軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1449.勝利!

「やったー!」

見事な勝利に、大きく飛び跳ねて喜ぶメイ。

「やったわね!」

「見事な一撃でした!」

「さ、さすがメイさんですっ!」

その隣で得意げにする『いーちゃん・りーちゃん』コンビを見て、レンたちも飛び込んでくる。

ハイタッチをしながら、笑い合う四人と二匹。

「「「やったぜええええ――――っ!」」」

そこに掲示板組も続き、火山探索組一団となって勝利を喜び合う。

地底人族長ゴア・ダグランは、倒れ伏したまま動かない。

「「「おおっ!?」」」

すると天井の一部が崩れ、落下してきた大岩が大噴火を引き起こす巨大魔法石に直撃。

砕けて散ったことで、強まっていた輝きがキラキラと霧散して消えた。

「これでアイアスラントを飲み込む大噴火は、防げた形ね。魔法陣の光も消えていくわ」

噴き出していた溶岩が収まる。

散っていく魔力の粒子を見て、クエストの成功を確信。

「オーロラ温泉の約束も、かなえられるねっ!」

「た、楽しみですっ」

うれしそうにするメイとまもりに、ツバメも大きくうなずく。

「それでは、帰りましょうっ!」

激しい戦いを終え、メイたちは大噴火装置の隠されていた決戦の間を出る。

そのまま来た道を戻り、階段を上がれば儀式の間にたどり着く。

「でもここから来た道を戻ることになるんだったら、結構大変だよなぁ」

「まあメイちゃんたちと一緒だし全然苦じゃないどころか、なんだったら時間かかってくれてもいいけど」

掲示板組前衛の会話に、大きくうなずく樹氷の魔女。

そんなことを話しながら、ワイワイと儀式の場を抜けようとしたその瞬間。

「ご機嫌だな……人間ども」

「「「っ!?」」」

突然背後から聞こえた声に、驚きと共に振り返る。

「あぶないっ!」

振り返った目に見えたのは、片手で持つには大ぶりな一本の斧。

轟音と共に、投擲。

一直線に迫るその一撃に対して、メイは腰を落として集中。

「それええええ――っ!」

「「「っ!?」」」

なんと柄の部分を狙って弾き上げると、斧はそのまま空中をクルクルと回転して地面に突き刺さった。

「お前……まだ生きてたのか!?」

全員がとっさに武器を構える。

その視線の先には、確かにボスの間で倒れたままだったゴア・ダグランの姿。

肩で息をしながら、その顔に邪な笑みを浮かべる。

「地底の帝王であるゴア・ダグランが、このまま軟弱な人間に敗れて終わるとでも思ったか?」

そう一方的にたずねた後、目に狂気を宿らせる。

「そのようなマネ、許されるはずがないだろう……ッ!」

そしてその手を、儀式場の中央に残されたままの大型の魔法石に触れる。

すると煌々とした魔力が宿り、一気に赤色に輝き出した。

「多くの魔力を失ってしまったが、まだ通常の噴火を起こすことはできる。これで貴様たちは、溶岩に飲まれて消えるのだ……我に敗北はないッ!!」

「なるほど、そういうこと……っ!! このルートの場合、ボスを倒した後に通常の噴火が起きて、溶岩から逃げ帰るクエストが始まるのね!」

「そういうことですか……!」

メイたちを溶岩に沈めることで、両者共に死亡という結末を成そうとするゴア・ダグラン。

「貴様たちは、ここで死ねぇ……!! フハハハハハハ――――ッ!!」

いよいよ力尽き、片ヒザを突く。

すると煌々と輝く魔力石から、儀式上に刻まれた魔法陣に光が一気に流れ込む。

「「「っ!?」」」

そして始まる、強烈な地震。

次の瞬間、儀式場に大きなヒビが走り出した。

その隙間から視界を焼くほどにまばゆい溶岩が、一気にあふれ出してくる。

「逃げましょう!」

メイの声に、全員がうなずく。

そして走り出すのと同時に、地底人の住処である空洞自体にもヒビが広がり始めた。

噴き出す溶岩と、崩れていく家屋。

「始まった! 溶岩脱出クエストが、地下の最深部から!」

「ここで死んでも、手にしてきたアイテムとかは没収なんだろ!? 意地でも生き残ってやる!」

「来たッ!」

始まった崩壊は天井から。

崩れ落ちてきた岩が地面にめり込み、弾け飛ぶ。

「痛っ!」

落下してきた石に当たった剣士が、HPを削られる。さらに。

「溶岩が来るよ!」

足元に駆けていく無数のヒビから、大量の溶岩が噴き出し、慌てて掲示板組が逃げる。

「見ろ! 地底人の族長が……!」

ヒザを突いたまま、怪しい笑みを浮かべるゴア・ダグラン。

まるで塗りつぶされるようにして、溶岩に飲まれて消えた。

「もと来た入口は、もう塞がってるぞ!」

「向こうです! 崩れた壁から穴が続いています!」

「……ちょっと待って!」

そんな中で、レンが目ざとく気づく。

「メイ! 一応そこの斧を確認してみて!」

「りょうかいですっ!」

レンの言葉に、うなずくメイ。

【地帝の戦斧】:高火力の一撃技【大切断】が使用可能。オブジェクトを斬ることもできる。その際の硬度や大きさは【腕力】に依存。中大型の敵は転倒を奪うことも。攻撃力101。

「【バンビステップ】!」

レンの勘は、見事にレアアイテムを発見。

ゴア・ダグランが最後に投じた斧を取って、走り出す。

こうして火山探索組の一団は、軽やかな足の運びで先導するメイに続く形で、地下からの脱出を計る。

「「「っ!!」」」

このホールを抜けるための穴を塞ぐ形で、落ちてきたのは巨岩。

それは道を塞いで、『壊すまでの時間』を稼ぐギミックだ。しかし。

「さっそく行きますっ! 【装備変更】っ!!」

手に入れたばかりの【地帝の戦斧】を、巨岩に真横から叩き込む。

「【大切断】だああああああ――――っ!!」

放たれた荒々しいエフェクトの豪快な一撃は、説明通りオブジェクトの巨岩を一発で叩き斬ってみせた。

「さすがぽよ……っ!!」

「と、とても強力な一撃ですっ!」

「気を付けましょう! ここからは一つのミスで即死もあるわ!」

「「「了解っ!」」」

大急ぎで穴へ飛び込み、街を抜け出すメイたち。

ゴア・ダグランの消え方を見ても分かる。

始まった溶岩ステージに、容赦などない。

「そこ、溶岩来ます!」

後衛組が続いて街を出ようとしたその瞬間、一気に走ったヒビに灯る赤熱。

ヒビ割れから溶岩が豪快に噴き出せば、後衛組が直撃を受けるのは確定的だ。

「【フリーズストライク】!」

「【白氷花】!」

こちらも見事な連携で、一瞬だけの凍結で噴出を停止。

まずはどうにか、ダグラン族の住処だった街を抜け出すことに成功した。