軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

308話 2月1日

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今日はゲーム内で2月の1日。第二陣がゲームを開始してからすでに4日経過している。

「さて、今日こそは第5エリアに到達して見せる! 頑張るぞ!」

「ムッムー!」

「ああ、すまん。オルトは今日は留守番な?」

「ム? ムー?」

「え? 僕っすか? みたいなノリをしてもだめ。昨日、酷い目にあったの忘れたのか?」

「ムー……」

南の町のフィールドダンジョン、地下水路を抜けた先にある第4エリアには、黄樹の谷底というフィールドが広がっている。そこは、伐採してもアイテムにならない、黄樹という木が縦横無尽に繁茂した、植物の迷路とも言えるフィールドだった。

俺たちは先日ここのエリアボスに挑み、見事死に戻っていたのだ。

エリアボスの名前はガルーダ。名前の通り、巨大な鳥のモンスターである。まず飛んでいることも厄介だが、それ以上にガルーダの羽がおこす風圧が恐ろしかった。なんと、その間はこちらの敏捷が大幅低下するうえ、継続ダメージが発生するのだ。

風属性の攻撃であるため、オルトが大ダメージを受けてしまう。しかも他の攻撃でもオルトが封じられることが多く、戦力にならない状態だった。

空を飛び、後衛狙いの風属性。考え得る限り、最もオルトと相性が悪かった。正直言って、こいつは第4エリアのフィールドボスの中では最も強いだろう。

しかし俺たちはどうしてもこの先にある、第5エリアに向かわねばならないのだ。いや、正確には第5エリアの町を抜けた先、エリアの後半部分を占める、地底湖である。ヒカリ茸をゲットするためだ。

「……それに、あの蟹は最高に美味しかった」

先日再会したアミミンさんがいくつかの蟹料理をごちそうしてくれたのだが、その蟹が地底湖で取れるらしい。

「あんな美味い蟹、リアルでもなかなか食えん。だが、ゲームの中なら食べ放題!」

蟹好き男子として、何を置いても地底湖に行かなくてはならなかった。

まあ、あとはホームの畑だね。なんと、プレイヤーの最高到達地点の町と同じ仕様になるらしい。第5エリアにいけば、そこと同じ品質の畑に変化するのだ。

現在、農業ギルドのランクは10。新たにホームに畑を追加して、すでにオルトたちによる開墾が進んでいる。その為にも、畑のランクアップは必要だった。

「とりあえず、ガルーダ対策に蜘蛛糸をまた大量にゲットしないといけないから、先に蜘蛛狩りだけどな~」

「――!」

「ああ、サクラ頼む」

黄樹の谷底に出現するイエロースパイダー。こいつの糸から作れる、蜘蛛糸玉。これをガルーダにぶつけると、一定確率で飛行を阻害して地面に引きずり下ろすことができる。

それが基本戦術なのだが、俺たちは昨日のガルーダ戦で手持ちの蜘蛛糸玉を使い切っていた。それでも勝てなかったわけだが、一度戦ったことで次は行けるという確信があるのだ。

肝心のイエロースパイダーは麻痺毒を持っているが、状態異常耐性のあるサクラと、麻痺耐性装備のリックがいれば楽に狩ることができた。こいつら、戦闘力その物は大したことがないのである。

第4エリアの敵を大したことがないなんて言えるなんて……。俺も強くなったものだ。まあ、第4エリアに出現する敵の中でもイエロースパイダーは最弱なんだけどね。

「よし! 蜘蛛糸ゲットだ! 早速、蜘蛛糸玉を作っちゃおうかな」

ここ数日で、俺たちのレベルは全体的に上がっている。やはり第3、4エリアを主戦場にしているのがいいのだろう。

あとは、第二陣イン記念の課金アイテムだ。これらの経験値アップチケットや、スキル熟練度倍化ドリンクなどを最大限利用して、レベリングをした効果も出ている。

錬金のレベルもかなり上がり、現地で必要アイテムを作り出すなんていう、まるで攻略組みたいなことまでやっちゃっているのだ!

ああ、実験や生産も忘れてないよ? ここ数日で刻印を百回以上は行ったと思う。まあ、ほとんど失敗だったけど。発酵樽の劣化速度上昇は、やはり樽の劣化が早まる効果でした……。ま、まあ、他にも色々と発見もあったし、有意義な数日間だったと言えよう。あ、クママの養蜂箱はすでに追加発注しておきました。すまん、クママ。好奇心に抗えなかったんだ……。

「粉砕と抽出のコンボで、高品質の耐風ポーションも用意した……。次こそはガルーダをぶっ倒すぞ!」

「フマー!」

「ヤー!」

「うんうん。やる気だね。今回はお前ら飛行組が頼りだからな!」

普通のパーティは蜘蛛糸玉を低空に下りてきたガルーダに向かって投げつけるか、矢などで撃ち出す。だが、飛行が可能な場合は話が変わってくる。近くまで行って、投げつければいいのだ。

勿論、攻撃を食らう可能性があるが、ガルーダを落とせる可能性は数倍に跳ね上がると言われていた。アミミンさんが勝利した時の動画を見たが、全て飛行可能なモンスで揃え、ほぼ何もさせずに完勝していた。

「まあ、その前に門番だが。ドリモの出番だな」

門番というのは、ボス部屋の前に陣取る大型モンスターのことだ。ボスを倒さないと、毎回湧く迷惑なやつだった。

ガルーダの門番はストーンマン。まあ、体長5メートル程のゴーレムの1種だ。ただ、弱点が解明されており、樹属性、土属性が弱点だった。しかも、体の何ヶ所かにある採掘ポイントで採掘を行うと、大ダメージを与えられると分かっている。

つまり、土属性のツルハシを持つドリモが、ストーンマンの天敵なのであった。採掘ポイントは毎回変化するが、ドリモが5ヶ所を採掘するだけで、倒すことができてしまうのだ。

普通のパーティならもう少し手間取るらしい。そもそも、動くストーンマン相手に採掘するのはそこそこ難しい。だが、樹魔術持ちが2人いる俺たちにとって、ストーンマンの動きを阻害するのは簡単だ。

結果、俺たちにとっては良いカモなのである。

「モグモ!」

「お? やる気だな?」

「モグモモー!」

「ど、どうした? 随分――おお、レベルアップが来たのか!」

ドリモのレベルは24。これで25だが……。

「やっぱり進化来てる!」

まさかここで進化できるとは思わなかった。やはり第4エリアは経験値効率がいいんだな!

「どんな感じだ?」

ドリモの進化先は2種類あった。

「ドリモール・ソルジャーに、ドリモール・ディガーか」

ソルジャーの場合は貫通撃というスキルを身に付け、掘削と重棒術、土魔術が上級に変化するらしい。

ディガーは鉱石探知というスキルをゲットし、採掘と重棒術、土魔術が上級に変化という形だった。発掘特化になるらしい。

「まあ、ドリモは貴重な戦闘要員だし、ここはソルジャーにしておこう」

「モグモー!」

「い、勇ましい! クールなドリモには珍しい!」

名前:ドリモ 種族:ドリモール・ソルジャー 基礎Lv25

契約者:ユート

HP:101/101 MP:73/73

腕力24 体力23 敏捷12

器用19 知力14 精神16

スキル:追い風、風耐性、強撃、掘削・上級、採掘、重棒術・上級、土魔術・上級、夜目、竜血覚醒・幼竜、宝石発見(20)、貫通撃

装備:土竜兵のツルハシ、土竜兵の作業着、土竜兵のヘルメット、土竜兵の黒メガネ

竜血覚醒時、腕力+40残り全ステ+15

「お、おお! 大分変わったな!」

「モグ」

まずサイズは変わっていない。ただ、毛の色が茶色から、やや赤が強い赤茶色に変化していた。赤茶のモグラである。あとモフ度が少し増したかね? それだけでもかなり見た目が違う。

作業着も、青いオーバーオールから、より深い紺色のオーバーオールになって渋さが増している。ツルハシは一回り大きくなり、持ち手まで金属製になった。よく見たらヘルメットの形状も少し変わっているな。書かれた文字は日光上等のままなのだが、古臭い印象のあった丸い作業メットから、少しシャープな現代風の作業メットにバージョンアップしたらしい。

変化がないのは、鼻頭のサングラスくらいだろう。

全体的に、より攻撃的になったかな? さすがソルジャーだ。

「あとは……竜血覚醒が変化したな」

幼竜? おお、覚醒時のステータス上昇率が上がったじゃないか! まさか進化するごとに強力になる? これは楽しみだ!

「ドリモ。門番戦、頼りにしてるからな?」

「モグ!」