軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1347.再会といえば

「レンちゃーん!」

「メイっ!」

京の一角に帰ってきたレンは、すでに待っていたメイに手を振られて駆け出した。

「どうだった!?」

「バッチリだよーっ! レンちゃんは?」

「私は何とかってところね」

そのまま抱き合った二人は、互いの成果を報告。

「お、お待たせしました……っ」

するとそこに、まもりが【ハニートースト】をくわえてやってきた。

「ど、どうにか【ヒノキ】の入手に成功しました」

「ないすーっ!」

「やったわね!」

今度は三人でハイタッチ。

喜び合っていると、不意にメイが視線をあさっての方向に向けた。

そこにいたのはツバメ。

レンも遅れて振り返ると――。

「ツバメだけ、二年の修行を終えた後の再会みたいな雰囲気に!」

思わず出たレンの言葉に、笑うメイとまもり。

「お待たせいたしました」

崖からの落下などもあり、装備品の見ためを劣化させるシステムのオンオフが可能となったことに気づいたツバメ。

さらにメイクシステムで『頬に十字傷』を足し、風来坊のようになっていた。

「すみません、思いついたら我慢できませんでした」

そう言ってツバメは、笑ってみせる。

「そ、その感じだと、素材の入手に成功したのですね」

「はい、無事に最高の【王麻】を手にすることができました」

「やったー!」

見事全員、狙いの素材を集めての帰還に成功。

「す、すごいです……っ!」

するとそれを見た子狐は、素材が良い物ばかりで大喜びし始めた。

「これなら良い神社が建てられますよ! さっそく始めていきましょう」

こうしてハウジングクエストは、次の段階へ進む。

「ここからは皆さんが持って来てくれた素材を元に、どんな神社を作るのかを選んでいく形ですっ! 何をどれだけ置くか、どのような物を並べるか、造りをしっかりさせるかどうかで鎮守の効果も変わってきますが、ぜひ皆さんの好きな物で飾ってもらえればと思います!」

「どうする?」

その気になればこだわれるし、そうでないなら雑に作った祠みたいなものでもいい。

これはそんな、自由度の高いクエストだ。

「せっかくだし、しっかり作ってみたいですっ!」

するとメイは、楽しそうにそう言って手を上げた。

「はい、私もできればそうしたいです」

もともと和風なもの全般が好きなツバメも続く。

それならレンもまもりも、特に異論はなし。

「いいわね。初めてのハウジングだし、いい素材もあるし、私たち好みの建築をやってみましょうか!」

「はひっ!」

メイたちは、しっかりとしたものを建てる方向で意思を決定。

「ちなみに、敷地の大きさも自由なの?」

「制限はありますが、もちろんです!」

「いくつもの社を持っていたり、長い長い参道があったりする荘厳な神社は大変そうですが、造り甲斐もありそうです。町の中にある小さな神社のような大きさで、ギュッと詰め込んだ感じも好きです」

「な、悩ましいですね」

「小さくても賑わってる神社とかも、できるのかなぁ」

「「「っ!」」」

メイのそんなつぶやきに、レンたちは思い描く。

こじんまりとしながらも、見どころの多い神社にメイがいる姿を。

「小さいけど、細かなところまでよくできてる……そんな町の神社みたいなイメージでどうかしら」

「い、いいと思いますっ」

「京ですし、錦天満宮のような感じでしょうか。とても良いですね」

思わず、うなずき合う四人。

「小さくても豪華。ワクワクするね!」

こうして、神社の方向性も決まった。

「それでは京の町の職人たちに、神具や建築の仕事を依頼しましょう」

子狐がそう言って、二足歩行で歩き出す。

メイたちもその後を追って、町中へ踏み込もうとすると――。

「よう、クマ狩りの冒険者さん。そっちの首尾はどうだい?」

まもりが【ヒノキ】の伐採に向かった際に、クマに困っていた木こりたちがやってきた。さらに。

「【神銅金】を取り戻してくれて、ありがとうな」

「石材なら俺たちに任せろ! 鳥居の作成なんかも必要だろ?」

金属や石材の加工職人たちも、メイたちを探してやってきた。

「神具の剣の作成は任せておけ。それと、他に必要なものをどうするかも聞いておきたくてな」

「他に必要な物って、何があるの?」

「例えば屋根はどうするんだ?」

「屋根……?」

金属で作る神社の屋根が想像できなくて、レンは首を傾げる。

「レンさん、神社の本殿には神様の依り代となる剣を置きます。そうなると瓦は使わない方が良いとされる可能性が高いです」

「どうして?」

「瓦は土を焼いて作るもの。そして『土の下』は死者の国。瓦が神様より『上』の位置に来てしまうと、死者の国に配置するということになってしまうんです。それなので銅を使うのが基本だったと思います」

「そうなの……」

感心するレン。

実はここで瓦を使ってしまうと、【依り代の剣】の効果が下がる。

ツバメの言葉は、そんなマイナスを消す流れを作った形だ。

「それなら……神社とかで時々見る青緑の屋根はできるの? あの色使い好きなんだけど」

「ああ、もちろんだ!」

レンがそう言うと、職人は大きくうなずいた。

「銅製の屋根ですね。私もあの色味はとても好きです」

本来は長く風雨に晒されることで、色が銅本来の赤褐色から酸化して明るい青緑に変わっていくのだが、その辺りは『加工』のうちに収めてくれるようだ。

するとそれを聞いたまもりも、木こりたちに問いかける。

「あ、あの、【ヒノキ】も、あの飴色の感じでお願いできますか?」

「ああ、任せとけ!」

集まってきた職人たちはさらに、メイとツバメに冊子を渡してくる。

メイの物には、様々なパターンの狛犬が並んでいる。

中には猫や狐、牛や虎といっためずらしいもの、柴犬のように面白さ重視のものまである。

ツバメの方も、両手でも抱えきれない大きさの【しめ縄】から、小さな祠用のものまで様々。

やはりここからは、色使いから形状から、好みで選んでいく形になるようだ。

「これは、楽しくなりそうですね……っ!」

「絶対なるよーっ!」

始まったたくさんの選択は、ハウジング系のシミュレーションならではの楽しみ。

メイたちはどんな神社ができるか、早くもワクワクしながら相談を始めたのだった。