軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

閑話4.第三王子、期待する

アカデミーの昼下がり、呼び出された部屋に行ってみれば、すでに呼ばれたであろう全員が揃っていた。

「おっせーよ、アルブレヒト兄様」

窓枠に腰掛けながら足をぶらぶらさせているラウレンスに非難され、アルブレヒトは元々のしかめっ面を更に歪める。

「うるせぇな、チビすけからの手紙なんて、俺はどうでもいいんだよ。て言うか、俺の分だけ持ってくりゃそれで済むだろうが。いちいち集める意味が分かんねぇ」

ラウレンスの傍の椅子に座っているフィレデルスを気にしながらも悪態を吐く。

そう、同じアカデミーに在学していてもめったに会う事のない王子たちが集められた理由は、末王子からの手紙の返事が届いたからだ。

末王子に手紙を送るというのも意味が分からなかったが、返事が届いたというだけで集められるのはもっと分からない。

そうは言いつつも、こうしてのこのこと来たわけだが。

「アルブレヒト兄様、お忙しい中ご足労ありがとうございます」

主催であるオリヴィエーロが労うと、文句ばかり言っていた自分の方が子供っぽく見えて、アルブレヒトはフンと鼻を鳴らし、身近にあった椅子にどっかりと腰掛けた。

「各自にお届けでも良かったのですけれども、こういう形で届きましたので」

オリヴィエーロが取り出したのは、箱だった。

さほど大きくはない、さりとて片手で持つにはいささか持ちにくい、その位の大きさだ。

「箱? なんだって手紙の返事が箱で届くんだ?」

「私も開けていないのでまだ分かりません。でも開けたらすぐに、お兄様方の手紙が見える形になっていたら失礼かと思い、お呼びしました」

「気になる~。早く開けようぜ、オリヴィエーロ!」

ラウレンスが箱を覗き込みながら、そわそわと急かしてくる。

フィレデルスは何も言わないが、視線はずっと箱に注がれている。

こうなってくると、流石にアルブレヒトも気になってきた。

「じゃあ開けますね」

オリヴィエーロの号令と共に開けられた箱の中には…………たくさんの手紙が詰まっていた。

「ん? 俺たちがやったのと同じ? いや、それにしても多くないか?」

何枚書いてんだアイツ、と言いながらラウレンスがその中の一枚を手に取るが、五才が書いたにしては綺麗すぎる文字に眉をひそめる。

裏を見て、目を丸くした。

「んん!? これ、エアハルトからのアルブレヒト兄様への手紙だぞ!」

「なっ!? ちょ、貸せ!」

驚き奪い取って見ると、確かにエアハルトの字で、アルブレヒトは驚いた。

自分の事をあんなに嫌っている弟から、手紙?

呆然とするアルブレヒトをよそに、ラウレンスは次々に他の手紙を見ていく。

「こっちはディートハルトからフィレデルス兄様に、こっちはノエルからオリヴィエーロにだって!」

フィレデルスも興味深げに、手紙の束の中から自分あての物を拾っていく。

「ハハッ、これアカデミーに行っていない弟たち全員から俺らにそれぞれ手紙じゃん! オリヴィエーロがやったの、倍以上にされて返されたな!」

ケラケラと笑いながら手紙を見ていくラウレンスの言った言葉を、オリヴィエーロは胸に染みこませた。

(リエト……君は僕の予想以上の事をしてくれる)

今までなら、アカデミーに通う王子たちだけでも、集まることも、同じ事をする事も叶わなかっただろう。

オリヴィエーロは、ずっと抱えてきた夢が叶う道しるべが出来た希望に、弾む胸を抑えるようにぎゅっと手で押さえた。