軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1473.橋の完成!

「やったー!」

降り続いていた酸の雨が上がり、太陽が戻って来た。

足元の水たまりが、陽光にキラキラと輝く。

「メイちゃん! すごかったよ! 異種類の二刀流カッコ良かった!」

「ありがとうございますっ!」

シオールに言われて、喜ぶメイ。

「右と左で違う武器って、すごいな」

「また見たことのない戦い方が出てきた……」

系統違いの武器を二つ使うという戦い方には、誰もが驚きの声をあげる。

「おおっ! スワローちゃんとツバメちゃんがハイタッチを……!」

よろこぶなーにゃ。

やはり鏡合わせのような二人は、ちょっと面白い。

「むっふふ、ローチェちゃんも大活躍だったね!」

「お、お見事でした……っ」

自画自賛で得意げにするローチェに、小さく拍手するまもり。

「まもりちゃんも良かったよ」と、寄せられた笑顔に「はひっ!」と背筋を硬くする。

「それにしても、やっぱり異世界の敵は違った怖さがあるわね」

自らのHPを減らしつつ、身体を崩壊させながら戦ったウェザガリア。

異世界の巨鳥との恐ろしい戦いに勝利したメイたちは、あらためて喜び合う。

「やっぱりトップの連携は、ちょっとレベルが違うなぁ……」

「ハウジング勢とその仲間25人でも、ボロボロだったのになぁ」

「この恐ろしい異世界の魔物でも、メイちゃんたちは止められなかったわけだ」

ワイワイと盛り上がるメイたち。

すると先ほど最高の演技と共に急流に飲まれたハウジングプレイヤーが、サツキタウンで復活して戻って来た。

「おおっ、雨が止んでると思ったら、やっぱり勝ったんだな!」

この辺りの復帰の早さは、橋の建設もウェザガリアの打倒も『クエストではない』ことが活きているようだ。

「橋は必ず……完成させるからね!」

遠く空を見上げて、急流に消えたハウジングプレイヤーを思うメイ。

「もう戻ってきてるみたいよ」

「いるいる! いるから!」とアピールするハウジングプレイヤーに、皆で笑うのだった。

「それでは、最後の工程に入りましょうか!」

マーちゃんが完成間近の橋を見ながら、ゴクリとノドを鳴らす。

「この天使像を壁の中心に置くことで、魔物による破壊が防げるようになります」

せっかく組んだ橋を、クエストでもなく偶然壊されたのではたまらない。

そのため『結界』の力を秘めた像を置くことで、ふらりとやって来た魔物に破壊されることを防ぐようだ。

マーちゃんが荷車に乗せて引いてきた石像は、なかなかに重厚だ。

「それでは、この石造の設置をお願いできますか」

見れば橋の左右には、落下防止用の低い壁が組まれている。

五月晴れとシオール達は自然と、メイに視線を送った。

「おまかせくださいっ!」

メイは軽々と天使像を持ち上げると、皆で一緒に橋の中央へ。

「それでは、設置しますっ!」

そのまま天使像を壁の中央に設置すると、光が大きく広がった。

そしてふわりと気持ちの良い風が吹き、結界の効果を実感する。

「皆さん、ありがとうございました! これで橋が完成しました――っ!」

「「「「おおおおおおおお――――っ!!」」」」

これまで三度の妨害を受け、諦観の念に飲み込まれかけていた橋の建設。

そのため自然と、ハウジングプレイヤーたちから大きな拍手が上がる。

これにはメイたちも、一緒になって完成を喜び合う。

「これでまた、この不思議な世界を進むことができるな!」

「ああ! これもメイちゃんたちトップチームのおかげだ!」

「こうしてみると、凄く達成感がありますね」

「まったくですな!」

「異世界のマップに残る橋。そんなものを自分たちで完成させたって考えると、なんだか特別に思えるわね」

「ローチェちゃんのムチをメイちゃんの剣で叩き切って、テープカットにしちゃう?」

そんな冗談に笑いながら、メイたちは皆一緒に橋を渡り切った。

「これで異世界最初の橋が完成したわけだな! 次は第二の拠点作りか!」

「新たな街は、少しだけ進んだところに作りましょう! 急流を超えた先のマップ探索、そして空に浮かんだ島へ向かうための拠点街です!」

「「「「おうっ!!」」」」

再び盛り上がるマーちゃんたち。

異世界では、最初から用意されているものなどない。

だから、ない物は自ら作って進む。

そのやりがいに燃えるハウジング勢たちが、叫び声をあげた。すると。

「おおーっ! これが完成した橋か!」

「大したもんだなぁ!」

橋の完成に気づいたのか、さっそく対岸に荷物を運ぶためのプレイヤーたちがやって来た。

どうやらすぐにでも、『次の街』を作るための資材を運び込むつもりのようだ。

「それではこのまま、次の街づくりのための準備を始めましょう!」

マーちゃんを先頭に、さっそく荷車による移動が始まり、次の街を作るための整地などが始まる。

こういう光景を見るのも、初めてのことだ。

「せっかくだし、街作りも見て行こうよっ!」

「そうしましょうか」

「ぜひ、街作りにも参加していってくださいっ! メイさんたちなら大歓迎です!」

異世界第二の『拠点街』を目指して、動き出すハウジング組。

作ることの楽しさ、そしてそれが街という規模の大きさ。

思わぬワクワク要素に、メイたちも一緒にその様子をうかがってみることにしたのだった。