軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

528話 コレクターショップ

「デカいっすねぇ」

「一応、今のところ最大規模の町だからねぇ」

早耳猫のおかげで無事に赤都へと辿り着いた俺たちは、アリッサさんに案内されながら主要施設を回っていた。

各ギルドに、各種ショップ。広場や生産施設である。

始まりの町やレッドタウンも大きかったが、赤都はそれよりもさらに大きかった。

多分、今後の攻略拠点として、万単位のプレイヤーが利用することを見越しているんだろう。通りなども無駄に広いのだ。

「いやー、素材もたくさん仕入れたし、野菜の種も色々あって、きてよかったです」

「うんうん。喜んでもらえると、案内してきたかいがあったよ」

茜大根、紺レタス、紫春菊、赤ブロッコリー、山吹ゴボウという新野菜も手に入れることができた。ハーブも、ブラックチリペッパーや白唐辛子など、香辛料が各種揃っていたのだ。

以前、外国人プレイヤーのブランシュが唐辛子を探していたけど、第10エリアまでこなくちゃいけなかったんだな。

まあ、彼女は俺よりも強かったし、とっくに発見できていることだろう。

「あ、そこがコレクターショップだよ」

「おお! あそこが!」

赤都で訪れたかったお店ナンバー1! ずっと気になっていた場所である。

オシャレなこげ茶色の木材で組み上げられた、シックな木造の建物だ。イギリスとかの街角にある、ちょっと古めのパブっぽい感じ? いや、俺の完全な偏見だけどさ。

ワクワクしながら入ってみる。

だが、店内は想像とは全く違っていた。外観と同じような陳列ケースがたくさん並んでおり、そこに様々なアイテムが陳列されているのは予想通りだ。

ただ、店内には俺たちしかいなかった。

明らかに大量の客が入っていなくちゃおかしいんだが……。不動産屋さんなどと同じように、チーム別に分けられるタイプのショップであるようだった。

「いらっしゃいませ。コレクターの交換屋へようこそ」

「あ、はい」

「詳しい説明をお聞きになりますか?」

「お、お願いします」

受付にいた黒髪メイドさんがショップの説明をしてくれる。

ヤバイ、メイドさんだよ。こんな近くで見たのは初めてである。オールドタイプの清楚系メイドさんだ。スカートが長い。ブリムもいいね。

「ユートくん? 聞いてる?」

「え? ああ、聞いてます聞いてます!」

嘘です。メイドさんにテンション上がり過ぎて全然聞いてませんでした。

メイドさんに頭を下げて、もう一度同じ説明をしてもらう。心なしか、アリッサさんとメイドさんの視線に呆れの色が混ざっている気がする。くっ、失態だ! メイドさんが好きですみません!

その後、きっちり説明を聞きましたとも。これ以上好感度を下げたくないからね。

コレクターショップの概要は事前に聞いていた通りだが、いくつか新情報もゲットできていた。

今後、このお店で売買できるアイテムが変化していくらしい。以前は売れた物が売れないことや、ショップの販売アイテムが変更されることもあり得るそうだ。

例えば、今は売れるアイテムでも、そのうち買取拒否される可能性があるってことだろう。レアアイテムを売るか取っておくか、なかなか決断力が必要とされそうだった。

「俺のアイテムで売れそうなのはなんだろう?」

「こちら、売買品の一覧でございます」

「あ、そんなもんがあるんだ」

「はい。ただ、全てのアイテムが掲載されているわけではありません。オークションに出品されたことがあるアイテムや、所持者が一定数を超えたアイテムなどだけがリストアップされております」

つまり、まだ1人しか手に入れていないユニークアイテムなんかは載ってないってことかね?

リストを確認してみると、紋章を高額で売ることが可能だ。俺の持っている泡沫の紋章は載っていないが、違う紋章の名前があった。多分、そこまで変わりはしないだろう。

今なら50万Gで売れるらしい。まあ、アリッサさんは200万出してくれるらしいけど。

ただ、ここで売ったら絶対に損なのかといわれると、分からない。この店でアイテムを売った場合、特殊なポイントが付与されるのだ。

このポイントを消費すると、いろいろなレアアイテムに交換してもらえるのである。

交換品目を確認すると、サクラが作った炬燵の廉価版や、ヒムカの食器の廉価版なども置かれていた。

廉価版食器が10ポイント。炬燵は40ポイント必要である。炬燵は攻略でも使えるし、評価が高いらしい。

あと、マッツンさんの蘇生タバコの廉価版である、蘇生キャンディも売っていた。これを舐めながら戦っていれば、自動蘇生がかかるらしい。

キャンディ舐めながらって、結構戦いづらそうだよな。しかも、蘇生時にHP1っていうのも、中々辛い。それでも、ソロプレイヤーにとっては垂涎の品だろう。

必要ポイントは6本セット50ポイントである。

「この蘇生キャンディ、欲しい!」

「確かにそれいいわよねぇ。でも、50ポイントって結構高いわよ?」

そもそも、ポイントを稼ぐのが結構難しいそうだ。

俺の場合、紋章を売ったら100ポイントである。交換可能だ。ただ、紋章の貴重さを考えると、ここで交換する選択肢はないだろう。

他に売れるアイテムとなると、妖怪の掛軸がある。ただ、こちらは1つ5万Gで、5ポイントだった。

それに、まだ座敷童以外はどんな効果があるかも分かっていない。やはり、売りたくなかった。

「うーん。結構売れるもんがないなぁ」

「ユート様の所持アイテムに、リストに掲載のない売却可能アイテムがあります」

「え? なんですか?」

「大炎獣の剣牙です。これでしたら10万G。付与ポイントは10です」

「……なるほど」

「売らないでね!」

「わ、分かってますよ」

「一瞬、間があったんだけど?」

「き、気のせいですよ」

うむ! 残念だが、今回は冷やかしで帰ろう。そのうち、なにか売りにくるぞ!