軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1422.可愛い妖精さん

森で迷子になった姉妹を、そのまま連れて帰れば達成。

二人の『入れ替わり』に気づけば、上位クエストへ派生。

レンの見事な指摘によって、メイたちはイタズラの主である妖精を探すことになった。

「こっちです!」

妹の身体に入った姉エルシーラの先導でたどり着いたのは、湖畔。

「妖精と会ったのは、ここ」

姉の身体に入った妹フランシスカが指さした先には、花畑が広がっていた。

切り株や倒木に咲く花が良い味を出している湖畔は、美しい。

「子供の入れ替わりは前にも起きたことがあるみたいで……心配させないように、黙っていようってことになったんです」

「その時は元に戻ったの?」

「分かりません……そこまでは聞いたことがなくて」

湖畔を歩きながら、辺りを見回す四人。

確かにこの美しい湖畔には妖精が良く似合うし、隠れるにも最適だろう。

「っ! 【加速】!」

そんな中、ツバメが急加速。

「……気のせい、ですか」

「ど、どうしたんですか?」

「何かキラッと光るものが見えたので」

「あっ! 【裸足の女神】!」

今度はメイが発見して、超加速で接近。

そのまま手を伸ばしてみるが、やはり見つからない。

「妖精たちは、隠れるのが上手」

「何かで隠れ場所から引っ張り出せるといいのですが」

姉妹の言葉を聞くに、力づくでというのは難しそうだ。

「手ごわそうね……どうする? あぶり出すなら……氷結魔法とかもあるけど」

さすがに炎で花を焼くというのは、なしだろう。

それなら冷気で何とか考えるレンだが、姉妹はブンブンと首を振った。

村人にもこの場所は、大切なのだろう。

「そういう事でしたら、風はいかがでしょうか」

「いーちゃん! おねがいっ!」

姉妹が首を振らなかったのを見て、メイはすぐさまツバメの案に乗る。すると。

「うわああああ――っ!?」

「きゃああああ――っ!?」

聞こえた二つの声。

「【裸足の女神】! それーっ!」

即座にメイが動き出し、花の間から転がり出た人型をスライディングでレシーブ。

「……いました! 妖精です!」

すると跳ね上げられた妖精は空中で羽を広げて、体勢を立て直した。

さらに隠れていたもう一体の妖精も、続けて姿を現す。

その大きさは、10センチを超えるくらいか。

葉っぱのような緑色の衣装に、大きな透明の羽。

エルフのような顔つきをしているが、目は大きく愛嬌がある。

「あーあ、見つかっちゃった」

少女のような妖精が言うと、少年のような妖精が楽しそうに笑う。

「もう要件は分かってるわね? この二人の入れ替わりを直して」

レンが告げると、少年のような妖精はそっぽを向いた。

「いやだね!」

「直して欲しかったら、勝負しなさいよ!」

そう言って、妖精たちは構えを取った。

「小さいと思ってバカにすると、痛い目見るぞ!」

そう言って、その表情に余裕を見せる二体。

「妖精さん相手に、バトルになるのですね」

「こんなのファンシーな世界観での戦いは、初めてね」

「が、がんばりますっ!」

そうは言っても、相手は小さな妖精だ。

「いきますっ! 【裸足の女神】!」

メイはとにかくキャッチしようと、超加速で接近。

「あれっ!?」

しかし少年妖精はこれを見事に回避。

「【電光石火】!」

それを見たツバメは一転攻撃に入るが、これも当然のように回避された。

「高速【誘導弾】【フリーズボルト】!」

続けざまの魔法攻撃も、身体の捻り一つで余裕の回避。

そのまま少年妖精が反撃に入る。

「いくぜ! 【風花】!」

発動と同時に吹き荒れる風の中に、舞う魔力の花びらがHPを削る。

「まだまだ【咲花弾】っ!」

さらに魔力の蕾が飛来して開花。

「うわっと!」

メイがその炸裂をかわしたところに、少女妖精が高速飛行で突進を仕掛けてくる。

「【アクロバット】!」

側方への回転跳躍による回避。

しかし少女妖精はそのまま通り過ぎ、メイの後ろにあった倒木をつかんだ。

「え?」

そしてそのまま、豪快にぶん回す。

「ええええええ――――っ!?」

直撃。

太い幹に弾かれたメイは、そのまま花畑の上を転がる。

「メイさんっ! 【加速】!」

思わぬ腕力を見て、飛び込んでいくのはツバメ。

しっかりと倒木による振り回しを警戒して構えたところで、少女妖精はなぜか急加速。

持っていた倒木を捨てた。

そしてそのままレンの【旋回飛行】のような軌道で後方に回り込むと、そのままツバメの背中をつかむ。

「なっ!?」

「はああああああ――――っ!!」

あまりに豪快な、バックドロップ。

派手なエフェクトと共に、ツバメが頭からズドンと、黒土の地面に突き刺さった。

「ツバメぇぇぇぇ――っ!?」

これにはレンも、驚きの声をあげる。

「お、思ってた妖精と違います――っ!」

一方の少年妖精も、まもりを狙って飛行。

「っ!?」

姿が消えたと思った次の瞬間、突然現れてまもりの脚を、小さな手でつかんだ。

「そらああああ――――っ!」

「きゃああああああ――――つ!?」

そのままド派手に回転。

10センチの妖精にジャイアントスイングの要領でぶん投げられたまもりは、湖を飛び石のように三度跳ねて沈む。

「戦い方がプロレスみたいなんだけど!?」

「レンちゃんっ!」

ここで戻ったメイが、少女妖精に向かい合う。

「【キャットパンチ】!」

そして剣よりも速く、直接的な拳打を連発。

見事な足の踏み出しで迫るメイに、妖精は下がるほかない。

「そらっ!」

「あっぶな!」

一方レンは、少年妖精の【咲花弾】を回避して反撃。

「【連続魔法】【誘導弾】【フリーズボルト】!」

これを少年妖精も、見事にかわすが――。

「見えなくなって隙を突くのは、そっちだけの特技じゃないわ! パラス・アテネ!」

「うわっ!?」

【ギリーフェザー】で土の色に偽装してたフクロウが【高速飛行】で特攻。

そのまま体当たりで、少年妖精の体勢を崩した。

「【フリーズブラスト】!」

即座に放つ氷嵐。

範囲を空中にすることで、少しでも花畑を守ろうというレンの意図はわずかに効果範囲を甘くする。

少年妖精は、隙間を縫うように飛行して回避。

しかしそこにもレンは、保険をかけている。

「パラス・アテネ! 【火炎弾】!」

逃げ込む先に放つ炎弾が直撃し、少年妖精は悔しそうに唇を噛む。

「援護します!」

ここで復帰したツバメに、すぐさま少年妖精が反応。

「させないってぇ! 【草結び】!」

「っ!?」

すると付近の地面から生えた草たちが一斉にツバメの脚に絡みついて、その身体を拘束した。

「まだまだ! 次はオマエだーっ! 【草結び】!」

発動と同時に、レンの足元から一斉に伸び出す草たち。

その足首に、草がかかった瞬間。

「【黒翼】!」

レンは黒い翼を広げ、羽を舞わせながら垂直に上昇。

その手に金色に輝く【聖槍】を構えると、そのまま空中から少年妖精に向けて発射する。

「光と闇を、その身に刻め――――『黒翼神槍』」

「うわああああ――っ!」

放たれた一撃の炸裂に、少年妖精は跳ね転がった。

「ちょっとツバメーっ! 今の魔法に詠唱は要らないでしょう!」

「黒い翼を生やして急上昇。羽を散らしながら聖なる槍を投じる姿が、あまりにも神々しかったので」

「カ、カッコ良かったです」

湖から上がって来たまもりも、これには大きくうなずく。

「【虎爪拳】!」

「きゃっ!」

一方の少女妖精も、ついにメイの連撃を喰らって後退。

「なかなかやるね」

「これは強敵よ!」

四人の戦いぶりに、妖精たちはHPを残したまま楽しそうに後退して集合。

そして、範囲魔法を発動する。

その範囲は花畑を丸々飲み込み、回避は不可能だ。

「「【チェンジリング】!」」

発動と同時に、大きな光が広がった。

「……あれっ?」

そして、メイたちが異変に気づく。

「ちょっと、もしかしてこれって……」

「そうです! 私たち……!」

「い、入れ替わってます――――っ!?」

妖精のスキルが決まり、メイたちはその中身を入れ替えられることになった。