軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1383.獅子の腹心戦

マフラー少女とレンがドールを連れ出していく中、メイたちは続けて腹心獅子と戦う。

見るからに攻撃力の高いハルバードを軽々振り回す、二足の灰色獅子。

「【獣歩】」

速い移動で一気に距離を詰めてくる。

「【連続投擲】!」

ツバメはすぐさま、雷と炎の【ブレード】を投じて牽制。

見事に直撃するが、一定以上の威力を持たない攻撃を弾く【獣歩】の効果で無効化される。

そのまま腹心獅子は猛烈な勢いで接近し、ハルバードで刺突を仕掛けてきた。

ツバメがこれを横への移動で回避すると、さらに大きな回転撃へ。

「っ!」

敵の背の高さゆえに、打点は高め。

ツバメはしゃがんでこれをやり過ごし、距離を詰めようと狙う。しかし。

「【キングス・ロール】」

巻き起こる風にあおられてしまうほどの豪快な回転撃が、再び迫る。

「【跳躍】!」

ツバメは前方への跳躍で刃をかわしつつ、攻撃体勢に入るが――。

【キングス・ロール】は、予想を大きく上回るクールタイムの短さ。

「【キングス・ロール】」

さらに斜め上方への力強いアッパースイングが、空中のツバメに向けて放たれる。

「【エアリアル】!」

ツバメはとっさに後方への二段ジャンプへ切り替え、これをかわす。

着地し、すぐに顔を上げる。

腹心獅子はまだ距離を詰めていないが、わずかに首を下げた。

「シャア――ッ!!」

「っ!?」

放たれた【砲弾咆哮】は、短い咆哮で衝撃波を飛ばす技。

ほぼ見えない衝撃は範囲も測りづらく、ツバメはこれを受けて大きく足をフラつかせた

「【裸足の女神】!」

しかしこの隙を突かせたりはしない。

「【フルスイング】!」

爆発音のような音を鳴らして、踏み込んで来たメイの振り降ろし。

腹心獅子は大きく跳び下がると、剣が地面に突き刺さって強い風を起こす。

その威力を見た腹心獅子は、ギアを一つ上げる。

「【烈爪】」

ハルバードを持たない方の手を払うと、その軌道に生まれる大きな斬撃の弧。

メイはしゃがんでかわし、振り上げを横へ一歩の移動で回避すると、続く振り降ろしを側転で避ける。

そして一転駆け出すが、【烈爪】は拳撃判定のためとにかく次撃が速い。

踏み出しと共に突き出した爪が、刺突の白刃を生み出した。

「【アクロバット】!」

刺突でも使用可能なスキルという事にわずかに驚くが、問題はなし。

メイは迫る斬撃を、華麗な空中回転で跳び越えた。

すると腹心獅子は、そのハルバードの刃を一度強く輝かせた。

そしてパチパチと電気の走りを見せると、腰を落としてハルバードを後方へ。

そのまま両手に持ち替え、豪快に回転させる。

そのモーションでメイは即座に『さっき見た回転攻撃スキル』だと判断して、距離を詰めながらの回避に入る。

「【キングス・ストーム】」

その動きはまさに先ほどと同じだが、一回転、二回転、そして盛大な三回転。

生まれた円弧の斬撃が、外に向けて飛来していく。

「わっと!」

判断が早かったがゆえに、右腕と腹部を斬撃がかすめていった。

ダメージはほとんどなく、安堵の息をつくメイ。

「……あれ?」

違和感に気づく。

右腕が麻痺して、動かない。

腹心獅子の【パラライズ・ブレード】は、武器の刃に電気による麻痺効果を付与するスキル。

さらに武器から生まれた斬撃にまで、その効果を乗せる。

困惑するメイに、腹心獅子は即座に攻撃を開始。

「【烈爪】」

速く、怒涛の爪攻撃が次々に斬撃を生み出す。

それでもメイになら、決してかわせない攻撃ではない。

刺突の三連撃を見事に回避して、反撃の隙を探す。しかし。

「っ!」

この距離での【砲弾咆哮】は、回避のしようがない。

「メイさん! 【跳弾投擲】!」

メイはその場で、自前のジャンプ。

すると足元で跳ねた【炎ブレイド】が、腹心獅子のヒザに当たってわずかに体勢を崩した。

メイの着地と、腹心獅子の復帰はほぼ同時だ。

「【烈爪】」

再び振り下ろされる爪の前に、メイは――。

「【装備変更】【キャットパンチ】!」

速い踏み込みから、【肉球グローブ】による動く左手の拳打を一発だけ刺し込んで、敵の攻撃を強制停止。

「【カンガルーキック】!」

これによって腹心獅子の体勢がわずかに崩れたところで、再び装備を変える。

「【重ね着】【装備変更】! からの……とっつげきーっ!!」

【鹿角】による一撃が直撃し、【狐火】による青い炎が炸裂。

腹心獅子は、燃えながら転がっていく。

「【加速】!」

ツバメは一気に距離を詰めていく。

「【妖刀化】【ヴェノム・エンチャント】【ヴェノムバスター】」

武器を【村雨】に変更し、起き上がりの腹心獅子の前へ。

「【リブースト】! はあっ!」

超加速からの振り降ろし、そのまま刀を返しての振り上げで、まずは二撃。

「【旋空】!」

続く回転斬りを決め、そのまま毒発症の四発目に入る。

「【三日月】!」

後方に提げた刀を、踏み込みから大きな振り降ろしと共に放つ一撃。

「っ!!」

しかしこれは欲張り過ぎ。

腹心獅子は短めのバックステップで、これを回避。

【パラライズ・ブレード】を使用し、そのままハルバードを全力で振り下ろす。

「……来ました、麻痺属性攻撃です」

しかしツバメは慌てない。

敵の攻撃属性をしっかり通達。すると。

「【かばう】!」

遅れて来たまもりが、二者の間に割り込み防御態勢を取る。

「【ウェアリングシールド】【地壁の盾】!」

そしてまもりが腹心獅子の攻撃をしっかり受け止めたところで、即座に斬り抜けを放つ。

「【稲妻】! 毒解放!」

本来八発必要なところを、【妖刀化】で省略。

四発目を決めたところで毒を発症させ、敵が『劇毒』状態になったところで、まもりが続く。

「【ストライクシールド】!」

放った『状態異常』盾は見事に右腕にぶつかり、麻痺を発症。

ハルバードでの攻撃を、大きく制限することに成功した。

「「今!」」

メイとツバメは距離を詰めに行く。

「【電光石火】!」

「【ソードバッシュ】!」

そして二人が攻撃に入った、まさにその瞬間。

「グオオオオオオオオ――――ッ!!」

「「「っ!?」」」

付近一帯を一撃で硬直に陥れる、【百獣大咆哮】が炸裂。

まさかの一撃はなんと、まもりまで硬直させた。

手にした大きなチャンスに、腹心獅子は動く左手による爪攻撃を狙って動く。

そしてそのまま、ツバメの目前に踏み込んだところで――。

「【速歩】!」

風のように踏み込んで来たカナが、拳を引いた。

「【雷走破】!」

そしてそのまま雷光の拳打を叩き込み、おおきく足をフラつかせたところで、足を全力で蹴り上げる。

「【斬火脚】!」

蹴り上げられた腹心獅子は、宙を舞う。

こうなれば当然後に続くのはレンだ。

「【フレアバースト】!」

燃え盛る爆炎が空を橙に染め、腹心獅子は遠く吹き飛ばされた。