軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

611話 集うレイドメンバー

午後。俺はアカリと落ち合って、黄都の冒険者ギルドへと向かった。

指定された会議室へ入ると、コクテンたちが出迎えてくれる。彼のパーティメンバーとも、もう顔見知りだな。

気軽に手を振り合える程度には気安くなっているし、セキショウとは即売会に一緒にいった仲なのだ。

「ユートさん、全員揃ってますよ」

「おう。ほとんど顔見知りだなぁ」

ギルドの会議室に、今回のレイド戦に参加するプレイヤーが集まり、ワイワイと楽し気に交流している。

「白銀さん! 呼んでくれてありがとう!」

「くくく……感謝感激」

「ありがとうございます!」

「いや、3人を呼ぼうって決めたのはコクテンだからさ」

クルミたちが俺に頭を下げたのを皮切りに、他のプレイヤーたちも口々にお礼を言ってきた。招集したのはコクテンだけど、ボスを発見したのは俺たちだからだろう。

「妻にいい土産話を持って帰れるよう、頑張るでござるよ!」

「チョリーッス! レベルアップしたヨガの力をお見せするっすよ!」

「俺たちまで呼んでくれたこと、感謝する。全てをかけて、ボスを倒すと誓おう」

「僕もホランドも、絶対にお役に立って見せますから」

ムラカゲ、サッキュン、ホランド、ヒューイは意外と仲がいいらしい。みんな最前線を走っているんだし、顔見知りなんだろう。

ホランドとヒューイがやけにやる気って言うか、シリアスなんだけど? 忍者とチャラ男との対比が凄い。2人だけリアルファンタジーの住人のようだ。いや、死地に赴く勇者的なロールプレイなのかもね。

「あー! 白銀さんニャ! あちしと一緒に頑張るニャ!」

「猫はいいもの……。ニャー」

ニャムンちゃんとKTKが並んでいる。ここも知り合いだったらしい。相変わらずうるさいニャムンちゃんと、無表情キャラのKTK。

しかも、ニャムンちゃんもKTKも、超時空要塞系のあだ名で呼ばれていたはずだ。身軽で敵の攻撃を躱しまくるという点も似ているし、案外気が合うのかもしれない。

特にKTKがニャムンちゃんを見る目には、妙な熱がある気がする。猫好きなんだろうか?

「ユートさん、さっきぶりですね」

「クママちゃんがいない……」

「白銀さん! 無人販売所に毒料理出されちゃってましたよ! 事故起きてます!」

「生産者でもやれるってところを見せてやろうぜ」

ソーヤ君、アシハナ、ふーか、スケガワの生産職組は、隅の方で和気あいあいと交流している。ガチ戦闘勢には混ざりにくいのかもしれない。

にしても、ふーか、なんて言った?

「え? 毒料理?」

「そうですよ! 午前中に作った、毒入りのやつ! 食べて死にかけたんですから!」

「鑑定すれば毒ってわかるだろ。ていうか、一緒に作ったやつだろ!」

「美味しそうだったから思わず……」

料理人の性か、単なる食いしん坊か。いや、そうじゃない。

「俺、毒料理は売ってないはずだけど……」

「無人販売所に、たーくさん出品されてましたよ?」

「え?」

あー! しまった!

いつもの感覚で、普通に倉庫に仕舞ってしまった。今回使うつもりの完成品たちはインベントリに入れてあるから、問題はないんだけどさ。

うちの場合、生産の練習に使ったアイテムを適当に倉庫に突っ込んでおくと、マモリが無人販売所に出品してくれる。

どうしてこんなものが売れるんだって首をかしげたくなるようなアイテムも意外に売れるため、最近では自分で使うものと、納品目的以外の生産品はガンガン倉庫に突っ込んじゃってたんだよね。

生産品をとりあえず倉庫に入れてしまうクセが付いちゃってるな。

「しかもあれ、結構高かっただろ?」

「うん。でも、白銀さんの新作、試さずにはいられませんでした」

新作って言うか、一緒に作った料理だけどな!

「でも、毒が入っていても美味しかったし、あれならきっとボスも食べたくなるよ!」

「ああ、そう」

まあ、本人が納得しているならいいか。

「ユート君。今回はお誘いありがとう」

「こちらこそ、よろしくな。頼りにしてるから。で、そちらがジークが推薦したいっていう騎士さん?」

ジークフリードの横に、ジークフリードとは全く違う雰囲気のプレイヤーが立っていた。ジークフリードを聖騎士とか白騎士と呼ぶなら、こっちの人は暗黒騎士かな?

このゲームでは当たり前なんだけど、その容姿は非常に整っている。この人は特にかっこいいけどね。

ほんの少しだけ紫がかった白い長髪を、後ろでゆったりと纏めた髪型は一見女性っぽくもあった。あれだ、竜の冒険6のミレ〇ユっぽい髪形である。

白い肌に赤い眼とか、狙い過ぎだろって思わなくもないけど、非常によく似合っていた。

装備品は、漆黒の金属鎧だ。あまりゴツさは感じず、優美な曲線のおかげでどこか柔らかささえ感じさせる。

「ぬふふ。騎士のレーと申します。お見知りおきを」

「お、おお。俺はユートだ。よろしく」

手を大げさに胸に当て、優雅に腰を折るレー。どうやら、ロールプレイガチ勢っぽいな。暗黒騎士ロール? だとしたら、裏切ったりしないよね? だって、暗黒騎士でレーって、ジル・ド・レーから取ってるじゃん?

元ネタ重視だったら、メッチャヤバそうなんですけど。

「今回呼んでいただいただけではなく、白銀さんには馬の強化方法も発見していただきましたから。感謝しているのですよ?」

「あー、そっちもあったか」

「ええ。私だけではなく、騎士は全員感謝していますので、何かお困りのことがありましたら是非お呼びください。我ら馳せ参じますので」

そう言って笑うレーなのだが、信じていいの? 笑顔が凄い胡散臭いんだけど、これもロールプレイの一環? それとも、裏で陰謀を企んじゃう系の人?

「ユート君。彼は少し変わっているけど、悪い奴じゃないんだ。よろしく頼むよ」

「え? ああ、わかったよ」

「よろしくお願いいたしますね? 白銀さん」

「よろしく……」

「ぬふふふ」

やっぱ信用できなーい!