軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

480話 和服でDancing

転移でホームに戻り、うちの子たちに甚平や作務衣を着せて楽しむ。庭で簡単なファッションショー状態である。とりあえず、一番似合っていそうなやつを選んでみた。

サクラは、桜の花びらがあしらわれた若葉色の浴衣だ。髪の毛を結い上げた姿が可愛すぎて、スクショが捗って仕方なかった。

いや、他の子たちも同じだけどね。

ルフレは白地に水色の水玉模様の浴衣で、清楚さが凄いことになっている。水の精霊の面目躍如って感じだった。

ファウは翅があるため、背中が大きく開いた花魁風の着物だ。ちびのクセに、こういう大人っぽい衣装も着こなせるなんて――ファウ! 恐ろしい子!

アイネは意表をついて深緑の甚平である。ザ・子供って感じだが、アイネには意外なほどに似合っていた。次は浴衣を着せてみよう。

リリスは、漆黒の浴衣が似合っている。デフォルメ系の姿なのに、色気みたいなものさえ漂っているから不思議だ。普段のレザー系の姿からは微塵も色気なんか感じないのにな。これぞ、浴衣マジックなんだろう。

男にとって、女子の浴衣というのはいつまでもドキドキしちゃうものなのだ。

オルト、ヒムカにはそれぞれの髪の色と同じ浴衣だ。浴衣を着て黙って立っていると、美少年モデルのようである。

ポーズなんか取っちゃって、本人たちも結構お気に入りであるらしい。オルトはクワを降ろせば完璧だな。

ドリモ、クママ、リック、ペルカは、濃紺地で、背中にそれぞれの動物のマークがあしらわれている甚平だ。

クママの場合は、シャケを取る熊のシルエットが。リックは頬袋を膨らませたリスで、ドリモは地面の穴から顔を出すモグラだ。

ペルカだけ、空を飛ぶペンギンだった。他の3匹はともかく、これは明らかにハイウェイ・ペンギンがモチーフだろう。

オレアには、灰色の作務衣だ。この渋い服が、オレアの木目調の肌に妙に似合っていてかっこよかった。

妖怪たちやマスコットにも、和服を着せることができた。まあ、シーツお化けのリンネとか、デフォルメチョウチョのオチヨあたりは、浴衣が似合ってるとは言い難い感じだけどね。

コカッパのタロウは、青い祭り法被が異様に似合っている。こんなご当地キャラいなかったっけ? そう思ってしまうレベルである。

マモリは真っ赤な浴衣が非常に愛らしい。普段から和服だからそんなに変わらないかと思ったんだけど、やっぱり違うもんだね。なんだろう。リンゴ飴を買ってあげたいね。

スネコスリやナッツなんかは、飼い主に無理やりペット用浴衣を着せられた、ちょっとかわいそうな小動物にしか見えなかった。本人たちは楽し気なんだけど、絵面がどうしてもそう見えてしまうのだ。

チャガマはねじり鉢巻きと青い法被を羽織っている。この状態で芸を披露すると、お祭り感が凄まじかった。

「それにしても、大型の恐竜やホオジロザメにも甚平を着せられるとは思わなかったぜ」

「ギャオ?」

俺の目の前には、黒い甚平を着込んだ巨大なティラノさんがいる。少し離れた場所にある泉では、ラッコの親子が仲良く水色の浴衣を着ているだろう。

ホオジロザメは背ビレが邪魔になりそうだと思っていたが、その部分が盛り上がって着込むことができた。脱がしても、背ビレの跡は付いていない。個体に合わせて変形するってことなんだろう。

唯一着せ替えできなかったのが、樹木だ。オレアの本体であるオリーブトレントと、サクラの本体である水臨樹。この2つには、流石に服を着せることはできないようだった。

和服はまだまだたくさんあるし、これからしばらくは着せ替えができそうだ。全員で法被とかにしたら、凄い事になるだろう。今から楽しみである。

すでに夜なんだが、灯は十分だ。ヒカリ苔玉を配置することで、周囲が幻想的に照らされている。サクラが暇な時に、少しずつ量産してくれていたらしい。

「ムムー!」

「ヒムー!」

「クックマー!」

いつの間にやらうちの子たちが庭で踊り始めた。音楽もかかっていないし、櫓だってないのに、何故か盆踊り風だ。

「ラランラ~♪」

「トリリリー!」

いや、今ファウが歌い出したな。盆踊り風ではないが、輪になって踊り出したくなるような軽快な音楽である。

意外な踊りの上手さを発揮しているのが、オレアである。パペット系に見えなくもないし、ふしぎなおどりが得意なのだろうか?

「――♪」

「フムー!」

「え? 俺もか?」

「デビー!」

みんなに手を引かれて、輪の中に連れ込まれてしまった。正直、あまり踊りは得意じゃないんだが……。

まあ、うちの子たちと適当にワチャワチャしてるだけで面白いからいいか。変な踊りだからって笑う奴もいないしね。

「あーいー!」

「スネネー!」

「よっ! ほっ!」

「ギャオン!」

「ガオ!」

ミニ恐竜マスコットたちも集まってきて、うちの庭は完全にダンスパーティー状態だ。皆で踊り狂う内に、だんだんテンションも上がってきたぞ!

「うははははは! 踊れ踊れー!」

「ポコー!」

チャガマもメッチャ踊りが上手いな! どこからともなく取り出した日の丸扇子を両手に持ち、軽快にダンシングだ。

「ギャァオ!」

「ガオオォォン!」

「お? おお! 恐竜たちも踊れるのか! すげー!」

ミニ恐竜たちの声にしては野太いと思ったら、デカイ恐竜たちが踊りに参加しようとしていた。その巨体を揺らしながら、大外でステップを踏んでいる。

意外に上手いな。どうやら他のモンスやマスコットの踊りを見て、覚えたらしい。学習能力が高いようだ。マジで恐竜に玉乗りくらいは仕込めちゃうかもしれん。

空ではプテラノドンが楽しそうに飛び回り、水場では浴衣を着たプレシオやサメや怪魚が飛び跳ねる。

いよいよカオスな雰囲気だ。外から見たらヤバい光景だろうが、幸い庭は覗けないし、騒ぎにはならないはずだ。

「キキュー!」

「こら、リック! 俺の頭の上で踊るな!」

「フーマーフーマー!」

「ア、アイネ! テンション上がったの分かるけど、肩車状態でそんなに暴れたら危ないってば!」

「ペペペーン!」

「手ぇ引っ張るなって! こける! こけるからぁぁ!」

「モグ」

「ドリモ~! 1人で休んでないで、助けてくれ!」