱を1つ置くのだ。

火属性、風属性、水属性、土属性は問題ない。ただ、聖属性だとちょっと微妙だ。一応、浄化草や神聖樹を1つの畑の中にまとめてはみたけど、そもそもこれらが聖属性なのかもわからなかった。

闇属性に至っては、存在していないので無理である。

まあ、とりあえず基本4属性でどんな変化があるのか確認しよう。

まだクママがゲットした蜂の王の効果も出ていないし、どんなハチミツが採れるようになるのか楽しみだ。

「見栄えもよくなったな」

「ムム!」

「――♪」

「クマー」

今までは樹木、果樹、草という感じで大雑把にまとめていたが、今回は一部の作物を属性でまとめたからね。

適当にやると、樹木が乱雑に点在することになってしまうので、オルトやサクラと相談しながらスタイリッシュにまとめてみたのだ。

中央に養蜂箱を置き、囲むように樹を配置。その周囲に花の咲く草を植え替えた。適当に並べるよりは、綺麗だろう。

オルトとサクラは満足げだし、部屋の模様替えをする感じで俺も楽しかった。

「今日はどうしようかね? わんぱくイベントを探すか?」

「――!」

「おう? どうしたサクラ?」

サクラが何かアピールしているな。なんだ? バンザーイ? アリッサさんのレッサーパンダの構えに影響されたのか? 違う?

「でっかい何か?」

「――!」

「正解。えーっと、デカくて高い……? あ! 神聖樹!」

「――……」

「違った? え? おしい感じ?」

神聖樹に近くて、サクラに関係してるもの?

「ああ! 水臨大樹のことか!」

「――♪」

「精霊様のところに行けってことね」

今日は、水臨大樹の精霊の祭壇が開放されている日だ。夜にでも訪問するつもりだったが、サクラは早く精霊様に会いたいみたいだし、このあと行ってみるか。

ということで、日課を全て終わらせた俺たちは、そのまま地下祭壇へとやってきた。毎週きているが、相変わらずここは神聖な雰囲気がビンビンだぜ。

「よくきましたね」

「――!」

「うふふ」

サクラと水臨大樹の精霊様が触れ合っている中、俺の前にウィンドウが現れる。

「供え物をするか……?」

ああ! もう8週経ってたのか!

精霊様へとお供え物をするには、前回から8週経過する必要があると言われていた。すっかり忘れていたけど、今回の木の日が8週後ってことだったらしい。

「うわー、どうしよう」

今日お供えできる日だって分かってたら、それ用にアイテムを用意してきたのに。

「うーん。前回は、高級肥料をお供えして水臨樹の果実を貰ったんだよな」

今は、前回よりもさらにレア度が高いアイテムが揃っている。何を捧げてもいい物は貰えそうなんだが……。

「何にしようか」

「――?」

「おっと、サクラか。もういいのか?」

「――♪」

俺が悩んでいる間に、精霊様との触れ合いが終了したらしい。サクラは興味深げにウィンドウを覗き込んでいる。

「何がいいと思う?」

「――?」

サクラも、どれを選べばいいか分からないか。ただ、その可愛いキョトン顔を見ていて、あることを思いついた。

画面を下へとスクロールしていくと、目当てのアイテムがあった。

「樹精の若葉だ!」

これは、サクラがスキルによって定期的に生み出してくれるようになった、素材の1つだった。その中でも、樹精の若葉は一番レアな素材である。

貴重過ぎて、まだ詳しい検証もできていなかった。ポーションとかに混ぜると品質が上がるのは分かっているんだがな。

娘が生み出した素材だし、成長も見てもらえる。何も分からないんだったら、水臨大樹の精霊様が少しでも喜びそうなアイテムを捧げておこう。

「じゃ、これを選ぶぞ?」

「――!」

そうしてお供え物を選択すると、精霊様がニコリと微笑んだ。

「あなたはしっかりと我が娘を育てているようですね。これを受け取りなさい」

お? いい反応なんじゃないか?

精霊様に手渡されたのは、キラキラと光る緑色の宝石だった。『水臨大樹の輝き』という肥料アイテムとなっている。

え? これ肥料なの? しかし、サクラが大喜びだ。

「――!」

いつもはおしとやかなサクラが、飛び跳ねてはしゃいでいる。きっといい物なのだろう。畑に戻ったら、サクラの本体に使ってみるか。