軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1411.新たな情報!

「な、なかなか厳しいクエストでしたね」

高難易度の料理対決を制したメイたち。

すでに去ってしまっていたニスロクの代わりに、審査員たちを撫でて楽しんだ。

まもりは今回のクエストの難易度に、あらためて息をつく。

「その分、いいアイテムをもらえたわね」

【使い魔の鈴】:対象の動物や魔物に認められた場合、使い魔契約を結ぶことができる。

使い魔を得ることができる展開は、メイの時以来だ。

「こうなるとまずは、使い魔界隈の情報を見て考える感じでしょうか」

使い魔になれる動物や魔物は多く、またその個体も一から育てるものか、最初からある程度できあがっているものかで違いもある。

また『レア使い魔』と呼ばれるものもあり、メイの『いーちゃん』はそのレア枠の一体だ。

「面白いところだと、小型のドラゴンなんかがいたわね」

「居場所や生息域が分かっているかどうかも大事ですね。極楽鳥なんかは、そもそもの発見が難しいと聞いたことがあります」

「わ、私はペンギンを見たことがありますっ」

もちろんこの辺は、ある種の沼。

レベルを上げるならステータス等をどう上げていくか、完成型なら自分の戦闘様式に合っているか。

こだわり出せば、大変なことになる部分だ。

「皆さん、本当にありがとうございました……っ」

そんなことを話していると、タヌキたちが集まってきた。

地獄の料理人ニスロクから店の看板を守れたことが、とてもうれしかったようだ。

「いえいえー」

並んで見上げるタヌキたちの可愛さに、思わずもれる笑み。

「お礼と言うわけではないのですが、新たな調味料を求めて旅に出ているタヌキから聞いたお話を……」

そう言ってタヌキが、何やら話をし始めた。

「魔法学校で、めずらしい『アテネノクトゥア』の姿が見られたそうです」

「っ!」

その情報に、レンが思わず目を見張る。

「なるほど……妙に難しいクエストだと思ったけど、こういう情報までもらえるわけね」

「アテネノクトゥア?」

メイが首と尻尾を傾げる。

「手に乗るくらい小柄なフクロウよ。日本名はコキンメフクロウ」

「あの可愛い種ですね」

「星屑の世界には何種類かフクロウがいて、魔法世界映画の大作に出てきたシロフクロウ、眉尻がそのまま二つ飛び出した感じのワシミミズク辺りは、現実世界から持ち込まれたものがそのまま使われているのが各所で見つかってるんだけど……なぜかアテネノクトゥアは目撃情報しかないの。そのせいで結構なレア種じゃないかって言われてる」

「な、なぜその種だけ特別なのでしょうか」

「知恵や戦略、様々な技芸を司るギリシア神話の女神アテナ。その使いとされている特別な種だからと私は踏んでいるわ」

「レア種のフクロウ……気になりますね」

「見つかってるのに、どこにいるのか誰も知らないってなんだかワクワクしちゃうね!」

ただのレアなら、まだ良い。

だが神話の要素が乗ってしまうと、やはりどうしても血が騒いでしまう。

一度でも中二病に罹患した者に特有の、離れてもそういう要素が特別に見える感覚。

その上それがレア種として発見こそされ、捕まっていないとなれば、放っておけないのがゲーム大好きレンの性分だ。

「手乗りサイズのフクロウかぁ……可愛いんだろうなぁ」

「それだけは間違いないわ」

レンの自信ある答えに、メイは目を輝かせる。

「フクロウを連れて黄金のリンゴを食べていたら、それはもう……」

「し、神話ですね」

「……そのことは忘れておきましょう。そもそもこんな逸話、そんなには知られてないでしょうし。なんにしろレア種の使い魔の話なんて情報、放っておけないわ」

こうして四人は、使い魔探しへ向かうことにした。

タヌキたちに見送られながら、レストランを後にする。

「あれ? でも何か他にもしたいことがあったような……」

首を傾げるツバメ。

「フ、フグ刺しではないでしょうか」

「「「あっ」」」

「連れてこられる腕の良い料理人を見つけるか、迷子さんを捜してお願いするかですね」

「……また、次の機会にしましょう」

「そ、それがいいですね」

どちらも時間のかかりそうな流れ。

こうして四人は、使い魔界隈でもいまだにその居場所を捉えられていないアテネノクトゥアの情報を求めて、魔法学校へ向かうことにした。

メイが召喚した白狼の背に乗ってたどり着いたのは、見上げるほどの大きさを誇る城。

正面玄関へと続く大階段をはずむようにして上ると、そこには大きな玄関口。

「ありがとうーっ」

四人で白狼を撫でた後、エンブレムの飾られた重厚な石作りの門をくぐって中に進むと、そこは高い天井を持つクインフォード魔法学校の大ロビーだ。

古い貴族の城を思わせる大ホール。

炎を灯す大型シャンデリアが鈍く輝き、足元には深紅の絨毯が敷かれている。

天井に描かれた絵画も程よく風化し、ロビーを行くNPCたちまでローブや杖といった装備品で、魔法学校の世界観を感じさせている。

ポータルから離れているため、見事な世界観の割に人が少なかった魔法学校。

今ではすっかり人気マップになっているようだ。

「君は、ここの生徒ではないね」

受付の前を通りかかると、黒のローブをまとった壮年の男がまもりに声をかけてきた。

「生徒でない者は行ける場所が限られる。必要なら入校試験を受けなさい」

「そう言えば、入校試験がありましたね」

「すぐ終わると思うから、行きましょうか」

「は、はひっ」

こうして四人は久しぶりの入学試験のために、中庭へと向かうのだった。