軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

535話 リリス進化

「それじゃあ、今日もよろしくおねがいしますね」

「ああ。よろしくなカルロ」

赤都に到着した翌日の早朝。

俺は早耳猫のメンバーと合流して、出発しようとしていた。畑に現れた向こうのメンバーは昨日と少し変わっていて、カルロとその従魔3体、ルインは同じなのだが、アリッサさんの代わりに剣士風の男が一緒だ。

「久しぶり~。早耳猫のクランマスターやってます、ハイウッドでーす」

「あー、よろしく」

そう言えば、以前にも自己紹介されたっけな。イケメン金髪エルフのハイウッドだ。軽薄な感じが、スケガワやサッキュンに通ずるものがあるよね。

ほとんど絡んだことはないけど、このタイプなら緊張せずに済みそうだ。

アリッサさんはリアルの都合で今日はこられないらしい。最初に昨日の情報を売るつもりだったけど、アリッサさんがいないなら後でまとめてって形でいいかな?

ハイウッドもルインもカルロも検証メインで、情報売買の担当じゃなかったはずだし。

「じゃあ、早速行きますか! 今日は緑都と青都に到達する予定だしねぇ」

「午前に緑、午後に青ってことか?」

「そうそう。準備も万端だから、そうそう予想外のトラブルなんかは起きないと思うよ?」

なんだろう。フラグってやつ? 大丈夫なのか?

まあ、ハイウッドは相当強い有名プレイヤーらしいし、こいつがいてくれれば負けることはないだろう。

一番気を付けなきゃいけないのは、俺が油断して死に戻ることかな?

「それじゃあ、出発ー」

「おう!」

「ムムー!」

まずは北の第7エリアである森林の町を目指す。実は、まだ第9エリアにも到達できていなかったんだよね。

そこから、第8エリアの闇の森、第9エリアグリーンタウンを経由して、第10エリアだ。そこも、早耳猫が突破を手伝ってくれていた。

その道中については割愛しよう。早耳猫無双――というよりは、ハイウッド無双であった。

双剣と精霊魔術で、ほとんどの敵が瞬殺だったのである。おかげで、ボス戦で少し手伝う以外は、ほぼ遊びだった。採取に集中できたので、色々と手に入ったね。

これで道中の素材までもらえちゃうんだから、寄生プレイと言われても仕方がない。俺も、これに慣れないように気を付けよう。今回はあくまでも特別だからね。

午後も同じような状態で南のエリアを攻略し、1日で西以外の第10エリア到達に成功してしまっていた。

肝心の検証はというと、微妙な結果だ。結局、どちらのボスでも激レアドロップは出なかったのである。ただ、それは早耳猫も承知の上、この後でボス周回に付き合うことになっている。

それに、収穫はアイテムだけではない。みんなのレベルが上がったのだ。特に恩恵があったのは、リリスだろう。なんと、進化したのである。

それは青都手前のボス、大渦獣を倒した直後であった。

「デビビー!」

「おお! リリスが進化だ!」

「デビ!」

真ん丸なラクガキ目と、ギザギザ牙の生えた大きな口からは分かりづらいが、リリスが笑顔で喜んでいる。

「もしかして、悪魔ちゃんが進化?」

「ああ、ようやくだ」

「アリッサくんが戻ってきたら、ぜひ情報を売ってよ」

やはり、ここにいるメンバーでは情報の売り買いができないようだ。売る情報が溜まっていくな。

「進化先は3種類か」

「デビ!」

通常の進化先と思われる2つに、ユニーク進化先が1つだ。

通常進化は、物理攻撃特化か、魔術攻撃特化かの違いであるらしい。

名前:リリス 種族:ミニデビ 基礎Lv25

契約者:ユート

HP:98/98 MP:99/99

腕力23 体力18 敏捷21

器用11 知力22 精神17

スキル:吸収、幻術・上級、小悪魔の視線→悪魔の視線、樹木殺し、精神耐性、槍術・上級、飛行、闇魔術、夜目、魔力探知(15)、急所看破(25)、即死撃、未定

装備:小悪魔の三叉槍、小悪魔の装束、小悪魔の髪飾り

名前:リリス 種族:プチデビ 基礎Lv25

契約者:ユート

HP:94/94 MP:103/103

腕力21 体力16 敏捷21

器用11 知力26 精神17

スキル:吸収、幻術・上級、小悪魔の視線→悪魔の視線、樹木殺し、精神耐性、槍術、飛行、闇魔術・上級、夜目、魔力探知(15)、急所看破(25)、影魔術、未定

装備:小悪魔の三叉槍、小悪魔の装束、小悪魔の髪飾り

幻術・上級、悪魔の視線はデフォルトだ。あと、装備が子悪魔から小悪魔になっている。そして、ミニデビは槍術が上級になり、低確率で敵を殺す、即死撃。プチデビは闇魔術が上級で、影魔術というのを覚えるようだった。

闇魔術にも影を操る術はあったはずだが、それをもっと特化させた魔術かね?

未定の部分には、いくつかのスキルの中から好きな物を選べるようだ。

ミニデビは、突進撃や連続突きのような、槍系の技から。プチデビは、火魔術などの属性魔術から1つを選べる。

どちらにせよ、アタッカーとしては相当強化されるだろう。

そして、期待のユニーク進化先だが、こちらには無視できないスキルが表示されていた。

名前:リリス 種族:プリデビ 基礎Lv25

契約者:ユート

HP:92/92 MP:105/105

腕力20 体力16 敏捷20

器用11 知力27 精神18

スキル:吸収、幻術・上級、小悪魔の視線→悪魔の視線、樹木殺し、精神耐性、槍術、飛行、闇魔術・上級、夜目、魔力探知(15)、急所看破(25)、魅了の笑顔、闇呪術

装備:小悪魔の三叉槍、小悪魔の装束、小悪魔の髪飾り

プリデビ。プチデビと似ていて紛らわしいが、より魔術特化っぽい。

魅了の笑顔は、戦闘開始時に一定確率で敵を魅了するというスキルで、こちらも確率によってはかなり強いだろう。

問題はもう1つの方だ。なんと呪術が表示されている。

闇呪術。なんだろう。1文字違うだけなのに、樹呪術よりも禍々しさが半端ない。ヤバイ生贄を要求されそうだ。

だが、これを無視することはできんだろう。そもそもユニーク進化だし、元々このルートにするつもりだったしな。

「おいおい、呪術があるじゃねぇか」

「うえええぇぇ! さ、さすが白銀さん!」

進化先のデータを見せると、ルインたちが驚きの声をあげる。うんうん、いい反応をしてくれて嬉しいよ。

「それじゃあ、プリデビに進化だ!」

「デビー!」

リリスの体が光に包まれ、姿が――。

「あんま変わらんな」

「デビ?」

「いやいや、槍が凶悪になってるじゃん。それに、角もおっきくなってるし」

「まあ、そうなんだが、もっと悪魔っぽくなると思ってたんだよ」

今までの凶悪なぬいぐるみ姿とそう変わらない。ハイウッドが言った変化くらい? ああ、髪が少し長くなったかな?

「まあ、可愛いままだし、いいか」

「デビ!」