軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

656話 わんぱく邸と早耳猫

WPの確認を終えた俺は、カルロたちとの合流地点へと戻ってきていた。

既に他のメンバーは戻ってきているようだ。

「あ、白銀さーん! どうでした?」

「そっちは?」

俺の問いに、早耳猫の三人が首を横に振る。

「ダメダメ。何も発見できずです」

「こっちも成果なしじゃ」

「私もですー。ベンチでずっとボーッとしてたんですけどねぇ」

カルロもルインもメイプルも、新たな発見はできなかったらしい。

「ふふふのふ」

「そ、その不敵な笑みは! もしかして何か発見したのか! 白銀さん!」

「な、なんじゃってぇ!」

ルインとカルロはノリがいいね! メイプルのジト目も、それはそれでいいよ!

「ふははは! 聞くがいい!」

「あー、ちょっと待ってください。ここだとアレなんで、場所変えましょー」

「ああ、そうっすね」

ジト目というか、鋭い目つきのメイプルに止められてしまった。でも、確かに往来で話すようなことじゃなかったね。

明らかにこっちに聞き耳立てている人とかいるもん。

早耳猫の3人は有名プレイヤーだから、目立っているのだろう。まあ、うちの子たちもワチャワチャしてるから、余計にね。

メイプルの案内で、喫茶店の個室に入る。早耳猫はどんな町に行っても、まず最初に内緒話ができる施設を探すらしい。さすが、情報屋の鑑だね。

「それでー、何を見つけたんですかぁ?」

「えーっとだな、最初は猫を見つけたんだ。で、その猫をペルカが追いかけ始めて」

「ペペン!」

「それから――」

テーブルに顎乗せ状態でぶら下がるドヤ顔ペルカを撫でつつ、公園を出た後の動きを説明していく。

そして、WPでわんぱくテイマーの秘伝書を交換可能だというところまで語ると、メイプルが頭を抱えながら悲鳴を上げた。

「ふぇぇぇぇ! やっぱアリッサちゃん呼ぶべきだったぁ!」

「うぉ!」

そういえば、メイプルもいい悲鳴を持ってるんだった。忘れてたよ。でも、なんで仲間のルインたちまで耳押さえて驚いてるんだ?

カルロのコウモリやネズミも、慌てて主のマントの中に隠れてしまったのだ。

「えーっと……?」

「ごめんなさい。ちょっと取り乱してしまいましたー」

「あ、ああ」

その後、わんぱく邸を再度出現させるため、彼らを連れて町を歩き回った。のんびり庵と違っていまいち出現条件が分かっていないので、俺たちが通ったルートをそのままなぞる。

どうやら、あの猫が目印だったらしい。大通りに向かうと、頻繁に猫たちが出現するのだ。数匹の猫が、同じルートを歩いているようだった。

それでも、最初は何も起こらない。だが、再度トライすると、ワンさんが登場してくれた。

メイプルの考察によると、速度が重要なのではないかということだった。

メイプルたちを連れて歩いた時、初回は慣れない場所だったので少し遅かったからね。わんぱく邸なだけあって、わんぱくな速度じゃないといけないらしい。

「それで、報酬なんですが――」

即金では払えないということで、一部をお金で貰って、残りは目録でということになったのだった。まあ、いつも通りだよね。

今すぐほしい物とかはないし、ゆっくり決めよう。神の試練で捧げる用の素材が気にはなるけど、自力でどうにかなるだろうしな。

そんなことを思っていたら、モンスたちがあれこれと欲しがるのだ。

どうも、前回ファウとメルムが口キャッチを選んだことを知っているようだ。モンス同士で情報共有ちゃんとしてるんだね。

で、オルトたちも目録を見たがり始めたのである。

もう仕方ないから、モンスたち全員と妖怪たちに、欲しい物を好きなだけ選ばせることにした。

メイプルたちと分かれてホームに戻った俺は、モンスたちと目録をめくっていく。モンスによって、欲しがるものが大分違っていて面白いのだ。

「オルトが選んだのは、如雨露か?」

「ムム!」

銀色の金属で作られた、豪華で煌びやかな如雨露だ。細部にまで綺麗な蔦模様が彫られており、持ち手には緑色の宝石があしらわれている。

見るからに魔道具っぽいが、特殊な効果はないらしい。ただただ美しいだけのようだ。まあ、オルトがご満悦だからそれでいいけど。

「サクラは、苗木か」

「――♪」

神聖樹の苗木だった。リリスが分離した神聖樹はしっかり育っているし、あれから2本ほどオークションなどで発見しては購入してある。まあ、あって困るもんじゃないから、問題はないけどさ。

「リックは、木の実の詰め合わせね」

「キュ!」

さすがリック。ブレない。木の実が大量に入った詰め合わせボックスを選んでいた。

他の子たちも、置物や食べ物など、それぞれが気に入った物を選んでいく。

「クママは、なんだ? 植え替えチケット?」

「クマ!」

クママが選んだのは、10枚綴りのチケットだ。これを畑で使うと、作物の植え替えをタダで行えるらしい。

「何か、場所を移したい作物があるのか?」

「クマ!」

「養蜂箱に関係してるのか?」

「クマー」

色々と質問をしてみると、どうやら採取されるハチミツの品質を上げるために、植え替えが必要であるらしい。

リアルだと、巣箱の周囲に特定の花だけを植えて一種類の蜜だけを採取させたりもしていたはずだ。

クママにそんな感じのことがやりたいのかと聞くと、本当にそうだったらしい。

「クックマ!」

何度も頷いている。

「うーん、久々に畑を弄るか」